夜の告白帝国首都オーディンの高級住宅街に佇むミッターマイヤーの私邸は、夜の静寂に包まれていた。外界の喧騒を拒むように閉ざされた室内は、暖かな照明に照らされ、寝室の重厚な木製のベッドには二人の男の影が映っていた。
ガイエスブルク要塞の戦いで勝利を重ねたミッターマイヤーとロイエンタール。戦場での信頼を超え、二人の間には肉体を重ねる関係が築かれていた。それは、互いの欲を満たすだけでなく、言葉にしない絆を確認する時間だった――少なくとも、ミッターマイヤーにとってはそうだった。
ミッターマイヤーはロイエンタールの首筋に唇を這わせ、彼の反応を確かめるように見つめた。ロイエンタールの瞳は、いつも通り冷たく澄んでいるように見えたが、その奥に揺れる何かを感じ取っていた。彼を抱くたびに、ミッターマイヤーは思う。この男は、自分を心から受け入れてくれているはずだと。
2843