私たちの武器は!
「私たちの武器は! 愛と」
「勇気と!」
「…………き、 希望……」
戦闘後にコレットとジーニアスがノリノリで始めたかけ合いに、照れ顔でクラトスが付け加える。
久しぶりだな、それ! と器用に二本の剣を回し、鞘に仕舞いながらロイドが茶化した。
「皆さん、楽しそうですね」
「プ、プレセアもやろうよ! ほら、ミトスも一緒に」
「けど、僕は戦えないし……」
「そんなの関係無いよ。 ミトスは僕たちの仲間だし! そうだよね、プレセア?」
はい、とプレセアが頷くとジーニアスが、ほらほらとミトスの手を引っ張って、コレットやクラトスの前に連れ出す。
照れながらも嬉しそうなミトスに、4人でポーズを決めて練習を始めるジーニアスたちを眺めて、プレセアが小さく笑みを浮かべた。
「プレセアは、行かないのか?」
「ロイドさん……その、私は」
ロイドさんとが、いいです。
上手く言葉に出来なくて、 もじもじとスカートの前で手を合わせるプレセアに、ロイドは軽く首を傾ける。
本気で解ってない、鈍いロイドにゼロスが助け舟を出した。
「ロイドくーん、試しに手本見せてやってよ。 プレセアちゃん、こういうノリに慣れてないから、勝手が解んないのよ。でしょ、プレセアちゃん?」
「だったらお前でも……」
「いや、俺サマにはしいながいるし?」
「寄るんじゃないよ、このアホ神子!」
胸に手を伸ばそうとするゼロスをお札を構えて牽制する、 しいな。
「しょうがねーなぁ、ゼロスは……じゃ、コレットたちみたいなカッコイイの考えようぜ、プレセア!」
「はい……よろしくお願いします」
プレセアの頬に赤みが差すのをゼロスは見逃さず、ヤレヤレと肩を竦めた。
「勉強もあれぐらい熱心だと良いのだけれど」
「たまには息抜きも必要だろう。 休憩に紅茶でもいかがかな?」
「ごめんなさい、紅茶よりコーヒー派なのよ」
「では、風味豊かな焙煎珈琲でも挽くとしよう」
ありがとう、とリフィルが優雅に微笑んで本の頁を捲る。
数十分後、ワイワイと仲良く、ティータイムに入るロイドたちの姿があった。
2012.1