あかいろ ポーン と、適当に触った鍵盤が適当な音を響かせた。長らく触られていないだろうと思っていたけど、きちんと調律はされていたようで、淀みのない透明な音が響いた。指の動くまま意味の無い音を羅列させて、それらしい旋律を奏でる。もう二度と弾けない今夜だけの曲。
｢それ、なんて曲｣
｢知らない｣
久々に発せられた少し掠れた声に返事をした俺の声は、まるで突き放すように冷ややかだった。ちらりと横目で見た彼はほんの少し眉をひそめて、またぼんやりと窓の外を眺めた。あーあ、俺の馬鹿。違うのに。優しく、したいのに。
誰もが眠りにつくような時間。使われていない旧校舎の音楽室。とうの昔に学生の称号を剥奪された華やかなスーツを着た男が2人。その中で音を鳴らすピアノだけが正確で、むしろ異質だった。

【燐ニキ】幼虎繁殖笔记兽人存在的世界，21岁的天城燐音是狐狸，18岁的椎名丹希是兔子。由于时空错乱，狐狸和兔子捡到了17岁刚刚从故乡逃出来的白虎天城燐音。此时的椎名丹希已经怀上21燐的孩子，暂时不能从事偶像工作，他与17燐相处的时间更多，比起已经长大不再“可爱”的大哥哥，这个尚显青涩的17燐惹得椎名丹希更加想照顾他。
对17燐而言，椎名丹希是他逃出那个压抑人性、把他当君主而非独立个体的故乡后，第一个遇到的人。椎名丹希会给他做好吃的饭，会听他唱歌，会倾听他的理想，椎名丹希从来不斥责他不遵守君主的礼仪，也不会用君主的责任束缚他，总是开心地、真诚地为他出谋划策。
自然而然，就像平行时空里一样，17岁的白虎君主爱上了这只看上去柔软无害、脆弱得仿佛一只手就能捏碎、内心却无比柔韧的兔子，然而，他的竞争对手，是和他长得一样，却比他成熟太多，和椎名丹希度过了四年时光，相互扶持的狐狸天城燐音。