本日は快晴!気分も上々!
白くぼやけた青空に季節の移り変わりを感じる。
もう、すっかり春だ。
ぐっと腕を伸ばし大きく息を吐く。
夜はまだ冷えるけど、日中ならもうマフラーはいらないくらいだ。
とはいえ今は撮影中。衣装もすっかり春服になっている。
屋外のロケ番組の撮影で、俺はテレビ番組のミニコーナーの収録をしていた。
「カメラチェックするので木村さん休憩で!」
「はい!」
ばたばたとスタッフさんが忙しなく動いている。
休憩を言い渡された俺は、何をするでもなく周囲を見渡した。
その道端には、どこか見慣れた枯れ木があった。
何の気無しにその木に近付いてみると、既視感の理由に気がつく。
この木、さくら…ソメイヨシノだ。
よく見ると小さな蕾がいくつも付いていて、中には数輪だが開花している房もあった。
もう桜咲いてるんだ、春だなあ。
懸命に咲く一輪の桜の花はとてもいじらしくて、思わず手元の携帯で写真を撮ってしまった。
嬉しくなった俺は、思わず季節の便りを彼に送った。
早く君に見せたい。
叶うなら一緒にお花見がしたいな。
もう少ししたら桜も満開になるだろう。
その時俺の隣に君がいてくれたら嬉しい。
『桜ですか、綺麗ですね』
返ってきた返信に目を細めて、俺は春の訪れに心が踊った。
今年の桜も君と見たいよ、清澄。
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