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    kanoxoxe

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    kanoxoxe

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    「誰も知らない」

    *付き合ってるかも知れないチェカレオ
    *年齢操作有
    *D/S要素を少し含みます

    #チェカレオ
    checaleo

    僕の叔父さんはすごくカッコイイ

     一族の中でも特に魔法力に優れ聡明な叔父は、NRCを卒業後この国に戻り政務にかかわるようになった。最初こそその強大な力を恐れられていたが、叔父はすぐにその有能さを見せ付けてそんな思い込みを抑えこんだ。表だって何もできずただ裏で謗っていた者は、そんな叔父の冷静な対応に、苦虫を噛み潰した顔をしていたが仕方ない。叔父の方が一手も二手も上だっただけだ。
     そもそも叔父がNRCに入学ししばらくこの国を離れていたこと、そもそも祖父から父に王位が移ったことで国内の状況自体が少し変わっていたのかもしれない。乾きの王子としてのイメージは、今の小さい子にはほとんどないのだろう。むしろ学生時代のマジフト選手として多く報道されていた印象が強いのか、子供達には伝説のヒーローのように思われてさえいる。僕も大会に出場した時は、毎回叔父の話になるくらい今でも有名なのだ。実力も才能にも恵まれた、レオナ・キングスカラー。そしてそれが彼の努力によって裏付けられているのを、僕は知っていた。
     彼の部屋にはマジフトに関する書物も山の様になっていたし、彼の手には箒やディスクを長く触った跡がたくさんあった。彼は才能なんて不明確なものを信じていないから。
     今も膨大な資料や情報量で、反発する大臣達を黙らせている。ただの感情論でもないそれに怒鳴り散らさないだけ、相手もまだ有能な部類だ。

    「ではこの件はこれで」
    「レオナ、ここの予算なのだが…」
    「は?」

     今、僕は学生の身で政務に関わることはないのだが、後学のためにとホリデーで帰省した際にこうして見学することが増えた。あらかじめ議題の説明は受けた後で、特に発言権もない状態で。
     毎回最後のほうは父と叔父の二人しか発言していないから、もう二人で話せばいいのにとも思わなくもないが、公式なことだからもう形上仕方がないのだろう。

    「陛下、そうしましたらこちらは…」

     二人の会話が一瞬途切れる。眉を寄せ眼光鋭くなった二人が、肩の力を抜いた。気を削がれた叔父さんはすとんと僕の隣の席に腰を下ろしてため息を吐いた。澄んだグリーンの瞳が一度こちらをちらりと見る。昔見た、マジフト大会の最中のような、獰猛な捕食者の瞳。瞳孔をぎゅっと細めた、誰もが黙ってしまう強者のそれ。多くの部下を引き連れ突き進む、群れのボスの顔。
     ああ、僕の叔父さんは昔と変わらずかっこいい。

    「チェカ、どうかしたかい?」
    「いえ、父上。何もありません」
    「そうか」

     少し昔の彼の試合の様子などを思い出してしまっていた。本当に少しだったのに、さすが父上。伊達にこの国の王を名乗っていない。少しの変化も見逃さないなんて。
     本来ライオンは群れの中に雄一匹。年頃になれば弱いやつは追い出される。だからこそこの二人はこれだけいつも全力でぶつかり合っているのだろう。
     あと数年したら、ここに僕も加わる。少し胸の奥がぎゅっと痛くなった。

    「では本日はここで閉会といたしましょう」

     執事の声で、部屋の空気が一気に緩まった。叔父さんも隣で大量の書類を纏め始めた。僕も手元の荷物を纏める。この後は父と教育係と共に、今日の件の勉強会だ。

    「!?」

     気を緩めていた体にぞくりとした感覚が走る。その感覚を辿ると背中のずっと先、長い尾の先を擽る柔らかな毛の感触。隣に座る叔父の尻尾が、ゆっくりとほんの少しだけれど僕の尻尾の先に絡んで撫でた。
     慌てて叔父の方を見ると、こちらを一度も見ることもなく立ち上がり颯爽と立ち去るところだった。勘違いだったのかとも思いたかったが、今でもぞくりとした痺れが背筋に残っている。
     そのまま扉に吸い込まれる叔父さんの背中を見送った。



    「あー遅くなっちゃった」

     早歩きで部屋へと戻るが、すっかり日も傾いている。あの後父と教育係二人に、ずっと捕まっていたのだ。内容が今後僕にも関わると言われては仕方ないのだけれど。窓の外は太陽が夜を引き連れていた。
     廊下には誰もいない。静かに開けたドアの軋む音が、思ったより大きく響いた。

