レビュー★★★★★真っ昼間のカフェテラスで溜息をつく二人組。一人は髭を蓄えた柄シャツの大男。もう一人は鼻に傷がある目つきの悪い男。とにかく目立つ二人はテーブルを挟み歪み合っていた。
「何が悲しくて非番の日までクソ野郎の顔拝まなきゃなんねぇんだ。」
「こっちの台詞だ。貴重な非番にアル中じじいと一緒なんて…」
「帰るぞスモウ。」
名前を呼ばれ、足元で大人しく伏せていたセントバーナードが顔を上げる。腰を浮かせ帰ろうとするハンクを慌てて引き留めた。
「待て待て!冗談だよ!」
「呼び出したのはそっちだろ。その態度が気に食わねぇ。」
このままでは本当に帰ってしまう。背に腹はかえられない。
「お待ち下さい!警部補殿。非番にお呼び立てして申し訳ありません。どうか私の話を聞いて頂けないでしょうか?」
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