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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第二十五回 お題:「身長差」「紙飛行機」
    司視点 両想い
    30分オーバーしました

    #類司
    Ruikasa
    #ワンドロ

    それは、ある日の練習終わりのことだった。


    練習終わりに昔何をして遊んでいたのか話していて。
    その時に、今の紙飛行機は折り方さえしっかり学んでいれば、とても遠くまで飛ばせるということを教えてもらって。



    えむがあまりにもわくわくしながら聞いているもんだから、折角だし皆で作って飛ばしてみよう、なんて話になって。

    皆で一斉に飛ばして飛距離を楽しんだり、折る動画を見てた類がこうすれば更に飛べるんじゃないかとかって言い出したり。

    皆で折り方を変えてみて。でも紙を無駄にはできないから、同じ紙を広げて元に戻してからまた折って。
    折っては飛ばし。折っては飛ばし。

    そんな、類がよくやるような実験を、皆で楽しんでいた。
    その時だった。





    「司くーん!変なとこ行きそうな子、捕まえてー!」
    「ん?…おお、あれか!わかった!」

    ちょうど自分の紙飛行機を拾った時、えむに呼ばれてその方を向くと、客席から逸れて林の中に突入しそうな紙飛行機が少し手前を飛んでいた。

    同じ紙を使っていることもあり、あまり傷つけてしまうと飛ばせなくなってしまう。
    実際遊びすぎて、ダメになってしまった紙飛行機は何体かできてしまった。
    着ぐるみにもこれが最後の紙だと言われていたこともあり、どうにか着地前に取らないと遊べなくなってしまうかもしれない。


    オレも紙飛行機の行先を確認して、えむと同じ考えになった。行ってしまう前に、どうにかキャッチしないと。

    だが、思った以上に上を飛んでいる紙飛行機は、俺が手を伸ばしても届きそうにないような位置にあった。
    ジャンプしても、届くかどうか。


    いやでも、えむにも頼まれたんだ。
    あの笑顔を、無碍にするわけにはいかない。





    そう思い、どうにか助走をつけてジャンプし、紙飛行機へ手を伸ばす。

    その手は、紙飛行機に僅かに触れたものの、掴むことはできなかった。







    「っ、もう一回…!」
    「待って、司くん」
    「なん、だ……???」


    着地して振り返り、もう一度行こうとした瞬間、肩に手を置かれる。
    こんな時に何を、と振り返ろうとした瞬間、前を紫が横切った。





    慌てて横切った紫を目で追うと、

    先ほどと同じくらいの高さを飛んでいる紙飛行機に、類がジャンプしてキャッチしていた。


    紫の髪が、服が、ふわりと舞い
    白で覆われた指先が掴む、その姿から

    目が、離せなかった。










    「ふう。入る前でよかったよ。……司くん?どうかしたかい?」
    「…いや、何でもない」
    「…?そう?」
    「ああ。…ほら、それえむに渡してくるぞ」
    「う、うん……」



    きっと俺は、変な顔をしていることだろう。
    顔に出そうになった感情を無理やり抑えたから。

    でも今は、きっと答えられないと思った。
    暴走しそうなこの感情を、自分も整理したかった。





    ----------------------------









    本当に、タイミングが悪いもんだと。
    思わず頭を抱えたくなった。


    結局その後も紙飛行機を飛ばしまくって、それでから解散となったのだが。
    ショーも学校もお休みということもあって、今日は類の家にお泊りする予定となっていたのだ。


    意気揚々と泊まるからな!と断言していた過去の自分を、今だけは恨んだ。







    「司くん、お待たせ」
    「お、類!ちゃんと髪は乾かしただろうな?」
    「うん。しっかりとね」

    傍に寄ってきた類の髪に触れると、確かに水分は残っていない。

    「ん。毎回ちゃんとこうしろよ?」
    「んー。毎回は面倒かなあ。自然乾燥でもいけるし」
    「だ・か・ら!それだと風邪をひくと言っているだろう!?」

    怒る俺をいなす様に「まあまあ」という姿に、絶対に直す気はないんだなと、思わずため息をついた。



    「それより、司くん」
    「ん?なんだ?」
    「ちょっとこっちきて」


    首を傾げながら、類が指定した場所…ソファを背もたれにして、類が座っている前のところに移動すると類は足を広げ、オレをすっぽりとその腕に収めた。




    「え、あ……ど、どうしたんだ?類…」



    すっぽりと収まっているため、今の俺は類に後ろから抱きしめられているも同然だ。

    ドキドキと高鳴る胸を抑えながらそう聞くと、類はオレの頭を撫でた。





    「どうしたんだ、はこっちのセリフなんだけどね」
    「へ?」
    「紙飛行機で遊んでる時。司くん、変な顔していただろう。
    その後から考え事してることが多くなってて、えむくんも寧々も心配してたよ」


