戦いが終わって本丸も解体され、普通の生活に戻ることになった審神者は、
「主がその生を全うした時には俺が迎えに行こう 俺もただの付喪神となり自由に動くこと叶わずとも、人と刀でなくふたつの魂と魂となればきっと共にあることも出来よう」
って三日月と約束してさよならするんだけど、他の男の人と恋をして結婚して子供を産んで年を重ねて、そして死を迎えた時に約束通りやってきた三日月さんに
「ごめんなさい、貴方と行くことは出来ないの」って言うと
三日月は「そうか」って微笑んで、
「それでいい ここで君が俺の手を取るようならば、俺は君の夫を斬っていたかもしれない」
ハッハッハ って穏やかに笑って、審神者を人の魂の輪廻の道へと導いてそしてまたショーケースの中の刀に戻って満たされた心で眠りにつく三日月宗近のお話。
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もちろん人の身体を失ってただの付喪神に戻った三日月さんが人を斬ることなんで出来るはずないし、人の生を全うした主が自分の手を取らないだろうことはわかっていて約束したし、でもきっと約束してからの数十年は千年の時ほど永く感じてた三日月宗近
二人の間にあるのはきっと愛だから、三日月さんにとっては一度は自分と心を通じた人の子(審神者)が愛に包まれて生きたことが嬉しいし、審神者は三日月宗近という刀がいつまでも美しく気高く在ることが嬉しいので、誰も哀しくはないしあわせな結末。