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    Nuwa_150

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    Nuwa_150

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    「ケルビムの匣」
    蘆屋の呪いで人が大変になる怖い話を書いてるよ。
    晴道だよ!

    #晴道
    clearChannel
    #怖い話
    scaryStory

    調査報告書【修正案第十稿】
     貴社に調査依頼を頂いた【削除:差別的な意味合いの語句が含まれるため(対象の)と代替する】地区の調査をした結果、再開発計画に含めるには、いくつかの懸念点が見つかったため報告させていただきます。
     対象の地区は、地理的にも優れた土地で、かつては鉱山として栄え、通称【削除:不快感を催させる固有名詞のため】村とも呼ばれており、古い資料によりますと温泉も湧いていた豊かな土地です。
     再開発計画の候補地として、これ以上無いほどの土地ですが、周辺地域で過去に地滑りが頻発した記録が残っていました。
     対象の地区に村があった記録から、その区域でなら開発可能ではないか、と今回の調査を依頼していただいた経緯は担当者からも聞いております。
     しかし、調査の結果、無人化した廃村にも地滑りした形跡が【形跡という書き方は相手に疑念を抱かせて詳細を問われる可能性有り。調査報告書第一稿の内容を読ませるわけにはいかないので、虚偽でも地滑りはあったと書くべし】見られ、添付した土壌調査の結果からも、安全性の面で保証ができません。
     弊社からは、この地区を再開発候補から外す事を提案せざる終えません。
     御検討の程、よろしくお願いいたします。
     
     追伸:資料や調査記録から個人を特定され、聴取されると厄介です。なので必要な書類は個人情報を盾に黒塗りに、不必要な物は焼却処分でお願いします。
     
     調査記録1214【焼却対象】
     記録者:■■ ■■
     前述した資料の通り、証言によると、あの日、あの村から逃げ遅れた人々は一人も見つかっていない。
     村には老若男女合わせて百人程が住んでいたが、生き残った殆どが子供と女を合わせて五十人弱。
     半分が消えた。残ったのは泥だけである。
     砂利が敷かれた地面には泥がこびりついて、埋め尽くされ、家々は泥に汚れ、その中まで泥に汚染されていた。
     現場は災害の後、生存者が帰宅する事はなかった。
     そのため、家財なども手付かずで、当時の生活のまま残っている。
     添付写真から見てもわかるように、あの晩、食べるはずだった夕食の乗った皿が置かれたまま、泥が上から張り付いてテーブルの上で固まっていたのだ。
     まるで、今さっき普通に生活をしていた人間が、泥に飲み込まれて、そのまま村が、その瞬間ごと取り残されてしまったようだった。
     だから、最初の調査隊は、恐怖から早期撤退し、二度目の調査を拒否したのだ。
     そこから、電話線の通ってる村まで降りて、何度か外部から事情を知らない人間を調査に呼び寄せたが、皆、その事実に気がつくと気味悪がって二度と行きたがらなかった。
     そもそも、勘の良い人間は、村の入り口にある道祖神、首の折れた石像から先にある、開けた生活感のある村の様子を見るだけで気分を悪くして、それ以上先には進んでくれなかった
     あの村を襲ったのは地滑りなんかじゃない。
     それだけは確信できる。
     地滑りというものは、土というものは、泥というものは、質量がある。
     地震や雪、洪水で土が柔らかくなって、滑って集落を飲み込んだのだとすれば、木造の住宅などひとたまりもない。
     経験上の観点からして、柱が折れたり、倒壊する事も少なくない。
     しかし、村の建物は、どれも崩壊していなかった。
     ただ、家屋の中が泥で満たされて、泥が弾けて、家の中で散らばっていただけだ。
     あの村は、あの場所は、何かがおかしい。