    …そんなに、わかりやすかっただろうか。
    オレの返答を待つかのように何も言わなくなった類に、何と返そうかと思考を巡らす。

    その思考を邪魔するかのように、抱きしめる力が強くなる。
    オレはそんな腕に触れ、あることに気付いた。





    「…ん?司くん…?」

    困惑したような類の声を無視して、抱きしめていた腕の片方を掴み、自分の膝の上に持ってくる。

    そのまま両手で、類の腕をぺたぺたと触った。




    細身ながらもしっかりと筋肉のついた腕。血管は浮き出てはいないが、がっしりとしている。
    元々体毛が細い家系なのだろうか、ほとんど目立たない。基本的に室内での作業が多いからか、その色は真っ白だ。


    そのまま、類の手にも触る。
    類の手は、俺よりも指が長い。そして乾燥しているのか、少しがさがさしていた。またケアを忘れて、作業に没頭していたんだろうか。

    でも、この手で。数々のロボットや、演出のための道具を作っているんだと思うと。
    このがさがさも、愛しさが溢れてくる。


    ああ、







    「かっこいいなあ」

    ぽつりと、声に出てしまった感情に、類はびくりと震えた。


    「…ねえ。本当にどうしたんだい?」
    「ちょっと、な」


    そのまま、類の手のひらを指でなぞりながら、類にもたれ掛かった。





    「あの時、俺が届かなかった紙飛行機を、類が取っただろう」
    「う、うん」
    「あの時の紙飛行機は、高さもそこまで変わらなかった。俺が取れなくて類が取れたのは、身長差があったからだろう」
    「……うん」
    「その時の類から、目が離せなかったんだ」
    「え?」







    「身長は、オレの方が低い。体格は、俺とさほど変わらない。」
    「でも、こうして抱きしめられると、すっぽり収まる。類は腕も長いかもな」
    「運動量の関係で、腕や足はオレの方が太い気がする。これは筋肉だから仕方ないかもしれないが」
    「類は指も長いよな。これは機械系の人だからなんだろうか」

    「ちょ、ちょっと!司くん…!?」



    マシンガントークのように類との体格差について話し始めたオレに、類は困惑した表情を浮かべていた。
    オレは、そんな類の目を見つめながら、続けた。





    「オレは、女性と違って類と同性だ。身長差は勿論のこと、体格差なんてそうそう生まれない」
    「っ」
    「生まれないと、思ってたんだがな。こうして改めて、小さいながらも差を確認してしまって、な…」
    「…司くん?」

    後になるにつれて声が小さくなるオレに、類は首を傾げている。
    恥ずかしさを振り払って、オレは言葉を続けた。







    「……こんなに差があるのが、悔しかった。オレも、差があったら、類に惚れ直させることとかできたのかなと…」




    言いながら、顔が赤くなるのを感じる。

    言いながら思わず目をそらしてしまったが、類は何も反応しない。
    恥ずかしさも相まってこれ以上反応がないのは辛かったので、おずおずと類の方を見てしまう。

    そこには、赤くした顔を片手で隠すように抑える類の姿があった。



    「…る、類?あの…っうわ!?」
    「はーもうほんと……司くんは罪な男だねえ」
    「な、何のことだ!?というか痛い!」



    声をかけるとハッとしたようにオレのことを抱きしめる。
    先ほどよりも強い力にオレは思わず悲鳴を上げるが、類はそのまま抱きしめていた。





    「全く……司くん、わかってるのかい?」
    「?何がだ?」
    「身長差、体格差を感じて、悔しかったんだろう?」
    「あ、ああ」
    「自分もそれくらいあったらーって、思ったんだろう?」
    「………ああ」







    「…惚れ直させることができたんじゃないかってことは……







    司くん、僕に惚れ直したって言っているようなものだけど?」




    顔に、先ほどよりも熱いものが集まるのを感じる。

    顔を赤く染めながらも微笑みながら言う類に、思わず顔をそらしてしまう。
    でも、これだけは言わなくては。




    「…そうだと、言ったら?」

    類の、息の飲む音が聞こえる。

    思わず自分の顔が見られないように団子状態になったオレを、類は更に強く抱きしめた。
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    毎度の事ながら本編8割えろいことしてます。
    サンプル内含め🎈🌟共に汚喘ぎや🎈が🌟にお○ほで攻められるといった表現なども含まれますので、いつもより🌟優位🎈よわよわ要素が強めになっております。
    苦手な方はご注意を。

    本編中は淫語もたくさんなので相変わらず何でも許せる方向けです。

    正式なお知らせ・お取り置きについてはまた開催日近づきましたら行います。

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    余談
    今回体調不良もあり進捗が鈍かったのですが、無事にえちかわ🎈🌟を今回も仕上げました!!!
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    大天才小粒まめさんとの合同誌、すごく恐れ多いのですがよろしくお願い致します!
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