家入さんちのサトルとスグル　小話【猫とちゅーる】
そういえば、傑はチュールが好きだったが、今はどうなんだろう
ふとした疑問だった

くしくし、と相変わらず猫の癖がとれず猫の手ポーズで頭をかいている

すぐる

しょーこ

ちらりとチュールを見せてみると、パッと目を輝かせた

いっ、いいのかい？

その身体でも好みは変わってないのかなと思ってね　ほら、食べるか？

ほれほれとチュールを振る

し、仕方ないなとにツンと澄ましたふりをして、嬉々と寄ってきた

人間の姿にも慣れてきて、この姿でも可愛いなと思うことも増えてきた
ふふ、と、チュールの袋を破り指で膨らみを押し、餌の顔を出させた

傑はうずうず、とすぐには行動に移せず自分の気持ちと葛藤しているようだ

私が試したいんだ、協力してくれないか？

その一言で、すぐるはその言い訳作りができたことでおずおずと舌を出しペロリと舐めとる

どうだ？

あむあむとチュールの味を吟味しているようだ
そのまま食べようとしたので待ったをかけ上に持ち上げる

ど、う、だ？
お、美味しい
それで？
へ？
食べたいならお願いしないとな

ここの主人は私だぞと目線を送る

…く、ください？
ダメ、もっと自分の思ったこと口に出して
？？？？美味しいから、沢山ください？
30点
えっええ？
私を満足させないとあげないよ
そんなっ、えっと…ちょうだい…？
20点
下がった！？あ、う、もっとたくさん食べたい…から、その、私にください…
40
う〜っ、意地悪だなあ！はやくよこせっ
あ〜なんだその物言いは　もうあげませ〜ん
もっ、もう！いじわるしょーこ！私はそれをペロペロするのが至福のひとときなんだ！わかってるだろ！？

眉を垂れさせて必死な傑が滑稽だ

じゃーちょっとセクシーに言ってみな
は、はっ！？

ケラケラ、傑を揶揄うのは面白い

そしたらあげる
セ、セクシー？うーん、うーん…

傑はもう少し前屈みになり、薄く口を開き
赤い舌をチロ、と覗かせた
ちゅーる、たくさん、ほ、ほし、い….お願い…

上目遣いで、だんだんと顔を赤くして耳もへたりと垂れてしまった
傑って、なんかこう、倒錯的な色気を持っているなあ

合格

チュールを傑の口元に寄せる

傑はぱっと顔を明るくさせ嬉しそうに舐め始めた
ぺちょぺちょ、夢中になって舐めているが夢中になりすぎて傑のオーバーサイズのシャツがズレている
眉を垂らし恍惚とした表情で足の間に腕をつき、背中もしなっている
正直なところ女の硝子ですら生唾を飲んで魅入ってしまう

ぺろりと最後のちゅーるを舐め終えると
自分の唇を妖艶に舐め回す
ありがとう！ご馳走様！
あっけらかんとそう言ってるんるんと立ち去ってしまった

…すぐるには男を近寄らせないようにしなけらばならないな、

硝子はまた頭を抱えた



【大人気！猫ちゃん特集】
しょうこはご飯を作っている
そんななか、バラエティーを見ている元二匹

今回の特集はねこちゃん！かわいいねこちゃんがたくさんいる猫カフェにやって参りました〜！

スグルはなんだ猫か、とその場で丸まって眠る体制に入った

悟はというと、めちゃめちゃに凝視し食いついている

まわりの客が猫に必死に構ってアピールをするもののツンと猫は知らん顔
そんななか一際目立つおじさんがいた
なぜか4、5匹猫が周りで寝ているのだ
猫ちゃんは気まぐれですからね！
でも、なぜお兄さんはそんなに猫に囲まれているんです？
私はここの常連でね、そういう慣れもあるとは思うんだけど、猫はお尻をトントン叩くと大体は喜んでくれるんだよ
そうして実践してみせると、猫は気持ちよさそうにお尻を突き上げている
あとは特別な餌をあげるとかーーーー

その後の情報は耳に入ってこなかった

すぐる

ん…

返事だけ返したままこちらを向く気配は無い
おずおずと、手を傑の尻に近づけ
トントンと軽く叩いてみた

っひゃ！？

尻尾がピンッと立って素っ頓狂な声をあげた
おお！すごい！
悟はそのまま力を強め、トントンと続ける

あ、あっ、さと、あ、

なんだか甘い声が聞こえてくる
尻尾はしびびび、と快感に立ち上がっている
お尻は突き出され、傑は床にへにゃりと全身を預けている

トントントントン

ん、ぅん、あっ、…ぅっひ、はぁっ

なんだかすごくこれ、やばいんじゃないか？
自分の顔がどうなっているのかわからない
ちらりとすぐるの横顔をのぞいてみる
眉は垂れ下がりとても頬が赤い
熱い吐息と共に、甘い声を吐いている

