エクワイ、入れ替わりネタトロバは困惑していた・・・・・・。なぜか。
それは目の前の2人が繰り広げていること。いつもの光景、そのはずだ。なのに・・・・・・なのに、外にいるのはエックスだ。
「ちょっと!アタシで引きこもらないでくれる!?聞こえてるの!?」
怒鳴るエックスだが、傍から聞いてもこれはワイの口調だ。
「・・・・・・うるさいな。オレがワイちゃんの体だろうと、他のみんなの体だろうと、別にオレがすることは変わらない」
ワイの声で淡々と話す口調。これはエックスの口調。
トロバは困惑しながらも、結論に達する。エックスとワイが入れ替わっている。
(ど、どうして!?なんでいきなりこんなことが)
トロバは訳もわからず、頭の中で思案する。だが、これまでに特段変わりのない日常だった。入れ替わる要素がない。
トロバは必死に考えて、考えて・・・・・・。わからないまま、そのまま、ふっ、と意識が飛んだ。
「・・・・・・っ」
「・・・・・・ロバ!」
「トロバ!!」
横から大声が聞こえ、トロバはびくっと飛び起きた。大声出して、近くにいたのはエックスだった。
「トロバ、おまえにしては深い眠りだったな」
エックスのいつもの淡々とした口調。トロバはさっきまでの見ていた光景が夢だったのかと疑い、思わず何も言わず、エックスを見る。
「・・・・・・なんだよ?そんなにじっと見て」
「あっ、いや、エックス・・・・・・なんだよね?」
「オレだけど?なに」
「あ、いや、何も・・・・・・」
トロバは思わず口から出かけた言葉を飲み込む。エックスの後ろには、ワイ、ティエルノ、サナがいる。ここで自分が見たことを話しても、たぶん笑われるだけだ。
(たぶん・・・・・・夢だ。夢だったんだ。気にしないでおこう。変な夢だった)
トロバは自己完結する。
トロバの納得顔に、エックスはふうと息を吐く。
(夢だと思ってくれたみたいだな)
入れ替わりの事実。それはトロバとエックス、そして、ワイの中に潜められた。