893パロ「ネコっていいよね」
袂を分かちながらも未だに飲めぬ酒を持って気紛れに訪れる元兄弟に、お前のその行為も割と猫に近いんじゃないのかと口に付けたお猪口の中で笑みを浮かべた。
「龍を飼ってる男が何を言うのさ」
背中に立派なのが居るだろう、そしてここにも、と足で突けば、今日はそういうことをしに来たわけじゃないのと叩かれた。
「大体、悟に猫は飼えないよ」
私には、この男に自分とじくらい気紛れな猫が飼えるとは到底思えなかった。そも、人間の子を育てているということも未だに信じられることでは無い。だが、そちらなら同じくらいの子を育てる身としては口出しが出来る分、何とかなるとは思っているのだが……。
因みに私の背には猫も龍もおらず(美人は居るが)また、側にいるのもそれは素直な猛犬なので飼い方を指南してやることは難しい。
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