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    yukiji_29

    @yukiji_29
    倉庫用。
    ほぼアスカガ。
    挫折した文章やら年齢制限のものやら。

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    yukiji_29

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    アスカガ本に収録予定の新作サンプル(2本目)です!
    種自由後の話(アスカガ+ミリアリア)
    カガリとユウナの結婚未遂をアスランが許してないって考察読んで、アスランおまいう!ってミリィに言葉で引っ叩かれるアスラン書きたいが為に書きました(笑)
    お互い様でしょー!ってミリィに怒られるアスラン😂
    またカガリが薬指に指輪を嵌めて、アスランと将来を約束をするまでのお話です。

    金環は碧落一洗に輝く アスカガ新刊サンプル② オーブ軍事施設内。
     ミリアリアはズンズンと背後に物々しい効果音が付きそうな足取りで施設内を歩いていた。
     先程から探している人物はなかなか見当たらず、かれこれ十五分は施設内を探し歩き回っている。事前通達されたスケジュール通りであれば、すでにオーブへ帰国している頃合いのはずだ。
     黙々と足を動かすミリアリアをどうしたんだろうと横目に見る同僚達に目もくれず、彼女は先を急いだ。
    「あれ、ミリアリアさん?」
     通り過ぎた一室からミリアリアの名を呼ぶ声にピタリと足を止める。くるりと振り返り声のした方を見れば、部屋の入り口からひょこりと顔を出す女性と目が合う。臙脂色の髪を持つミリアリアがよく知る人物がそこにいた。
    「メイリン」
     そう彼女の名を呼んでミリアリアは行った道を戻る。青と白を基調としたオーブ軍服に身を包んだ彼女は、かつてザフト軍に身を置く軍人だった。奇数な運命を辿り、今は生まれ故郷であるプラントを離れオーブにその身を寄せている。
    「お久しぶりです、ミリアリアさん!」
     部屋から出てきて人懐っこく寄ってくるメイリンに、ミリアリアは荒れ狂っていた心が幾許か和らいでいくのを感じた。
    「久しぶりね、任務帰りってところかしら?元気だった?」
    「はい!少し前に帰ってきて任務完了の手続きが終わったので、これからアスハ代表にも報告しに向かうところです」
     そうニコニコ笑う姿にミリアリアはハッと閃いてメイリンの両肩を思わず掴む。
     彼女はアスランとツーマンセルを組んで任務に当たる事が多い。今回の任務もミリアリアの記憶が正しければアスランと共に任務をこなしていたはずだ。ずいっとミリアリアはメイリンに顔を近付け、探している人物を見つけるために彼女に問い詰めた。
    「メイリン、アスランは今どこ?!」
    普段のミリアリアでは考えられないような迫力に、メイリンは気圧されて若干後ろに腰を引く。
    「ア、アスランさんですか?」
     そうよと凄みのある声が返ってきて、メイリンは自分が責め立てられている訳ではないのに何故か冷や汗が出る。
    「アスランさんなら」
    「どうした、メイリン」
     アスランさんなら私と今一緒に。とそうメイリンが答えようとした瞬間、それを知ってか知らずか答えを遮るようにメイリンが今し方出てきた部屋から今度はアスランが顔を覗かせた。ミリアリアは探していた目的の人物を見つけ、カツカツと靴音を鳴らしながらアスランに近付きその腕を取る。
    「メイリン、アスラン借りるわよ!」
    「え?あ、はい!」
    「ちょ、ミリアリア?!」
     グイグイと容赦なく腕を引っ張られてアスランはミリアリアに連行されていく。戸惑う声を上げながら遠ざかっていくアスランをメイリンはただ見送るしかなかった。

