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    T_ShioSag_N

    @T_ShioSag_N
    気ままに、二次作品書く時ある。(ポケモン)
    別でpixivにもある。そっちはほぼサトセレ。
    本格的に小説書くための別アカあり。

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    T_ShioSag_N

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    仲良しの友とのやり取りで生まれたよ!朝の通勤時間で書いた30分クオリティ!笑
    このあと、時間ある時にラクファイ(ホワイトデー)を書く(*`・ω・´)

    『不器用でも』(ブラホワ)

    世の中、妙に色めき立つ時ということがあるーーー。バレンタインデー、男女ともに気分が上がるイベントの日。
    それはこの2人、ブラックとホワイトにもーーー起きてなかった。起きていない。
    なぜなら、こんな日に限って、ホワイトの会社、BWエージェンシーの仕事が詰め詰めで入ってきた。世の中、バレンタインとは言え、忙しくなるところもある。BWエージェンシーに所属するポケモンたちがバレンタインのためのパフォーマンスを行うということでホワイトもブラックも忙しなく動いている。
    「その子はこの衣装で!あ、このチラーミィにはこの飾りをつけてあげて!」
    ホワイトがキビキビとスタッフに指示を出す。それを見て、依頼した人たちはホワイトの仕事の真剣さに嬉しさを感じていた。
    が。
    「どわっ!」
    何か物が落ちる音。惨事にはなってないが、ポケモンたちが使う小道具が散らばっていた。
    「ひえ〜、またやっちゃったよ〜」
    「ブラックくん!」
    ホワイトが駆けつける。やや涙目のブラックがホワイトを見上げた。
    「ごめん、社長〜。また、オレ」
    「大丈夫!なにも壊してないから!ね!」
    ホワイトはブラックの肩に手を置いて、微笑んだ。そんな母性溢れる笑顔に周りは、あぁあの噂は本当なんだな、と思う。この2人の仲はある程度知られている。
    ホワイトに励まされ、ブラックは頷いた。
    2人の世界になるかと思ったが、そのまま仕事へと切り替えたので、おや、と思った。なかなか少年少女の年代にしては落ち着いてると。
    しっかり者のホワイト、やや不器用だが全力でフォローするブラック。この2人に対して、文句を言う者は誰もいなかった。

    陽が沈みそうなところで、ようやくブラックは一息をつけることになった。
    相も変わらずの忙しさにブラックは目を回した。
    「は〜〜〜、ほんと社長はすげーや」
    ブラックは床にごろっと倒れ込んだ。倒れ込んだ時に見えた、バレンタインの看板。その近くにはまだホワイトが依頼者と話しながら、何かやり取りしている。彼女だって疲れていることは間違いないが、自分が好きなことに全力でやっていて、楽しそうだ。
    それを見てブラックは、ふと、今日の日を考えた。
    (オレもちゃんと社長に感謝しなきゃな)
    ブラックはそう思うと、立ち上がった。手持ちからウォーを出した。
    「ウォー、ちょっと買いたいものがあるから、お店のある方へひとっ飛び、よろしくな」
    ブラックの頼みに、ウォーは翼を広げて了承し、ブラックの肩を、がし、と足で掴み羽を羽ばたかせ飛んだ。

    それから、小一時間はホワイトは依頼者と今後も利用してくれるか、値段等の交渉をしていた。いろいろ出し渋りされたものの、良い交渉になった。今回は赤字なし、むしろ、少し黒字。ルンルン気分で自分たちの控え室に行く。
    「ブラックくーん!今日は、あれっ?ブラックくん?」
    ドアを開けたが、ブラックの姿はない。外の方にも出て、辺りを見回すが、彼はいない。
    (どこ行ったの、ブラックくん)
    ホワイトはきょろきょろと探す。すると、空に見たことのあるシルエットが。
    ブラックがウォーに掴まれて飛んでいた。
    「あ!社長ー!」
    ブラックはホワイトに向かって手を振った。
    「ウォー、ありがとう!」
    ブラックはまだそれなりに高さがあるもののウォーをボールに戻し、すた、と綺麗に着地した。恋人のそんな華麗な着地を見て、ホワイトはドキ、とした。
    (ほんとブラックくん、無自覚でやるよね!)
    たまにこうやって無自覚で彼がかっこよく決めるので、ホワイトはドキドキさせられていた。
    ブラックはホワイトに近づくと、何か彼女の前に出した。お菓子の詰め合わせの袋。
    「え?なにこれ?」
    「なにって、今日はバレンタインだろ。オレ、社長に感謝伝えようと思ってさ」
    ブラックは、へへ、と笑ってホワイトを見る。
    ブラックの好意が嬉しく、ホワイトは素直に受け取った。中身が見える。1口サイズのバームクーヘンとマロングラッセ。バレンタインにあげるお菓子の意味を知るホワイトは、顔を真っ赤にしてブラックを見た。
    「あの、ブラックくん、このお菓子にした理由は?」
    「え?一目見たやつで決めてさ。え?なんかまずかった?」
    予想通りの反応。無自覚にも・・・・・・程がある。バームクーヘンは『今の幸せがいつまでも続きますように』、マロングラッセは『永遠の愛を誓う証』の意味を持つ。ほぼこれはブラックからの無自覚のプロポーズ。
    (もう!もう!アタシの心臓が持たないー!)
    心の中で怒りなのか喜びなのかわからない気持ちが爆発するホワイトだった。

    Fin.
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