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    T_ShioSag_N

    @T_ShioSag_N
    気ままに、二次作品書く時ある。(ポケモン)
    別でpixivにもある。そっちはほぼサトセレ。
    本格的に小説書くための別アカあり。

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    T_ShioSag_N

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    ブラホワ、未来妄想(という名の捏造ね笑)
    直接表現は避けたけど、ピーをしてるよ。お気をつけを。
    というか、久々にタイトルがこれじゃない感 苦笑

    『LIFE』(ブラホワ)


    ポケットモンスター、縮めてポケモン。陸に、空に、海に、そして、街中にも。至る所で彼らの姿を見ることができる。
    ポケモンは人と共に暮らし、生きていく。時には、バトルやコンテストなど他の人たちと競い合うことでもーーー。
    今回は、ポケモンではなくーーーーある2人の晴れ舞台。
    純白のドレスを着て、レースが顔にかかっているスタイリッシュな女性は、目の前のいつ開かれる扉を、じっ、と見つめている。ふぅ、と息を短く小さく吐く。
    (あぁ・・・・・・アタシ、本当に結婚するんだ)
    この思い、何度噛み締めたことか。数ヶ月前のことが思い出される。あれからとても早く月日は流れて、この日になったような気がする。
    今や、俳優女優ポケモンをお願いするなら、BWエージェンシー。そう言われるほどに地位を確立して、それをまとめているホワイト。社員も増えた。そして、気づけば必然と一緒にいた彼は自分の傍を支えてくれる、良き理解者として秘書という座になっている。いや。秘書とは言えど彼、ブラックはこの結婚式で正式にホワイトと夫婦になる。
    ブラックはまだ着替えている。式のギリギリまで、バトルに専念していた。もちろん、イッシュ地方のチャンピオンとして。彼はしっかりと自分の夢を叶えた。彼と旅をしていた頃から6年。共に20歳になった2人。
    「ごめーん!!」
    後ろから大声が聞こえてきた。ダッシュでホワイトの横に来ると、手に膝を置いて息をぜぇぜぇと吐いている。
    「ごめん!!時間大丈夫か!?」
    「大丈夫、大丈夫。あと少しだから」
    ベール越しにホワイトは微笑む。それを見て、ブラックはほっとした。
    後ろからスタイリストが遅れてやってくると、走って乱れたブラックの体裁を整え始めた。走らないでくださいよ、と小言を言われていたが。
    ブラックは慣れないタキシードにやや窮屈そうな顔をしていたが、今日この日を思うと、背筋が伸びた。横を見れば、まだ自分を微笑んで見ているホワイトがいる。ベール越しでも綺麗な化粧が施されているのがわかり、体裁を整え終わるまで見とれていた。
    ふと頭の中に、ホワイトと同じように数ヶ月前のことを思い出す。自分がホワイトにプロポーズしたあの日を。

