翻弄する熱うだるような暑さの夏の日のことだ。
スッパはハイラル人の行商人に変装しカラカラバザールで店を出していた。
団内にゲルド地方の果物を卸す行商人を新たに選定することになり、スッパは目を付けた人物の身辺調査を命じられていた。
じりじりと照り付ける日差しの元、スッパの周りではここ数日顔ぶれの変わらないメンツが水辺を囲むようにして店を出し、敷き布の上にじっと座っていた。
ホシは二つ隣の中年の男。今のところ怪しい人物との接触どころか、この暑さのせいで誰一人として客が来ず、ピクリともせずにじっとしていた。
隣では宝石を並べたゲルドの老女が眠っているかのように座っている。 時々意識をやって前に倒れ込む体をがくりと直すので、かろうじて生きていることがわかった。
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