薫←悠で兵+悠幸せについて、薫と話す悠理。
悠理の気持ちに気付きつつ、答えられないことを明確にしつつある薫。
「好きな人が幸せなことが幸せだよ」
「あたしも同じ気持ちだよ。だから悠理ちゃんも幸せになって欲しい」
「うん」
それだけで嬉しくて、今が十分幸せだと思える悠理。
*
しかし薫は安心してくれない。
薫を納得させるために兵部に相談に行く悠理。
「どうして僕?」
「少佐と私、二人がかりのヒュプノなら薫ちゃんにも効果があると思うんです」
過去に一人でやろうとして失敗した。
その時の反省を踏まえ、兵部も巻き込んで薫が望むものを見せれば行けるのではないか。
気乗りしない兵部。しかし成り行きで悠理の希望通りやってみることに……。
薫が望むような、薫の想像しやすい悠理の幸せとは何か。
それに照準を合わせてヒュプノをかけることに。
兵部と連れ立って偶然を装い、薫と会う悠理。
兵部が薫の隙を作り、その間に悠理がヒュプノをかける段取り。
一瞬成功したかのように思われたが、薫の反応が変。
よそよそしい。
「ほら、あたしお邪魔虫っていうか……」
意味が分からない悠理達。
「あたしとしては京介なんか認められないけど! でも悠理ちゃんが幸せなら仕方がないっていうか、好きになっちゃったら仕方がないっていうか、そういうのあるよね!」
もじもじする薫。二人とも頭では理解するが心が追い付かない。
薫は兵部と悠理が付き合っている誤解をしている。
誤解ではない。自分たちのヒュプノである。
「待って薫ちゃん!」
「ヒュプノを解け、悠理!」
悠理がパニックになりそれどころではない。出力で負けているので兵部がヒュプノを解いたところで薫の認識に修正がかからない。
「違うの! 違うのよ薫ちゃん! 誤解よ!」
普段通り薫に抱き着く悠理。兵部に気を遣おうとする薫。どうしようもない兵部。
ネタバレをしてもそれはそれで悠理に悪いという気を遣っている。
収拾がつかないところに皆本と葵、紫穂がやってくる。
いぶかしむ三人に薫が兵部と悠理の交際を伝えようとする。
誤魔化しながら葵、紫穂に視線で助けを求める兵部。
気が付かない葵、何となく理解する紫穂。
紫穂としては悠理の気持ちも分からないでもない。
好きな人が幸せなら幸せ。
だけど薫ちゃんはそれじゃあ納得しないものね。
皆本さんとのことがあって最近ちょっと恋愛脳だし。
「助けてあげましょ」
葵を連れてハグに混ざりにいく紫穂。
女子がいっぱいくっついてきて何!? 嬉しい! にシフトする薫。
なお混乱を深める悠理。
「さ、ここは男子禁制よ」
皆本と兵部をまとめて追い払う紫穂。
全く訳のわからない皆本。
見返りに何を求められるかちょっと怖い兵部。
*
幸せについて、薫たちと話す悠理。
紫穂が薫を諭す。
「恋人になることだけが幸せじゃないわ」
「世の中には色んな幸せの形があるもんなぁ」
「ごめんなさい、薫ちゃん。私は薫ちゃんが幸せならそれでいいの。……ううん、違うわ。薫ちゃんの幸せを見せてもらいたい。大切なおともだちとして」
手を握る薫と悠理。
悠理の決意を感じる薫。
「……わかった。ごめんね、悠理ちゃん」
首を振って否定する悠理。元はと言えば自分の暴走のせい。
薫ちゃんにはこんなこと必要ないとずっと前に知っていたはずなのに間違ってしまった。
「少佐にも謝らなくっちゃ」
*
その後の悠理と兵部。
何となく二人セットになることが多くなった。
能力的な相性が良いから。そして薫の幸せを願っているから。