春コミ原稿(凪玲)②「俺はてっきり、おまえたちはとっくにセックスしてるのかと思っていたぜ」
そう言ってカフェのボックス席で闊達に笑うのは、千切豹馬である。その隣には「昼間なので、もうちょっとオブラートに包んでくれませんかね」とこめかみを抑える國神錬介の姿がある。彼らはいづれも青い監獄プロジェクト登録選手だ。荒唐無稽なサッカープロジェクトで切磋琢磨するうちに親しくなり、オフの日に待ち合わせて、遊びに行くほどになった。案内されたのは四人掛けのテーブル席で、そのうちひとつはまだ空いている。凪のパートナーである玲王の到着が遅れているのだ。なんでも事故渋滞に巻き込まれているという話だった。玲王が予約した席は扉こそないものの区切られた半個室だったので、千切はかなりリラックスした様子である。あけすけともいう。
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