洒落怖レイトン1なんだかんだ遅くまで大学にいてルークを送って帰ることになる
研究棟は暖房止まって寒くなるから、警備員室に居させてもらいなさい
ちょっとして自分も研究室から出る
白い息、廊下はこんなに寒かっただろうか
廊下の向こうから小さな人影
せんせい
幼い声
せんせい
迎えにきたのかと思い、今行くよと返す
伽藍堂のようによく響く声に違和感
まだ灯がついてる中央階段を素通りし、警備員室に近い北階段に向かう
非常口誘導灯だけを頼りに1階に降りる
6階から5階に着いたとき、またせんせいと声がした
あれ?と思ったが、誤って5階で自分を探しているのだろうと思い5階の廊下に顔を出す
シンとした真っ暗な廊下、足音の一つも聞こえない
違和感が吹き出す
あの子はこんなに暗い廊下を灯りも持たず歩くだろうか
あの子は私の研究室がある階を間違えるだろうか
あの子は待つようにと言った私の指示を特別な理由無く反故にするだろうか
あの子は、
こんな声だっただろうか
「せんせい」
耳元で聞こえた声に勢い良く振り返る
はっきりと聞こえた、耳元で、声が
服の上からでもはっきり分かるほど心臓が脈打っている
少し震える脚で階段を一気に駆け下りた
乱れた息を整えてから警備員室のドアを開けると、ルークと壮年の警備員が小さなクッキーを食べながら談笑していた
ルークが白髪頭越しにおそいですよ!と頬を膨らます
先生なんか顔色悪くないですか?と怪訝な表情で尋ねられる
そんなことないよと答えて、車に行くよう伝える
いつも通り外部利用者名簿を提出して外に出ていくルーク
手を振って見送る警備員に声をかける
研究棟なのですが、5階にまだ生徒が残っているようです
一瞬不自然に固まった警備員がスッとこちらを向き、
「先生見たの?」
と尋ねられる
…いえ、姿は見ていないのですが声が聞こえたので。見回りの時に生徒がいたら早めに帰るように言っておいてください
と返す
では、と逃げるように警備員から出た