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    伏五で、五を喜ばせたい(意識させたい)伏

    ※書きかけのまま

    #伏五
    volt5

    「お前らに相談がある」

    寮の自室で、伏黒はベッドに腰掛けながらいわゆるゲンドウポーズで、友人たちに話しかけた。
    友人である虎杖と釘崎は『東京のお洒落なところで山手線ゲーム』で盛り上がっていたところだったが、伏黒のただならぬ表情を見て、その手を止めた。

    呪術高専一年の生徒は、この三人のみである。
    最初は絶対に気が合わないと互いに思っていたが、三人で行動するうち、なんだかんだ馬が合うことに気付いた。

    伏黒は元来警戒心の強いタイプだったが、今では任務後にどちらともなく伏黒の部屋に集まってダラダラと三人で過ごすことも少なくない。

    「なんだよ。あらたまって」

    床の上で胡座をかいていた虎杖が、伏黒を見上げる。釘崎も椅子に足を組んで座り、「さあ話しなさい」という表情でこちらを見ている。

    もう後には引けない。急に喉が乾いて、ンンッと咳払いをした。

    「今から話すことは、友人の話なんだが」

    あ、これ知ってる。友人の話って言っておいて、本当は自分の話なやつだ。
    てか、コイツ絶対俺たち以外に友達いねぇだろ。
    虎杖と釘崎は目配せをして、心で会話する。任務で鍛えられたから連携はバッチリだ。

    「自分の世話になった人のことを、喜ばせたいらしくて」

    何が良いと思う。もごもごと言いづらそうに口を動かす伏黒に、虎杖と釘崎はニヤァっと笑った。

    「オッケー、分かった。伏黒は五条先生を喜ばせたいわけね?」
    「カワイイところもあるじゃない」
    「ちがっ!俺の話じゃねぇ!」

    大声で否定するも、耳まで赤くなった状態では信憑性にかける。
    だが、こういうときはつついてやらない方が良いということを、伏黒とのこれまでの付き合いで心得ている。

    「自分のためにしてくれたことなら何でも喜ぶと思うよ」
    「そうそう。高いものプレゼントするとかね」
    「それは釘崎がしてほしいことじゃん!マジで何でも嬉しいって」

    自分たちの担任教師の顔を浮かべ、次に伏黒が彼を喜ばせようと努力するところを想像する。それだけで、五条が『めぐみ〜、嬉しいっ!僕のこと大好きってことでいいよね!』と、伏黒のことを抱きしめるイメージが浮かんだ。

    それなのに、ぷるぷるっと首を振る伏黒。

    「その。もっと特別な意味で、喜ばせたいっつーか」
    「はあ?」
    「できれば、それをきっかけに、意識してほしいというか」

    目を逸らして、恥ずかしげに小さな声で言う。

    ...それって、つまりそういうことか?そういうことなわけ?
    ...そういうことだな。

    ピーンと張った空気のなか、伏黒も交えて三人で以心伝心した結果。

    「オーイ。伏黒ぉ。エイプリルフールにはまだ早ぇぞ」

    釘崎は立ち上がって「解散ッ!」と手を叩く。

    「ちょ、やっぱ一回整理させて。以心伝心だけじゃ不安だから!」
    「だーかーら。伏黒が、あの五条を好きだとか曰ってるわけでしょ!ハイ、ダウト!」
    「嘘じゃねぇ!って、なんで俺の話になってる?!」

    ああもう、ややこしい。パニック状態で頭を掻く伏黒を、釘崎は仁王立ちでビシィっと指差した。

    「アンタは、五条に喜んでもらいたい。あわよくば、自分のことを意識してもらいたい。そういうことでしょ!男ならハッキリしろ!」

    釘崎の勢いに圧されたのか、こくん、と頷いた伏黒の顔はまるで恋する乙女だったと後に虎杖は語った。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
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    「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
     と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
     彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
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