    この日も仕事を終えた後、ホワイトは椅子に座って書類に向き合い、電卓を叩いていた。1度出た数値を再度確認。そして、うん、とひとつ頷いた。
    「ブラックくん!あの時のカメラ代の赤字、なくなったよ!」
    「ほんとか!!」
    ホワイトが告げると、ブラックは喜んで、ホワイトの手をギュッと握った。
    「よかった!!これでオレの分のことは気にしなくて大丈夫になったんだな!」
    「そうだよ。それよりブラックくん、手が痛い」
    「あ、ごめん」
    ホワイトに苦笑いしながら言われ、ブラックは手を離した。
    手が離れた後、彼の顔が唐突に真剣な顔になる。
    「なぁ、ホワイト。今いいか」
    「へっ!?え、いいよ。何?」
    急に名前呼びになり、ホワイトは思わず姿勢を正した。お互いに向き合う格好になる。
    ブラックはひとつごくりと唾を飲み、口を開いた。
    「ホワイト、オレたち、付き合ってもう4年くらいだよな」
    「え?うん、そうだね」
    「オレたち、20歳だな?」
    「うん」
    「オレはホワイトのこと好きだし、ホワイトもオレのこと好きだよな?」
    「う、うん!そうだよ?どうしたの、ブラックくん」
    次々に聞かれて、ホワイトは少し面食らった。
    ブラックは、ふー、と長く息を吐いた。右のポケットから何やら小さい箱が取り出した。
    その箱がホワイトの目の前に出された。
    「ホワイト、オレと結婚しよう」
    ブラックはそう告げると、箱を開けた。中に入っているのは婚約指輪。
    ホワイトは驚きに驚いて、指輪とブラックを交互に見る。急なプロポーズに嬉しいのはあったが、恋愛に関しては鈍感な部分のある彼がまさかプロポーズするとは思ってもみなかったのだ。
    「・・・・・・だめ、なのか?」
    ブラックに聞かれて、はっ、としてホワイトは力強く頷いた。
    「だめな訳ないじゃない!こちらこそ末永くよろしくね、ブラックくん」
    ホワイトは満面の笑みで答える。それを見て、ブラックは、ほー、と安堵の息を吐いた。
    「断られたらどうしようかって思ってたぜ・・・・・・」
    「断るわけないよ!ブラックくんだもん。でも、どうしたの。あなた、自分から言うようなタイプじゃないのに」
    ホワイトがそう言うと、ブラックは少し心外だなぁという顔を向けた。
    「オレだってさ、ホワイトとのこと何も考えてない訳じゃない。赤字がなくなったら、言おうとは考えてたんだ」
    ブラックは箱の中の指輪を取り出して、それをホワイトの左手薬指に付けながら言う。
    自分の左手に光る指輪。思わず、上の明かりにかざした。ブラックにしてはなかなか良いデザインを選んでいる。ちょっと気になって探ることにした。
    「ねー、ブラックくん、これ誰に教えてもらったの?」
    「あー・・・・・・ベルに教えてもらった・・・・・・」
    ブラックは素直に答えた。本当は自分で選んだと言いたかったが、自分のセンスじゃ呆れられるかもしれないと思い、幼なじみのベルにいろいろと助言をもらったのだ。これまでのバトルで少しずつ貯金し、ようやく買えたものだった。
    素直に答えたブラックに微笑んで、ホワイトは立ち上がると、後ろからブラックを抱きしめた。
    「ありがとう、ブラックくん。ずっと・・・・・・ずっと一緒だよ」
    「おう」
    ブラックは短く答え、笑う。自分の肩に回る腕を優しく撫でた。
    振り返るとホワイトの顔がそこにある。視線が合って、どちらからでもなく短く口を合わせた。しばらく、ホワイトがブラックに抱きつく形が続いた。
    「さ、終わったら、食事にしましょ」
    ホワイトはそう言って名残惜しそうな形でブラックから離れた。
    食事が終わり、明日の予定を確認。そしてーーー。
    「いいか?」
    ブラックはホワイトに尋ねる。自分がホワイトを覆いかぶさっている格好で、その下にいるホワイトはほぼ生まれたままの姿にひとしかった。
    「うん・・・・・・ブラックくん、来て」
    ホワイトは羞恥で少し顔を赤らめながらもブラックに両手を伸ばして、首に抱きつく。
    お互いの体温が肌に感じた。ブラックはホワイトの頭をしっかりと抱き込んだ。
    「・・・・・・ホワイト!」
    ブラックは一言彼女の名を呼んだ。
    激しくも優しく、その日の夜はお互いを求め合ったーーーー。

    それからしばらくして、ホワイトの妊娠がわかった。お互いに少し予想外ではあったものの、早めに結婚式を執り行うことになった。
    そして、今現在に至る。
    扉が開かれ、2人はゆっくりと歩く。
    互いの未来を誓い、口付けを交わし、そして、来賓者に向けて改めてお祝いの場に来てくれたことの謝意とホワイトの妊娠報告を述べた。
    その後、2人を祝うパーティとなったが、ブラックはベルにやたらと聞かれていた。
    「ブラック!ブラック!ねぇねぇ!プロポーズした時、どんな気持ちだったの!?ねぇねぇ!」
    「あーもう!!聞くな!聞くな!恥ずかしいから!」
    ブラックは前のめりになっているベルを追いやるように押して、距離を取る。それを手伝うように、チェレンもベルをブラックから離した。
    この2人も付き合ってはいるものの、ベルの父親が難敵で付き合うのもだいぶ苦労したのだ。いろいろと先に越されたことがベルにとって、羨ましい限りなのだろう。
    「は〜・・・・・・ベルのやつ、今回はオレたちが主役だっての」
    ブラックは呆れながら小さく呟く。それを聞いて、ホワイトはくすと笑う。呆れた顔も愛おしい。
    ホワイトの視線を感じたのか、ブラックがホワイトの方を向いた。
    「どうした?」
    「ううん。なんでもないよ」
    ホワイトはにこやかに答える。ブラックは首を傾げたが、視線はホワイトのお腹の方へ行く。少し膨らみかけているお腹には新しい命がある。
    「オレ、ホワイトのことも子供のこともしっかり守るから」
    ブラックはホワイトに視線を合わせて言った。真剣な目にホワイトの顔は朱に染る。真っ直ぐな彼の気持ちはいつまでもホワイトの心を打つだろう。恥ずかしさを消すように、ホワイトはブラックの肩に顔を少し埋めた。ブラックはブラックで急にくっつかれて、ドキマギしたものの、ホワイトの頭を撫でた。
    傍から見ても、幸せそのもの。これからの2人、いや3人の生活は明るく(ホワイト)に、濃い(ブラック)ものになるだろう。

    Fin.
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