深イチ未満。深⇒イチ強め。顔面力が規格外の後輩ことサワキタクンのせいで気付かずにいたけど(※失礼)、寮のどちらかの部屋で向かい合わせで一緒に勉強してる時に俯き気味のフカツサンの顔を眺めながら(よく見ると男前だよな……よく見ると、は失礼か)とイチノサンに思ってほしい。ついでに口に出してほしい。
「……オレの顔に何かついてるピョン?」
「いや、何もついてないよ。男前だな、と思って」
ぴた、と鉛筆をノートに走らせる手が止まるフカツサン。
そのうち芯の先でノートをつっつき始める。
「急になんだピョン」
「沢北の顔がきれいすぎて気付かなかったけど、深津も男前だと思うよ」
「後輩と比べるなピョン」
「ごめん。比べてるわけじゃなくて」
「……イチノは、人を褒めるのが上手いピョン」
「そう?」
「オレも見習うピョン」
「なに急に」
「お前の目、かっこよくて好きだピョン」
「……何の変哲もない一重の目だけど」
「切れ長でかっこいいピョン」
「……どうも」
「口も好きだピョン」
「くち?」
「上唇の山の形がきれいピョン」
「……」
「眉毛と鼻も好きだピョン」
「それって全部だろ」
「ピョン」
「面白くない冗談だね」
「ウケ狙いじゃなくて真剣に褒めてるピョン」
「……」
「顔もだけど、オレはイチノの性格が好きだピョン」
「……、……ありがとう?」
「どういたしましてピョン」
「なんでこんな会話になったんだっけ」
「イチノがオレを褒めたんだピョン」
「ああ、そうだった」
「全然集中できてないピョン」
「そうでもないよ。ほら、解けた」
「……そういうところも気に入ってるピョン」
「深津に気に入られるのは光栄だね。で、解けた?」
「ピョン」
「じゃ、答え合わせしよう」
つって何事もなかったように勉強再開するふたり見たい。イチノサンは本当に何の他意もなく褒めただけ。フカツサンは(中々動じないピョン……)と少し悔しがりつつそれ以上に楽しんでる※顔には出ない