既に掴まれていた　古くなった紙のにおい、埃が混ざったような空気、ページを擦っただけでもよく響くほどの静寂。まるで異世界にでも迷い込んだような心地になるので、図書室が好きだ。だから、クラスメイトが「退屈そうだ」と言った図書委員の仕事も、冬弥にとってはまったく苦ではなかった。
　あるべき場所にない図書を本棚から掬い取って、背表紙を確認して、本来の居場所を探す。その間にまた迷子の図書を見つけて、拾う。気がつけば、本をミルフィーユ状に重ねた左腕はずっしりと重くなっていた。
　ふう、と息を吐いた。
　この学校には無頓着な人間が多いのだろうか？　と流石に疑問に思う。本があるべき場所になければ、後で困るのは自分たちだろうに。
　背後の窓から、白くてやわらかい光が手元を照らしてくる。辞書サイズの単行本、そのカバーの際が経年劣化でふさふさとしていて、黄ばんでいた。対して、表面はカラカラに渇いた大地のよう。それをつうっと撫ぜていると、

HymnMemo：是同居戀人壞狗
｜ 情人節因工作臨時脫不開身而晚歸的冬彌，和看似不在意的彰人。


兩人雙雙跌進沙發鬆軟的懷抱。
青柳冬彌雙手撐在東雲彰人的肩頭，左膝跪在對方緊實的大腿側邊，右腳還平穩地掛在沙發外緣。
他以近乎跨坐的姿勢低下身，聽見自己的呼吸淺淺落在對方耳畔。
他看見泛紅的耳廓，還有故作冷靜繃直的嘴角。

在一片情緒高漲的熱情歡呼，和自四處投射而來的炫目色彩中，他曾喊過無數遍的名字，此時又被鎮重小心地朗誦了一回。

「彰人。」
青柳冬彌再傾身，眉頭微微蹙緊，有些沮喪地垂下眼簾。
他更清楚地看見了染上潮紅的眼角，也聽見正在逐漸加重的呼吸。
淺灰色雙眼眨了眨，和一雙青朽葉色眼眸的主人對視。
或許是因為過多的不確定因素，也可能是為了藏起不知所措，他再一次發起詢問。