さまときとようふく 本日もブクロは晴天。空には雲ひとつ無く、絶好の洗濯日和だ。一郎はベランダで洗濯機から取り出したばかりの洗濯物を干していた。カゴにまとめた洗濯物を取り出してシワを伸ばし、手際よくベランダに吊していく。数分もたたないうちに洗濯カゴの中身は空になった。
弟たちと暮らしていた頃は毎日、山のように洗濯物が出た。特に上の弟である二郎はサッカー部に所属しており、毎日の猛練習で練習着やタオルの替えはいくらあっても足りなかった。一日のうちに洗濯機を二度、三度と回すことも珍しくなかったが、それも弟たちが寮に入ってからというもの、めっきりと減ってしまった。一郎も萬屋の依頼で服を汚すことは少なくないが、それでもひとり分の洗濯物の量などたかが知れている。弟たちと暮らしていた頃は毎日のように働いていた洗濯機も、今では三日に一回くらいのペースに落ち着いていた。
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