    「ごめんね、遅くなっちゃった。これでも急いだんだけど」

     素早く体を扉の内側に滑り込ませると、後ろ手に急いでその重い扉を閉める。手に持ったノートを雑に棚の上に放り投げて、ぱたぱたと部屋の中へと駆け出した。

    「だいぶ待っちゃった?」

     駆け寄った先にはレオナさんが顔をベッドに埋め、その側にぺたりと座り込んでいた。ゆっくりと持ち上げられた顔は汗ばみ、苦しげに眉を寄せている。額にはまあるい汗がいくつも浮かび上がっていて、苦しげに浅い息を吐いていた。

    「そこだと足痛いよね。今準備するね」

     クローゼットからふわふわの丸いファーラグを、一人掛けのソファの足元に引いた。ファーを避けてソファに座ると、にっこりと笑いかける。

    「いつも通りでいいのかな?そっか、じゃあレオナさん。……こっちきて?」

     膝を軽くぽんぽんと叩くと、レオナさんはよろよろしながら立ち上がろうとする。しかしふらりとバランスを崩し、何度も床に手や膝を付けながら一歩、また一歩と近づいてくる。生まれたての動物みたいに力の入らない足で。
     ずるずるとようやくラグの上まで辿り着くと、さっきここと示した膝に崩れるように手を付いた。たった数歩ですっかり疲れてしまったのか、荒く肩で息をしながらこっちをじっと見つめている。少し涙で濡れた瞳を見上げて微笑んだ。

    「ありがとう。待たせちゃってごめんね」

     震える指先に手を重ねてそのまま何度か撫でると、苦しげに寄せていた眉がゆるりと下がる。荒い息にかすかに甘い吐息が混じった気がする。

    「そのままだと辛くない?ふわふわなの用意したんだ。……ね、座って?」

     レオナさんはふぅっと一度長く息を吐いて、そのままぺたんと腰を下ろした。真っ白なファーが波打って出来た影が不思議な模様を作る。座る瞬間ふわりと舞い上がる髪から、甘い香りが漂って思わずごくりと喉を鳴らす。
     上擦りそうな声を抑えて、ありがとうと伝えると、レオナさんは目を細めさらに眉尻を下げた。
     ついさっきまで、ほんの数時間前まであれほど覇気を見せ、凛とした空気を纏っていたのに…。伏せられた長い睫毛の影で、ゆるりと動くグリーンが潤んでいて。
     何でもないと言いたげに外された瞳とは逆に、小さな耳はずっとこっちを向いていて。僕の声を追って、かすかにぴるっと揺れる彼の耳。そっと撫でると僕の手の動きに合わせて、そのままぺたんと綺麗な頭の形に沿って寝てしまう。
     手に触れる毛の感触が柔らかくて、気持ちよくて。しばらく撫でていると、レオナさんの喉がぐるぐると鳴り始めた。

    「気持ちいいね。僕も嬉しいよ。……レオナさん、こっち見て」

     ぐると鳴っていた喉が静かになり、膝に置かれたままになっていた手の平に少し力が入ったのが伝わってくる。触れられた手の平が熱くて。そこからじわじわと熱が蔦のように這い上がってきて。
     涙で濡れた長い睫毛がふるりと揺れながらゆっくりと持ち上がる。薄く膜が張った澄んだ翠眼が、不安と期待に揺れながら見上げてくる。限界まで細められた瞳孔。小さな宝石みたいなその瞳が、僕だけを移している。
     それだけでこの世界には僕たちしかいないように錯覚してしまって。

    「ありがとう、レオナさん。大好き」

     もう一度耳を撫でてそう伝えると、貴方は頬も目元も全部緩めて、安心しきった顔でかすかに笑うんだ。きっと誰も気付かないくらいに、ほんの少しだけ。他の誰にも見せない顔で、僕だけにその顔を見るのを許してくれて。それだけで僕の胸はこんなにも熱くなって、満たされて。
     ずっと、ずっとこのまま二人でいられたらなんて夢みても仕方ないよね。だって、今が夢のように幸せなんだから。


     ああ、僕のレオナさんはこんなにも可愛い
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    kanoxoxe