       ◇

    「ミリアリア!おい、ちょっと待て!」
     いくつか通路の角を曲がり、人気の少ない場所に連れて来られたアスランは漸く掴まれた腕を解放される。拘束された腕を解放され、何だっていうんだ、一体とアスランは呟く。引っ張られている間に着崩れてしまった服装を直し、佇まいを整える。そうしてミリアリアに体を向ければ、思ったより近い距離で彼女が立ちはだかっていて、驚きでアスランは思わず肩を振るわせた。
     ジトリと自分を睨みつけられるよう向けられる目に、アスランは何か不味い事でもしたのだろうかと考えを巡らせる。思い当たる節が見つからず考えあぐねていればミリアリアが口を開いた。
    「二人の事だから、私が口に出す事じゃないっていうのは分かっているけど…でもカガリは絶対言わないと思うから私が言うわ」
     突如そう告げられ、ミリアリアがそれから何を口にしようとしているのか皆目検討も付かないアスランは、きょとんとした顔でミリアリアを見る。
     ミリアリアの物々しい雰囲気と、その雰囲気に付いて行けていないアスラン。二人の纏う空気感は対照的だ。
    「あなた、カガリが指輪を首から下げてるのは知ってるのよね?」
    「あ、あぁ…」
    「じゃあなんでチェーンに通して持っているのか…本当の意味、分かってる?」
    「え…?」
     突然振られた話題にアスランの心臓がどきりと早鐘を打つ。カガリが首から下げて持つ指輪。それが何かアスランは良く知っている。
     当時アスランはアレックス・ディノと名を偽り、カガリの護衛として付いていた頃に彼女に贈ったものだ。カガリは慣れぬ政務に食らい付くように懸命に奮闘しているのにも関わらず、何もできない自分に焦りと憤りで心が塗れていたあの頃。カガリの気持ちも考えも無視して自分が安心して満足したいが為に渡した、独り善がりの不甲斐ない象徴。あの苦い思い出を、カガリはそれでもこの指輪を送ってもらえた事が嬉しかったと大切に首から下げている。
     メサイア攻防戦後、アスランはカガリからオーブを立て直す事が最優先で、自分の身は国の為に使う。だから指輪を今、嵌める事は出来ないとカガリから告げられた。そう宣告されてから宣言通り、指に嵌めた形で指輪を持ち歩く事を止めた彼女が、今は首からそれを下げている。彼女の心臓に1番近い場所にそれを置いてくれている、その事実だけでアスランは充分だった。
    「今は状況的に難しいからじゃないのか…?」
     ──夢は同じだ。
     オーブ侵攻戦後、アークエンジェルと共に再び宇宙へ上がる事が決まったあの日。カガリと碌に話す事も出来ず、出立を迎えようとするアスランに心配そうに二人を案じるキラとラクスにアスランはそう語った。
     夢。アスランとカガリが願った平和な未来。その鱗片が、道筋が見えてきた。
     だからカガリは収まるべき場所に指輪を置く事はまだ出来ないけれど、その代わりにとネックレスに通して傍に置いてくれているのだとアスランは思っていた。
    「違うわよ」
     アスランの考えを目の前に立つ女性、ミリアリアが違うときっぱり言い放つ。その一言でアスランは目の前が一瞬にして真っ暗になった。
     違う、とは一体なんだ。顔色を段々青くしていくアスランに、ミリアリアは容赦なく追撃する。
    「あなた、許してないでしょう?」
     何を、と震える声でアスランは困惑を示す。
    「カガリがユウナ・ロマ・セイランと結婚しようとした事よ」
     ミリアリアの口から出てきた思わぬ名前にアスランは数度瞬きを繰り返した。
     ユウナ・ロマ・セイラン。カガリの元婚約者で、己の私利私欲の為にウナト・エマ・セイランと共にカガリを傀儡と化しようとした男で、今は国家反逆罪の戦犯としてその名を歴史に刻んでいる。
     そして生前、アスランに何度となく辛酸を嘗めさせた男だ。
    「アークエンジェルであなたに黙って勝手に結婚しようとした事を謝った時、あなたは理解は示したけど許すとは言わなかったって。だからカガリ…自分に指輪を嵌める資格は無いから、代わりにチェーンに通して首から下げてるって言ってたわよ」
     カガリがそう少し寂しそうに言った顔を思い出して、ミリアリアは眉を下げる。彼女の胸の内を聞いた時、ミリアリアの心は静かに怒りに震えた。
     カガリがユウナとの政略結婚を決意した時、ミリアリアはアークエンジェルやキラ、カガリから離れて暮らしていた。なぜカガリが政略結婚へ至ったのか。その経緯は当時の国際情勢とオーブ国内の内情を見ていれば、何となく察しはつく。
     アークエンジェルと合流後、話を聞いてそういう判断を下してしまうのも致し方無い部分や状況でもあり、ミリアリアは同情の余地ありと思っている。あの頃のカガリは味方が少なすぎた。
     あの頃のアスランはそれをずっと間近で見ていて、支えていて、彼女の置かれた厳しい状況を理解していたはずだ。それを分かっていてカガリの傍を離れ、それを許してしまう現状を作った見通しの甘さと、ただ憤り図々しくも許すと言わないアスランにミリアリアは腹を立てたのだ。
    「そりゃあ、想いが通じ合った好きな子が勝手に結婚しようとした事を怒る気持ちは分かるわ。けど…それを許さないと言える立場なの、あなた。デュランダル議長のラクス、あれを黙認したあなただって同じじゃないの?」
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    yukiji_29

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    またカガリが薬指に指輪を嵌めて、アスランと将来を約束をするまでのお話です。
    金環は碧落一洗に輝く アスカガ新刊サンプル② オーブ軍事施設内。
     ミリアリアはズンズンと背後に物々しい効果音が付きそうな足取りで施設内を歩いていた。
     先程から探している人物はなかなか見当たらず、かれこれ十五分は施設内を探し歩き回っている。事前通達されたスケジュール通りであれば、すでにオーブへ帰国している頃合いのはずだ。
     黙々と足を動かすミリアリアをどうしたんだろうと横目に見る同僚達に目もくれず、彼女は先を急いだ。
    「あれ、ミリアリアさん?」
     通り過ぎた一室からミリアリアの名を呼ぶ声にピタリと足を止める。くるりと振り返り声のした方を見れば、部屋の入り口からひょこりと顔を出す女性と目が合う。臙脂色の髪を持つミリアリアがよく知る人物がそこにいた。
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