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    ktgr2569

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    ktgr2569

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    五夏ワンドロライのお題より蛸でしたが、残念ながらワンライに失敗しまして。今はこれをこねこねして、8月インテの友人のスペースに新刊として置いてもらえるように作業してます。

    #五夏
    GoGe

    蛸には負けないその日の祓ったれ本舗のスケジュールの大半を抑えていたのは、番組改編期の番宣目的で放送されることになる特番だった。番組別にチーム対抗戦をして、出演者の顔を売り、ドラマに出演する俳優・女優の意外な一面を見せつつ、芸人たちが笑いを取っていく。
    若手に当たる祓ったれ本舗が見せ場として用意されたのは、箱の中に手を入れて中に何が入っているのかを答えるコーナーだった。一面だけ透明なアクリル板で作られた箱なので、何が入っているのかを見ている出演者・スタッフ、そして視聴者はわかった上で二人のことを見ている。そこをリアクションで笑いを起こすのが、芸人の腕の見せ所だ。
    一番手は五条。横から両手を入れるように促され、慎重に指先を進めていく様が「五条らしく」なくて、司会からツッコミが飛ぶ。再度恐る恐る中に入っていった指先にぬめったモノが掠めた瞬間、両手を箱から出し「無理無理無理無理!」と叫んだ。
    同じチームのベテラン芸人からの厳しめに「やる気を見せろ」的に言われても「無理なものは無理!」と五条は押し通した。
    相方の分を挽回しろと言われながら、五条に代わって箱の前に立ったのは夏油。
    五条ほどではないが、やはりそろりそろりと入れた指先を同じようにぬるりとしたものが掠めた。
    祓ったれ本舗にやる気がないと言われるのも癪だと引かずに更に箱の中へ腕を差し込む。
    絡みつかれた? と夏油が思った瞬間、左腕が強く圧迫された。
    「痛っ!」
    箱の中に入って居るのは腕を絞めつけてくるような生き物。そこまではわかっても、締め付ける力のあまりの強さに特定まで頭が働かない。
    収録だということも頭から抜けて、痛みから逃れるべく箱から手を抜いた夏油に絡みついていたのは蛸だった。
    回答者席から「なんだアレ?」「巻きついてる?」「蛸じゃん!」と口々に驚きの声が上がる。「はぁ〜?」と言いながらも一番に駆け寄ってきたのは五条。そして、先陣を切ったその背中を追うように、次々と芸人が夏油へ向かった。
    夏油から蛸を引き剥がそうと一列に並んで協力する姿はまるで大きなかぶのようで、面白がった司会者も「引っ張れー!」と煽って場面を盛り上げた。
    収録後、番組プロデューサーが「あそこが一番面白かった」と声を掛けてきたばかりか、番宣のCMに使われて何度も流されたほどだった。
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    related works

    kaoryu12273

    PROGRESS3~6月に出すかもしれない話の冒頭です。
    相変わらず記憶なし×ありの転生。
    舞台はずっと未来かもしれないこの列島の何処かです。
    もし一言でもあれば、こちらから!
    https://wavebox.me/wave/3vwvg0bho3p7xq56/

    イベント中に増えるかもしれないし、Xで連載をはじめるかもしれません。
    いつか一緒に 昨日知り合ったばかりの男は不思議な家に住んでいる。
     階段は外付けで、外壁は淡いミントグリーン、幼児が積み上げた積み木のように、少し凹凸のある三階建て。
     雨ざらしになっているせいか、ところどころ塗装が剥げていて、鉄さびが滲み出ている頑丈そうな階段を昇りきると、何もない屋上に辿り着く。本当に、何もないわけではない。洗濯物干しと台風でもきたら吹き飛ばされそうなプラスチックか何かでできている白い椅子が一つ、ぽつりと置かれていた。
     朝焼けも夕焼けも似合いそうな建物は、だけど北向きの路地に建っていた。周囲も家屋に囲まれているから、反対側がどうなっているのか、一見するだけではわからなかった。
     悟は目に付くあたりがどうなっているのか、その区画をくるくると歩いていた。平均よりもずっと長身の背丈を活かしても、やっぱりその内情は伺えなかった。
    2072

    recommended works

    ask_hpmi

    DONE夏のある日
    水着(ワンライ)「あっちい~」
    「言うな悟、余計暑くなる……」
     湿度を含んだ空気が、じっとりと肌にまとわりついて気持ちが悪い。なにもしなくても外にいるだけで汗が吹き出し、こめかみのあたりからつうっと汗が流れ落ちた。ジィジィと蝉が鳴く音があちこちから響き、視界がゆらりと揺らめくほど高温が立ちこめている。
     白と青のコントラストが強く、高く積み上がった雲の影が濃い。ぎらぎらとした日差しが容赦なくふたりを焼いていて、まごうことなく夏真っ盛りである。
     呪術高専は緑豊かな場所にある。はっきり言えば田舎で、コンクリートの照り返しはない代わりに日陰になるような建物もなく、太陽が直接ふたりに降り注ぐ。
     あまりの暑さにコンビニにアイス買いに行こうと言い出したのは悟で、いいねとそれに乗ったのは傑だ。暑い暑いと繰り返しながらなんとかコンビニまでたどり着き、それぞれアイスを買う。安いと悟が驚いていたソーダアイスは、この暑さでは格別の美味さだった。氷のしゃりしゃりとした感触はそれだけで清涼感があるし、ソーダ味のさっぱりとした甘さがいまはありがたい。値段のわりには大きくて食べ応えがあるし、茹だるような暑さにはぴったりだった。
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    kasounokuma

    MAIKINGご都合呪いで後天性にょたすぐとさとるのラブコメ②
    私、女の子になっちゃった!編

    (ついったで呟いていたネタをゆっくり書いていけたらと思ってます)
    (7月原稿始めるのでほんとのほんとにのんびり書きます)
    (そのうちにょたエロになる予定なので苦手な方はご注意ください)
    ラブコメディは突然に2


    「呪われてんな」
    「……やっぱり?」
    家入のひと言に、夏油ははぁ……と盛大な溜息を吐いた。大抵の場合、認めたくないことほどその事実は揺るがないものである。
    趣味特技格闘技と豪語する夏油の日々鍛え上げられ、がっちりとした健康的な骨太のごつごつとした体躯の影は今やどこにもなく、いつも普段着にしている白いTシャツから伸びる腕は細く、シルエットはこじんまりとしていて、子どもが大人の服を着ているのかというぐらい、ぶかぶかでまるでサイズが合っていない。だが出るところは出て、とても柔らかで、そしてまろやかな曲線を描いている。
    何ヶ月ぶりに五条と夏油が珍しくコンビを組んでの任務があり、まるでスキップでもするかのように軽やかに出かけていったのは数時間前。駅もコンビニもないぐらいのド田舎の山奥で、出現条件が特殊らしい一級相当の呪霊がいるらしいという窓からの穴だらけの情報のせいで、人手不足だというのに特級術師が二人も駆り出されることになった。
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