さと、る　ん、ぁ　もっと強く…

視界がくらりと、腹が熱くなる
…オッケー
酷く歪んだ表情をしている気がする
スグルのせいだ、もうしらん
そうして手を上げたその時パシッと腕を掴まれる

おい

悟は大きなタンコブを二つ作った



【親友】
さとるとすぐるは、小さい頃からずっと一緒だ
サトルは昔、孤高の一匹と言った感じで、まるで猫のような正確で友達を作ることもしなかった
そんなサトルに仲良くなろうと接近し始めたのはスグルのほうだった
サトルの周りをうろうろとし、気を引こうとするもサトルはシカト　まるで犬と猫が逆のよつだった
すぐるはサトルのお気に入りのボールを口に加えて遊びに誘ったり、横でなくともそばに座ったり
そんな努力が功をなしたのか、突然サトルが寝ているスグルに鼻をあてた
そこからクンクンと匂いを嗅ぎはじめ、しまいにはスグルの顔をペロペロとし、鬱陶しそうにすぐるは目を覚ました
嬉しそうにしっぽをふり、鼻をくっつけた
そこからはサトルのスキンシップが激しくなり、スグルの気を引こうとすぐるのテリトリーをイタズラしたり、すぐるのお気に入りのおもちゃを隠したり　そのせいで喧嘩になることもしばしば　猫パンチを盛大にくらったさとるはグルル、と大きな口で噛みつこうとした　咄嗟に庇おうとするとスグルはスグルで素早く避けるものだから、お互い本気で喧嘩してもあまり怪我をすることがなかった
猫パンチで軽く怪我をしたさとるを申し訳なさそうにぺろぺろと舐めたり、なんだかんだでお互いを大切に思っている
すぐるを抱きしめるように寝たり、すぐるに構って欲しそうにウロウロしたり、すぐるのおかげでサトルは犬っぽい犬になれたと言っても過言ではないのだ

そんな感じだったので

すぐる〜構ってよ〜
うっとうしいよさとる

人間の姿になってしまうと、成人男性どうしのイチャイチャを見せつけられてしまうことになる

顔を舐め合うことは強く注意したのですることは無いが、元々は動物だ、少しは目を瞑らないといけないが少しずつ人間としての常識も教えていかなければならない





【すぐるのふみふみ】
傑はよく猫の時布団をもちもちと前足で踏んでいた
その癖はなかなかとれないようで、今もブランケットを前足でこねている

なんか意味あんの？それ
悟に取られないようにね、私の匂いをつけているんだ　
へぇー…
傑ー！
うわっくっついてくるのやめろって言っているだろう
それ、俺の為のベッドメイキング？サンキュー！
違う！私のだって匂いをつけてるの！
！？ま、マーキング！？悟は渡さないってこと！？
あーもう！どけ！それ私の！
俺がお前のならお前のも俺の！
都合の良いジャイアンか(しょーこ



【どくせんよく？】
ただいまー
ただいまっー
おかえり、さとる、しょーこ
今日の飯は何かなーっ
クンクン、さとる
ん？
クン、誰かと会った？
まあそりゃ誰かとは会うけど…ヒトになっても近所のタロウが覚えてくれててさ！撫で回してきた！
そう… スリ、
ん
スリ、スリスリ
傑！？
悟は渡さない　ずっと私のでいて…
すっすすっすぐっ
オイ　ひっぺがす
あーん傑ぅ〜！
あんまイチャコラすんじゃないよ
今はヒトの姿意識してくれ傑も大概にしな
むぅ…
しょっしょーこ！今の傑の顔みた！？やべえ勃起しそう
引っこ抜くぞクソ犬
クゥン…




【おひるね】
しょーこが出かけてお留守番
珍しく寝ているさとる
さとる？寝てる？
…
もぞもぞ　スンスン　すり…
(そういえば人間がキスをするのは愛情表現って見たな)
ちゅ
ふふ
悟の横に縮こまって眠る
ドク、ドク、ドク
なんだか悟、脈が早いなあ…(ちら
（真っ赤な顔で見つめるさとる
…………
（みるみるうちに顔が赤くなる傑
い、いつ、いつから、起き、き
に、匂い嗅いでるとこから
はじめからじゃないか！クソッ！放せっ　
やだ！傑から近づいてくれたのいつぶりだよ〜！グリグリグリ
ぅぅぅぅぅっ