     調査記録0114【焼却対象】
     この記録はカセットテープの録音を書き起こしたモノである。
     話者:■■■県■■市在住■■■ ■■さん

     けるびむの匣をあけた。
     僕が、匣を発見したから、だから村はあたみせちぼろほ
     あらかてさせまぜみそねろうにさにむ、あらかてさせまぜみそねろうにさにむ、えにそめあもー、えにそめあもー
    (暫く解読不能な声が続き、突然変わる)
     ■■■お兄ちゃんが、あけたんや。
     洪水で山が崩れてしもてな。村は無事やったんやけど、通り道が埋もれてしまったんよ。
     みぃんなで協力して、泥を掃いてな、道をあけたんよ。
     そん時に、匣を見つけた。
     綺麗な、寄木の匣やった。こんな田舎では、滅多に観れない大きくて豪華な作りの、素敵な匣で、家宝にしたいくらい。
     開ける場所がわからんで、中に何も入らなくても、匣だけで、その価値はあったと思う。
     だから風呂敷に包んで、みんなには内緒で押し車の中に、道具と一緒に隠して持ち帰った。
     そしたら、匣の中から音が聞こえたんよ。
     カサカサいうて、虫でも中に入ってしもうたのかと思った。
     虫が湧いたら嫌やろ、一回、あったんや、箪笥の裏に虫の卵があって湧いた事が。
     だから■■■お兄ちゃんが、あけたんや。■■■お兄ちゃんが、あけたんや。■■■お兄ちゃんが、あけたんや。■■■お兄ちゃんが、あけたんや。
    (暫く壊れたように同じ言葉を続ける)
     ■■■お兄ちゃんは地主の息子で、東京の大学を出た、偉い人なんよ。
     僕は頭が足らんから、■■■お兄ちゃんなら寄木の匣を開けられるかなって思って、人から譲ってもらったって嘘ついて、見せた。
     ■■■お兄ちゃんは、暫く悩んで、それで預からせてくれって、難しいやつやからって、でも久しぶりに面白いこと見つけたみたいに、目ぇ輝かせてた。
     ■■■お兄ちゃんは、東京から戻ってきて、ずーっと楽しくなさそうだった。本当は、東京の暮らしが楽しかったみたい。だけど、■■■お兄ちゃんは、戻ってこなアカンかった。
     ■■■お兄ちゃんは、シメズミだから。地主の家は、代々シメズミだから。シメズミの役目を果たさなきゃならん。村を出ても必ず戻らないと、酷い目に遭うから、■■■お兄ちゃんは戻ってきて、シメズミ様になろうとしてた。
     けど、東京で勉強してきたのが、うちの村では全然通じないから寂しかったみたい。
     何日かしたら、■■■お兄ちゃんが「おう■■、そろそろ開きそうだから、うちに来いよ」と呼んでくれて、僕は■■■お兄ちゃんの部屋に野良仕事の後行った。
     ■■■お兄ちゃんは、丁寧に、一つずつ、寄木をずらしていって、パチパチと音を鳴らしながら、だんだん、匣が開いていくのがわかった。
     パチンと気持ちのいい音が鳴ったかと思うと、ようやく匣が開いた。
     僕とお兄ちゃんとで、恐る恐る、虫が飛び出してくるかもしれないと、思いながら、匣の中を覗いた。
     虫はおらんかった。
     代わりに、白と黒の細い、細い糸が敷き詰められていた。
     艶やかで綺麗な糸、白と黒のが左右に綺麗にわかれて敷き詰められてた。
     僕は、なんや、針道具の匣やったんかなと思った。
     けど、■■■お兄ちゃんが「奥に何かある」って言って、糸を掻き分けた。
     右に黒、左に白の糸を掻き分けると、鈴があって、チリンチリンと綺麗な音が鳴った。
     もっと、もっと奥まで、匣の底に何が入ってるのか、気になって二人で掻き分けて、それで
     目が合った。
     けるびむ様
     けるびむ様
     けるびむ様
     ■■■お兄ちゃんが、そう呼んでた。
     天使の名前やて、そう天使、神様の使いなんや。
     糸やと思ったのは、翼やった。けるびむ様が飛ぶための翼。
     匣には、それは、それは美しい、顔が入っていた。
     けるびむ様の顔。
     右側から見ると、美しい女に。
     左側から見ると、美しい男に。
     顔しか入ってなかった。
     そんくらいの大きさの匣だった。
     でも、不思議と僕も■■■お兄ちゃんも、それが生きてる事は疑わんかった。
     艶々とした肌をして、ああ、■■■お兄ちゃんが吐息を漏らしたら、産毛がそよいだんよ。
     生気があったんや。
     とろんと、微睡むように伏せられた瞳の奥は、動いていて、生きていた。
     顔しかないのに、頭しかないのに、そんな事ができるのは、天使ぐらい。
     けるびむ様、けるびむ様。
     僕らは、けるびむ様の美しさに、うっとりと見惚れてた。
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    Nuwa_150

    MAIKING歪霊聖杯異記 Fate/Ghost of revenge
    プロット途中まで
    1.怨霊聖杯起動
    B29の爆撃、侮辱と祖霊は荒ぶり、怨霊は目覚めた。
    千年生き、日本を守護してきた半神、安倍晴明は謎の魔術師集団の策略で歪んだ聖杯戦争に巻き込まれる。
    目覚めた騎馬兵(ライダー)平将門の襲撃に、晴明の召喚に応じたサーヴァントは、彼が良く知る陰陽師、蘆屋道満であった。