    DONE「日常の特権」

    *付き合ってるチェカレオ
    *年齢操作有
    大きな窓から眩いまだ色のない日差しが部屋に差し込んでくる。柔らかな夢が徐々に白く薄れていき、ああもう朝か、とチェカはゆっくりと目を開けた。夜にはひっそりとしていた天蓋が日差しを浴びて光り、その輪郭をぼやけながら目の前に現れる。
     あふ、と小さくあくびをかみ殺し窓を開けると、爽やかな風と軽やかな鳥の声が舞い込んだ。その一吹きで部屋に篭った夜の匂いがふっと薄れていった。胸いっぱいに吸い込むと、甘い木々の香りが広がる。
     緩く身に纏う夜着から着替え、鏡に映る自身の髪や顔を軽く整えた。ひんやりとした水の感触が、先ほどまでのぼんやり寝ぼけた顔を変えてくれる。

    「……さて」

     チェカは物音のしない静かな廊下へと歩きだした。まだ眠りから覚めていないひんやりとした廊下に、軽やかな足音だけが響き渡る。

    ――トントン

     重厚な扉をノックするがその音だけが木霊する。仕方なくそっと中を覗くと部屋の主はベッドの上で丸まっていた。足を丸めているのか、薄掛けの布団は小さな山を作っている。布団の端から覗く小さな耳がぴくりと動くが起きたわけではないのか、身動ぎ一つなかった。
     音をたてないようそっと布団をずらす 5887

    kanoxoxe

    DONE「milky way」

    早く大人になりたい甥っ子と、可愛い毛玉の成長が嬉しいような寂しいようなな叔父の話

    *付き合ってないチェカレオ
    *年齢操作有
    賢者の島。ここは辺鄙な場所にあり、電車やバス、そして船を乗り継がないと来れない場所で。この島に住む者以外はわざわざ近寄る者はそう多くない小さな島だ。
     その両端に位置する場所にあるのが名門NRCとRSAの二校。どちらも名門魔法士養成学校として世界的に有名な学校で、各国から優秀な学生が集まっている。王族や富豪などのご子息も多く在学するからこそのこの環境なのかもしれない。
     今年RSAには一人の王族が入学を決めた。夕焼けの草原、王位継承権第一位のチェカ・キングスカラー。獣人である彼は体躯に恵まれ、長身に引き締まったしなやかな筋肉を持ち、1年にしてすでに頭一つ抜きん出ていた。そしてその強靭な見た目に反して、穏やかな性格のベビーフェイス。それでいて奢り高ぶった様子もなく、入学早々校外からも注目を集めていた。

    「すみません!外出許可証の提出は、こちらで大丈夫ですか?」

     鮮やかな夕焼け色の豊かな髪を低めに一つに纏め、爽やかな笑顔でそう問いかける。成績も優秀、温厚で教師陣からの評判も良く、入部したマジフト部でも有望視されている。まさに絵に描いた王子様そのもの。

    「あら、キングスカラー君、お出 6758

    kanoxoxe

    MAIKING制服甥叔父(25×40)
    サーモンさんの制服コスプレセッ(25×40)に滾りすぎた妄想覚書
    まだ途中…というか全然セッしないからただのコスプレ甥叔父…
    しかもプロットというか下書きの段階なんですが、とりあえずメモとして残しときます
    落ち浮いたらちゃんとします…
    「……何してんだ?」
    「あ!レオナさん、いいところに!」

     語尾にハートマークでもついているみたいな弾んだ声が返ってきた時点で、レオナは声を掛けたのを少し後悔し始めていた。満面の笑みで振り返った甥っこ。そしてその背後には懐かしい物が目に入ったからだ。故郷を思い出すあの夕日のような穏やかなオレンジ色。そして何度も試合前に何度もこの目に焼き付けていた、あのくすみのない白。
     予想外のことに口を開けぼんやりとしていると、にこにことご機嫌なチェカがレオナの力の抜けた手を掴み部屋の奥へと足を進める。

    「ねぇこれ!懐かしくない?」

     呆然としたレオナの背後から両肩に手を置き、吊るされた二着の衣服の前に立たせた。
     NRCの鮮やかなオレンジの制服と、RSAの爽やかな白の制服。それはレオナとチェカが何年か前に着ていた物だ。あちこちにできた小さな皺や傷が懐かしい。

    「これ…なんで…」
    「荷物の整理してたら出てきたんだ。着てたのついこの前な気がするけど、こうして見るとやっぱり懐かしいよね」

     チェカはレオナの肩越しに手を伸ばすと、白いワイシャツの袖口を摘み上げた。たわんだちょうど袖の真ん中辺りに 4092