カラン、と溶けた氷が落ちる音がした。
グラスの中身は空っぽで、水で薄まったジュースの残りが底に溜まっている。
「俺、飲み物取ってくるけど、木村は?」
「あー、じゃあコーラ!」
「OK」
鷹城が新しい飲み物を取りに席を立つ。
俺は席から見える窓の外をぼんやり眺めていた。
今日は事務所で打ち合わせがあり、偶然出くわした鷹城とファミレスに来ていた。
「ほら」
「お、サンキュー!」
グラス一杯に注がれたコーラを受けとる。
鷹城はメロンソーダを片手に、向かい側に座った。
「で、清澄とはどこまで進んだんだよ」
「えっ!?」
「付き合った、っていうのは聞いたけど、そこからどうなったかなって」
突然の話題に思わず動揺してしまう。
確かに鷹城には清澄の話してたけど、急にその話題を振られるなんて思わないだろ!?
「あー、えっと…」
まさか手も繋いだことがないなんて言いづらくて、俺は苦笑いするしかなかった。
「なんだよ、誤魔化すなって」
「いや…そういうわけじゃなくて…」
無意識に頭を掻いてしまう。
えーと、どう言ったものかな…
とはいえ鷹城相手に誤魔化しても仕方ない。
俺は正直に伝えることにした。
「…進展遅いだろうなとは思ってたけど、マジか」
「なんだよその顔…」
驚き半分、呆れ半分といった鷹城の表情に、俺はちょっと傷ついてしまった。
そんなに遅いかなあ…?
少しやけになってコーラを一口含むと、それは口の中でぱちぱちと弾けて、俺の思考を溶かしていった。
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