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    chiocioya18

    @chiocioya18

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    chiocioya18

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    年末の雨想。大掃除とたぬき蕎麦。
    あのひとコマをずっと擦ってます。公式が強すぎる。

    #雨想
    fleetingThing

    年末に 待ち受けたるは 大掃除。
    昨日放送されたお昼のバラエティ番組では、雨彦さんがゲスト出演して掃除のコツを披露していた。掃除屋の肩書きも巷に知られつつある。
    うちの事務所はといえば、常から雨彦さんをはじめとした掃除や整頓好きなメンバーがこまめに片付けているおかげもあって、スムーズに掃除が済んでしまった。男ばかりの大所帯だと家具なんかの重いものを動かすにも人手が足りて便利だなと、あの中では比較的非力な僕は思ったものだ。
    クリスさんのお宅はこれから家族で大掃除にかかるという。「参加しないと集めた書籍や論文や海グッズが妹たちに容赦なく捨てられてしまうのです!」って、あまりに大袈裟に嘆くから笑ってしまった。クリスさんからしたら笑い事じゃないよねー。

    「北村のところはどうなんだい」
    「そうだねー、あとは水回りがちょっと残ってるかなー」

    兄さんはなんとか年内で仕事を納めるために奮闘中で大掃除どころじゃないだろう。時間を見つけてなるべくやってても、一人じゃなかなかねー。そう零せば「そりゃ難所が残ってるな」と高い位置にある肩がすくめられる。

    「今年の汚れは今年のうちに、ってな。早く取り掛からないと手こずるぜ」
    「それ、今言いますー?」

    年の瀬の貴重な休日、恋人とのデート中。
    デートといっても二人で街中をぶらつくだけで大したことはしてないけれど、帰宅を促されているみたいな口振りは少し面白くない。不満を潜めた僕の声音に雨彦さんはくつくつと喉奥で笑った。

    「今だから言ってる。なんせ今なら…、予定の空いてる掃除屋がひとりいるんでね」

    そう言って僕にウインクをよこして「恋人割引も使えるぜ」なんて追加してくる。こちらが誘うのを待つなんて本当にしかたない大人だなーって、僕の機嫌はあっという間に回復してしまう。

    「それならお願いしようかなー。お代は夕飯で足りますかー? 年末だし、蕎麦とかどうー?」
    「いいねぇ。たぬき蕎麦で頼むぜ」
    「ふふ。じゃあ出前取ろっかー」

    行き先変更。年末で活気づく街を外れてマンションへ向かう。これから掃除が待っているというのに気分はうきうきしてしまっている。年末の思い出に雨彦さんが加わるなんて、不思議な感じ。
    ご褒美のお揚げを期待している横顔を見上げる。僕はもう半歩だけ雨彦さんに近づいて、そのまま寄り添って歩いた。
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