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    moldale912

    @moldale912

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    moldale912

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    香水ガチャなるものをしたら、ghost in the shellと言うとても良い香りが出てきたのでそれネタでワンライ。雰囲気で読んでください。
    甘めで、少しスッキリするような香りでした。

    香水ネタ(ghost in the shell)その店は煙草と香水の香りが充満していた。
    照明は落とされて、眩いピンライトが部屋中を駆け巡る。
    時折照らされて見えるのは、半ば乳房が溢れ出ているのではと思われるほど際どい衣装の女性たちだ。皆長い耳を頭から生やして、うさぎをモチーフにしているのだとすぐにわかるだろう。
    彼女たちが腰を一振りするたびに、尻のやわらかな肉と尻尾が蠱惑的に揺れた。
    鼻の下を伸ばした小太りの男がその谷間にチップを捩り込む。そのお礼にといっそう谷間を見せつけて、バニーガールは笑顔でまたステージを歩いて行く。
    うさぎたちに魅了された男たちの中で、落ち着いたと言うより呆れたような表情を浮かべている者が一人。勲章の付いた軍服を気崩すこともなくナワーブ・サベダーが興味なさげに息をつくと、同行者らしい青年が慌てて小声で話しかけだした。
    「すみません、大佐。もうすぐショーも終わりですので」
    「いや構わんよ。会合の場所としてはいささか眩しいが、相手方の希望だ」
    怒ってはいないと身振りで示すと、部下の青年がホッとしたように表情を緩めた。
    「若い男が来るなら、と気を利かせたらしいですが…まさかショーパブとは」
    「堅苦しいレストランも苦手だがな」
    「自分はまだ美味いものが食べれる方が良いです」
    仕事中とは言え、小声なのを良いことに好き勝手言う部下がナワーブは嫌いでは無い。自分より幾らか若い正直者の青年を肘で突くと、微笑んで今度はうまくやれ、と返した。
    ナワーブとその部下をこの場に誘った小太りの男は、ショーが終わるまで現実的な話をしようとはしないらしい。
    下卑た笑いを隠さずはしゃぐ男を横目に、ナワーブは立ち上がった。
    「大佐、どちらへ?」
    「飲みすぎたので、少し外の空気を吸ってくる……心配するな。ちゃんと戻る」
    逃げる気か、と部下が恨めしそうに見つめてきたので、ナワーブは念押ししてホールの入り口へ向かった。
    ホールを一歩出れば、空気が一気に無臭になる。
    澄んだ、とまでは言わないが熱気で緩んだ思考と表情筋を正すには十分だった。
    ホール入り口近くの柱にもたれて、ナワーブは店の従業員の動きをなんとなく見ていた。
    その中で、一人の男性に目が行った。他の従業員と同様に黒いスーツの上下を着て、耳にはインカムを付けている。
    しかしその男性から感じたものは違和感だ。仕事を始めたばかりの新人のようなぎこちなさを"隠している"とナワーブは感じた。
    知らないものを知っているものとして動いている。一度そんな風に感じてしまえば、もはや目を離すことができなくなった。
    ナワーブが視線だけで行動を見張っていると、それに気づいたのか偶然か、男性がふと振り向いた。
    薄緑の目と男性の碧眼が、一瞬、だがしっかりとかち合った。
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