飢えた獣は離せない今日は司くんにランチに誘われた。内心浮かれて昼休みまで口角が上がりっぱなしだった、のだが。
「『今日のランチは無しにしてくれ、少し体調が優れなくて、すまない。この借りは必ず返す』……か」
司くんのつれないメッセージに思わず眉を顰めてしまった。それにしても司くんは大丈夫だろうか。様子を見に行こうと席に立ったとき、見知らぬ女子生徒が駆け寄ってきた。
「神代くん、ちょっといいかな…?ふ、二人きりで話したいことがあるの」
そう頬を赤らめて言った彼女は僕の袖を掴んでくる。さっさと司くんの所へ行きたいのに。でもこういうとき司くんから真摯に答えるんだろう、そう思って一応彼女の言うことを聞いた。すると案の定、告白だった。それだけなら良かったのだけれど。
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