Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    31huji_tou

    @31huji_tou

    🌰🍯

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💮 🍱 🍡
    POIPOI 25

    31huji_tou

    ☆quiet follow

    ごはん


     ・
    少し冷え込んできたので、今日はスープにした。余っていたワンタンの皮には何も包まずそのまま入れて、あとは青梗菜にしいたけ、長ネギ、豚肉の細切れも合わせて具沢山にしてある。ワンタンを千切りにして揚げて散らしたので食感も楽しめそうだ。せっかく中華風にしたので、簡単に炒飯も作った。こっちはシンプルにしらすと葱だけで、ごま油で風味をつけている。
     週末なのでちょっとだけ飲もうかなとも思ったが、ちらりとスマートフォンを見て、やめた。今日はまだ大倶利伽羅からメッセージが来ていない。別に決まっているわけじゃないが、週末の夜はよく短いメッセージをくれるのだ。
     夏が明けてからは大倶利伽羅がバイトも始めているから、時間は以前よりも限られていた。だからつい、光忠も気にするようになった。気づかなかっただとか、返信が日を跨ぐ、なんてことはできるだけしたくない。
     仕事中だけは仕方ないが、それでも、休憩になればメッセージの有無を見るようにもなっていた。一度それを鶴丸に見つかってしまって、笑って肩に乗られてしまった。なんだなんだ隅に置けないなと、からかうように言って、髪を撫でてきたのは荒っぽい指先だ。そのまま、たのしそうだな、と呟かれて、頷くことしかできなかった。たぶん、頬が緩んでいたのもばれていただろう。
    「――僕から送ろうかな」
     たまにはいいだろうか。夜のやり取りは、たいてい大倶利伽羅からくれることが多い。光忠はどちらかと言えば昼間にぽつりと送っていた。ふしぎと、いつのまにかそうなっていたのだ。
     よし、と頷き、箸を取る前にスマートフォンを手に取った。
    『晩ご飯、食べたかい?』
     まずはそれだけで送ってみる。すこし待てば既読がついた。よかった、とほっと息を吐く。
    『いま、食べてる』
    『あ、食事中だったんだね、ごめん』
     じゃまをしてしまったと慌てれば、すぐに返信が来た。
    『いい。あんたは』
    『たべたのか』
     二つ並んだ吹き出しの下に、僕もいまから、と打ちながら目尻を緩める。これは、もしかしたら光忠が気にしないようにと急いで送ってくれたのだろうか。なんだかくすぐったくなる。
    『なに、つくったんだ』
    『スープと炒飯です』
     聞いてくれるならと、テーブルに並べた料理を撮った。返信は、大倶利伽羅の食べている料理だ。ベージュ色のテーブルにトレイが載っている。今日は食堂で食べているらしい。大皿に盛られているのはおでんだった。
    『おでんか! いいね、あったまりそうだ』
    『具が、もうあまり残ってない』
    『そうなの?』
    『鍋にはだいこんばかりだ』
     だったらそのお皿のごぼてんと豆腐と、少量の牛すじは運よく取れたものなのか。おでんは寮生に人気なのかもしれない。以前、カレーやからあげなんかはすこしでも遅くなると無くなっていると聞いた。共同のキッチンで作ったりした日にはいつのまにか人が集まるとも言っていた。
    『貰った』
     ぽこ、と写真がもう一枚きた。さっきと同じアングルのお皿に、はんぺんとつみれが増えている。ふ、と笑った光忠が返事を打つ前に、おにぎりと交換だ、と続きがきた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🎃🎃🎃✨🎃💯
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    31huji_tou

    MEMO壁打ちをちょっとととのえたやつ
     ・

    となりのカレー一人ぐらし大倶利伽羅くんが簡単なご飯済ませて休憩がてら本読んでたらめっちゃカレーの匂いしてきて思わず窓のほう眺めて目すがめて閉めるか…って立ち上がるんだけど、窓に近寄ったらスパイスのきいた香りがもっとしてくるのにぐううって眉寄せて、……この匂いでメシが食べれそうだな、て思ってしまってふと我に返っておかしくなるし、
    まあいいか、て窓は開けたまま過ごした翌朝、仕事行くのにマンションのエレベーター乗ったところで廊下の向こうのドアが開いて、顔を出した男があっ!て反応したのがわかったから溜め息吐いて開ボタン押して待つんだけど、よくよく見れば奥から二つ目のそれは自分の部屋の隣で、そうと気づいたら昨日のカレーの匂い思い出してしまって顔顰めてたらエレベーターに乗り込んできた長身の男が、すみません、待ってくれてありがとうございますって謝ってきたのに手を振って返し、べつに、って答える大倶利伽羅くん。でもうっかり頭の中がカレーの匂いでいっぱいだったので、「カレーが、」て口にしてしまうし「えっ」て驚いた男がじっとこっち見るのに面倒なことをしたかと大倶利伽羅くんが目逸らす直前に、「あっ、えっ、カレーのにおい、するかい??」って大きな声で続けた男がぱたぱた手であおぐようにするのに大倶利伽羅くんもちょっとびっくりするし、
    1350

    recommended works