    2.首無し公将門
    まさかの道満の召喚、将門公に対しては不利であり、敵もほくそ笑む。
    しかし、かつてのライバル道満に「貴様、その程度の男だったのか?」と発破をかけられた晴明は頭を回す。
    すなわち、首がない者がどのように敵を察しているのか?
    それは音、気配である事を
    「芳一になりたくなければ、耳までしっかり」
    二人は気配遮断の術を駆使し、式神を囮に、首無しで不完全な将門を一次的に道満の体内に封印しようとする。
    キャスター蘆屋道満の能力は怨霊を体内に取り込み、自らの力へ転じる事。
    将門ほどの強い怨霊は吸収しきれないかもしれないが、一時的に封じる事ならできる筈だと、二人の意見が合致する。
    しかし、後一歩の所で敵のマスターが天空より将門を撤退させ、取り逃す。
    残された二人、晴明は、道満の瞳に残る輝き、真っ直ぐな黒髪 5752

    Nuwa_150

    MAIKING聖杯戦争に参加する千年長生き晴明さんと召喚されたキャスター道満が見たいとかマロ送った君!君のせいで!ちょっとだけ、書きたい冒頭書いちゃったよ!
    ふぅ……もう満足したし、やっぱ全体を書くのは疲れるので無理だとわかりました。
    歪霊聖杯異記 Fate/Ghost of revenge


     この土地は呪われている。
     終戦後、数多く落ちた弾頭と共に、神秘のヴェールは破壊された。
     人々は信仰を失った。
     崇め奉った現人神が鬼畜米兵に負けたのだ。
     だが、残されたモノはある。
     高度経済成長期を迎え、神秘が死んだ、この世界でも生きている呪いがある、神秘がある、人々が信じ続けている魔術のテクスチャがある。
    「Ghost of revenge……」
     一人の魔術師が、母国語で呟いた。言葉は魔術である。人の思考を制限し、神秘を象る原初のツール。
    「即ち、怨霊」
     この国の人、思考、民族、宗教性を表す言語。独自の観念を掴んだのは、この日のためだった。
     1999年、動乱の経済崩壊を迎えて、もはや彼らが信奉するのは神の慈悲ではない。
     天、地、空、物、人、それらの『怨み』だ。
     この国の者たちは、神を信じない。しかし、厄災を落とす『霊』は信じている。
     この土地で強い力を手に入れるなら、神を崇めるより、墓を暴く方がよほど障る。
     魔術師は笑った、なんという皮肉!
     暗雲から開放された月光が、舐めるように外界を照らした。
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    Nuwa_150

    MAIKING「ケルビムの匣」
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    調査報告書【修正案第十稿】
     貴社に調査依頼を頂いた【削除:差別的な意味合いの語句が含まれるため(対象の)と代替する】地区の調査をした結果、再開発計画に含めるには、いくつかの懸念点が見つかったため報告させていただきます。
     対象の地区は、地理的にも優れた土地で、かつては鉱山として栄え、通称【削除:不快感を催させる固有名詞のため】村とも呼ばれており、古い資料によりますと温泉も湧いていた豊かな土地です。
     再開発計画の候補地として、これ以上無いほどの土地ですが、周辺地域で過去に地滑りが頻発した記録が残っていました。
     対象の地区に村があった記録から、その区域でなら開発可能ではないか、と今回の調査を依頼していただいた経緯は担当者からも聞いております。
     しかし、調査の結果、無人化した廃村にも地滑りした形跡が【形跡という書き方は相手に疑念を抱かせて詳細を問われる可能性有り。調査報告書第一稿の内容を読ませるわけにはいかないので、虚偽でも地滑りはあったと書くべし】見られ、添付した土壌調査の結果からも、安全性の面で保証ができません。
     弊社からは、この地区を再開発候補から外す事を提案せざる終えません 3262

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     対象の地区は、地理的にも優れた土地で、かつては鉱山として栄え、通称【削除:不快感を催させる固有名詞のため】村とも呼ばれており、古い資料によりますと温泉も湧いていた豊かな土地です。
     再開発計画の候補地として、これ以上無いほどの土地ですが、周辺地域で過去に地滑りが頻発した記録が残っていました。
     対象の地区に村があった記録から、その区域でなら開発可能ではないか、と今回の調査を依頼していただいた経緯は担当者からも聞いております。
     しかし、調査の結果、無人化した廃村にも地滑りした形跡が【形跡という書き方は相手に疑念を抱かせて詳細を問われる可能性有り。調査報告書第一稿の内容を読ませるわけにはいかないので、虚偽でも地滑りはあったと書くべし】見られ、添付した土壌調査の結果からも、安全性の面で保証ができません。
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