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    アカリ

    @VwX6yzNx3JMWcLN

    K暁の話その他小話とか絵置き場。

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    アカリ

    TRAINING微ホラー話ふたつめです、前より長くなって出し所迷ってました。起承転結の結が曖昧なホラー好きが書いたものなのでゆるっと楽しんでいただければ幸いです。
    東京奇譚.二「えぇ、それは確かに居ました」

    女は頬に手を添えて──うんうんと小刻みに何度も頷いて周囲を忙しなく伺っている。KKと暁人にしてみればその挙動の方が不気味で「続き良いか」とKKが促すまで女は天井、壁、床をひたすらジロジロと見続けていた。

    「あ、あぁ、はい…すみません、すみません。私ときたらいつもこうで。そのせいで受付嬢のクセに落ち着きがないのだと弊社の方々にも何度も言われて──また逸れましたね。申し訳ございません」

    女の手は小さくカタカタと震えている。恐怖のせいかと暁人が声をかけようとしたのをKKはそっと片手で制してきた。
    オフィス街にある某ビル。そこはテナントなどではなく一階から最上階まで全てその会社のビルであり、都内でここまでしっかりとしたオフィスを構えるのはなかなかのものであろう。しかし今まであまり聞いたことのない企業だと暁人が頭を捻っていると凛子とKKは「あまり詳しく詮索しない方がいいかもな」と至極真面目な顔で言ってきて。表向きはマトモ、ということはもしかしたら何か裏がある会社なのかもしれない。
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