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    SS供養

    過去に書いたSSを一部修正して再掲しています。

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    SS供養

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    140文字SSまとめ①
    腐注意、ほのぼの~シリアスまであるのでご注意ください。

    【松半 ほのぼの】
    「雨の音は好きなんだよね」部屋の窓から薄暗い空を見上げて松野が言った。「雨の音か……」雨が降るなんて珍しくも何ともないけど雨音に聞き入るのはあまりしたことがない気がする。松野の隣に座った俺は松野と同様に目を閉じた。肩に触れる温度。雨音に耳を澄ませて、二人。

    【松半 ほのぼの】
    松野が空を見上げている。「早く帰らないと雨強くなるぞ」「ねぇ相合傘しようよ!」「俺もお前も傘あるだろ」「2人で傘さしたらお互いの距離が広がっちゃうでしょ」松野が傘をさして手招きしたので仕方なく松野の傘に入った。「雨止まないといいね」「そうだな」こんな雨の日もいいかもしれない。

    【松半 ほのぼの】
    透けた水色に光が反射してキラキラと光っている。ラムネを飲むとビンの中でビー玉が転がって涼しげな音を奏でた。「僕、この音好きだなぁ」松野はそう言って飲み干したラムネのビンを振りながら音を楽しんでいる。ふと見上げた空には入道雲。「……俺も好きかも」また、夏がやってきた。

    【松半 ほのぼの】
    それは昨日の話。ジリジリと照りつける太陽の日差しが肌に突き刺さるようだった。「半田の家でシャワー借りていい?」「いいけど」「一緒にシャワー浴びる?」「いいけど」「え」「え?」あまりの暑さに いいけど しか答えられなかったばかりに。松野と仲良く風邪をこじらせてしまった暑い夏の日。

    【松半 ほのぼの】
    「もう秋かー」松野が夕暮れの空を見上げる。「すぐに冬になるだろうな」「ねぇ、冬になったら相合マフラーしよ!」「相合マフラー……?」「2人で一つのマフラー巻くのっ」「お前なぁ……」 少しばかり冬が待ち遠しいと思ってしまったことは内緒にしておこう。

    【松半 ほのぼの】
    『半田ー遊ぼー!どうせ炬燵でぬくぬくしてるんでしょ』「なんで分かっ……寒いしやめとく」『えーでももう来ちゃった』「え?」窓を見ると松野がぶんぶんと手を振っているのが見えた。「はぁ、仕方ないな」電話を切り、上着を着て階段を降りて行く。無意識に急いでいたのに気づいて思わず笑った。

    【松半 ほのぼの】
    「あ、美味い」先ほど自動販売機で買った飲料を飲んでそう言った。「飲ませてー」手を出す松野にペットボトルを渡す。「うん、意外に美味しい」「だろ?」「ふふっ」「ん?」「間接キスだね〜」「……っ!」松野がにっこりと笑う。「そ、そういうこと言うなよな……」思わず赤くなった顔を松野から逸らした。

    【松半 ほのぼの】
    「半田!トリックオアトリート!」「ん」「そうだよね〜お菓子なんて持ってないよね〜だから悪戯させ、え?」「だから、お菓子やるって」「なんでお菓子持ってんの」「なんで無い前提なんだよ」「ひどい」「で、感想は?」「美味しいです……」

    【松半 ギャグ】
    「トリックオアトリート!」「いや持ってないし」「じゃあ悪戯しちゃう!」「あ、待って。クッキーフレーバーならあった」「何故に回復アイテム……」「やっぱダメか?」「半田があーんしてくれるなら何でも!」「じゃあ極上のおでんとか」「それハロウィンというよりバラエティーだよね」

    【松半 ほのぼの】
    「……寒い」「俺も寒い」すっかり暗くなった夜道を松野と歩く。「明日マフラー持ってこようかな」「真冬過ごせなくなるぞ」「だって寒いんだもん。あ、でもこうすれば暖かい!」松野が俺の手をぎゅっと握った。「これなら真冬も平気だよ」松野がにこにこ笑って言うもんだからその手をそっと握り返した。

    【松半 ほのぼの 半田視点】
    器用で何でも出来る松野と何をやっても中途半端な俺は全く正反対で、松野が俺のどこを好きなのかが正直分からない。毎日一緒に帰ってくだらない話をして笑いあって。そんな日常の中でふと考える。もし松野が俺に飽きてしまったら、なんて。多分松野は俺がこんなこと思ってるなんて知らないだろうな。

    【松半 ほのぼの 松野視点】
    僕は半田が大好きで、半田とずっと一緒にいたいと思ってる。僕が楽しかったらきっと半田も楽しいと思う。でも、もしかしたら仕方なく僕に合わせてるのかな、なんて思っちゃったりして。訊く勇気もなくて不安で。多分半田は僕がこんなこと思ってるなんて知らないだろうなぁ。

    【松→半 せつない】
    勉強とか部活とか面白くなければやらないし飽きたらやめればいい。特に誰かと競いたいわけじゃない。それなのに。半田の一番になれないんだっていうだけで、こんなに、苦しいなんて。「ねぇ、僕じゃだめなのかな……」ぽつりと呟いてみたけれど、自分以外誰もいない部室で応える声はなかった。

    【松→半 シリアス】
    だめだよ、そんな笑顔を他人に見せるなんて。半田は僕だけのものなんだから。僕だけを見ていればいいんだから。「俺からお前をとったら何も残らないのかな」その言葉の意味をちゃんと考えるべきだった。後悔してももう遅い。焦点の合わない虚ろな瞳はもう僕を見つめることはないのだから。

    【松半 シリアス】
    退屈な毎日が嫌だった。何か刺激が欲しかった。多分そんな理由。多くを語り合うわけでもなく、でもお互いに同じことを思っていた。ただ何となく、気分で。松野が手慣れた様子で俺のワイシャツのボタンをはずしてゆく。胸の奥で何かが崩れ落ちる。もう戻れない。

    【松半 シリアス】
    からかうなよ、言いかけた言葉は喉でとまった。何も言えず、掴まれた腕を振り払いもせず、ただ松野の瞳だけをじっと見つめた。いつもの松野ではない。その瞳の奥に宿る何かがそう思わせているような気がして。「……どうして分からないかな」あははっ、と力なく笑う松野。俺の背中を冷たい汗が伝った。

    【松半 シリアス】
    「終わりにしてあげる」「え……」「半田もずっと僕にこんなことされて嫌だったでしょ?」散々好き勝手やられて弄ばれて、良いことなんてひとつもなかったのに。「なんで……」思わずすがるように見つめた。「飽きちゃった」それは残酷な笑み。俺に残されたのは体の傷痕と、松野への異常な程の依存だった。
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