お助け妖精は電子に棲む〈3〉〘妖精は関西弁?〙
「なぁるほど、それでうちを呼んだんや」
突然現れた女の子は納得したように首を縦に振った。
「呼んだって…わたしが?い、いつ?」
何とか落ち着こうと息を整えながらわたしは尋ねた。
「ふんふん、説明が要りそうやね〜」
女の子はふわりと宙に浮いて考える人のポーズになる。…ん?浮く?
よく見てみると彼女の背には何やらひらひらと小さな羽根の様な物が生えている。2枚が対で、上下に4枚。透明に近い虹色。
「んじゃ、今からうちの話よお聞いてな」
…わたしははい、と頷いた。
「うちはお助け妖精、名前は”いあ“」
「イ…ア?」
「あ、今カタカナで想像したやろ、ちゃうで、平仮名なんよ、平仮名で“いあ”ってゆうねん。覚えといてな」
平仮名…ですか…
「その”いあ“さんが何で私の部屋に?それにお助けっていうのは…」
「うん、それな。うちは電子機器に関して困ってる人を助ける妖精さんなんよ、最新の機器ってもう意味わからんって人おるやろ?そういう人をお助けするのが役目やねん」
「電子機器…」
「いっぱいあるやん?パソコンやスマホ、ゲーム機器にその他色々。で、皆が皆上手く扱えるわけじゃないやん?扱いがわからんくて困ってる人おるやろ?例えば目の前の」
「わたし…?」
“いあ”がわたしを指差す。
「わたしを助けに来たの…?」
「あんた叫んだやろ?助けてって言ったやろ?その声がうちに届いて、うちが来てんよ」
ふわふわと宙に浮かんだまま、妖精はそう告げた。