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    TRAININGお母さんが亡くなった時、海に行った宜野座さんの話。思い出の全ては狡噛に支配されていて消えられない苦しさ。執監時代。
    800文字チャレンジ3日目。
    波打ち際(サマータイム) 恋人と行きたいデートスポットは? もちろん海です、夏の海はロマンチックだもの。俺はそんな若い女の感想を耳にしながら、やがて海を模したプールの宣伝に変わってゆくコマーシャルを一つ無人タクシーの中で見た。途中でナイアガラの滝が出てきた時は笑ってしまったが(あれは川だ)高濃度汚染水で満たされていると分かっていても、彼女らにとっては海は憧れの場所なのだろう。
     狡噛が読んでいた本にも海を賛美するものは多かった。詮索はしなかったけれど、事実彼は泳げもしない海を眺めに行っているようだった。誰かに影響されやすい、可愛らしい恋人。
     俺は今、母の遺体を引き取りに沖縄に来ていた。そして何かに導かれるように、全てを終わらせると海に行った。多分、学生時代に俺の母の出身が沖縄と聞いた狡噛が、きっと色なんて全然違うんだろうなななんて、そんな馬鹿げたことを言ったからだった。その頃は俺は監視官で狡噛は執行官だったから、俺は意固地になって言わなかったが、彼の言葉はいつだって俺の中にあった。
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    TRAINING夕食を一緒に取る二人。前回の続きですがこれだけでも読めます。
    少し話した後に、抱きしめたくなるんだ 狡噛は何も喋らない。彼は俺の部屋にやって来ても、持参した古本を読むか、いつの間にか置かれるようになったレコードを流すかで、積極的に俺に触れようとしなかった。別にそれに不満があるわけじゃない。彼と過ごす穏やかな時間は俺にとってかけがえのないものだったし、狡噛慎也という人間が側にいるだけで安堵した。触れなくても体温が伝わって、彼の規則的な呼吸に泣きたいくらい安心した。子どもが母親の手を離さないように、ゆっくりとした心音に触れるため腹に頭を押し付けるように、俺は彼の横顔を見つめ続けた。そりゃあ触れたいと思う。手を握ったり、彼を抱きしめたりしたい。けれどその先に待っているのはセックスというだけで、そうすれば自分が今抱いている焦燥感が消え去ってしまいそうな気がした。俺は彼を愛している。だったら彼が心地よいようにしたかった。レコードをかけて、ジャズを流して、見知らぬ題名の本を読む彼の側に座って、俺はいつもデバイスを触った。彼の好きな音楽を探り、熱心に集中する本を調べた。でもそれだけだ。それだけで何も出来なかった。だから俺は口を開くのだろう。彼をそっとしてやりたいのに、用事にかこつけて、彼の声を聞き出したいのだ。彼がどんなふうに本に感想を抱くのか、この音楽のどこがいいのか。掠れ声がセクシーな歌手の声に耳を傾けるのは何故なのか。俺はそんな簡単な不思議を知りたくて、狡噛に向かって声をかけた。
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