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    rito_suzuhara

    @rito_suzuhara
    上げるまでもないようなやつの置き場になる予定

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    rito_suzuhara

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    おはモン!(再掲)
    モンモンがユーチューバー的な配信する話(モブ視点)

    おはモン!(〆72 現パロ)
    ※モンモンがユーチューバーみたいな配信してる
    (ぶいちゅーばーのふしみがく参考にしました)
    ※モブOL視点

    「おはよう! みんなよく眠れたか?」
     笑顔の眩しい、黒髪の少年が私に向かって挨拶してくれている。スマホの画面越しに。少年はおはようと言っているが、私はまだ寝床の中であった。
    「今日はハムエッグにしようと思ってるんだ」
     健康的に日焼けした、十代半ばのまだあどけなさの残る男の子。それがこの配信の主−−ソロモン君だ。動画サイトで動画を配信する人はいまや掃いて捨てるほどたくさんいる。危険なところに行ったり危ないことをしたりして視聴者を増やすなんてことも行われている界隈。そのなかで彼の動画は、朝の挨拶をして、朝食を作って、食べる。それだけの、何かエンタメ的な要素があるわけでもない、ただの日常の一コマみたいな配信だっった。
     だけど、会社に行って、仕事して、疲れて何もする気が起きなくてスマホを見ていつの間にか眠って、そして朝になって、なんて毎日を繰り返している私には、彼の配信が、なんだかすごく尊いもののように見えたのだ。
    「今日のハムはいつものロースハムじゃないぞ。塊のやつだ」
     綺麗に掃除されたキッチンに立つソロモン君が、こちらを振り返る。固定されたスマホに向けて喋っているのだろうけど、私に向かって話しかけられているみたいに感じる。重症だ。少し赤らんだ頬がかわいい。ちょっとお高い、塊のハム分厚く切ったの美味しいよねえ。じゅう、とフライパンでハムを焼く音がする。それを聞きながら、私は寝床からもそもそと起きて自分の支度を始めた。
    「みんな朝ご飯の準備できたか?」
     ソロモン君が朝食を並べて、画面の向こうから呼びかけてくる。ソロモン君の目の前に準備されているのは、ちょっとだけ分厚く切ったハムに目玉焼きを乗せたハムエッグと、ほかほか湯気を立てている炊きたてごはん、そして昨日の夕食に作った余りだというわかめのお味噌汁。めちゃめちゃちゃんとしてるしマジで美味しそうだな。ハム食べたい。こちらは野菜ジュースとバナナ一本ですが、朝ご飯の準備できました。
    「じゃあ、いただきます」
     きっちり手を合わせて、ソロモン君がいただきますを言う。それにあわせて、私もバナナと野菜ジュースに手を合わせた。
     一人で暮らしていると、朝ご飯を誰かと一緒に食べることなんてほとんどない。スマホの画面越しに、炊きたてのご飯を幸せそうに頬張るソロモン君を見ていると、なんだか私まであたたかくなって、お腹が満たされるような気持ちになる。
    「……えっと、次の配信は久しぶりに土曜日にやろうかなって思ってるんだ。もしよかったら、一緒に朝ご飯食べような」
     ソロモン君がはにかんで笑う。土曜日は私も休みだ。……そうだなあ、ソロモン君と一緒に、私も何か作ろう。
     とりあえず、塊のハムを買ってきて分厚く切るところから。

    おわり
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    rito_suzuhara

    CAN’T MAKE書きたいとこだけ書いたフォルソロ
    ネウスさんをキラキラに書きたかっただけ
    〆72 フォルソロ

     温かな日差しが心地よい、午後のことだった。その日は特に用事もなく、ソロモンは久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしていた。それでもアジトに関わる雑事は多い。部屋でぼうっとしているのも良かったが、少し体を動かしたい気分だった。そろそろ洗濯物を取り込む時間だろうか。何かしら手伝うことはあるだろう、とソロモンは腰を上げ、物干場へと向かった。
     中庭は鍛錬に使っていることが多いため、洗濯物を干す場所はアジトの上の方にある。石造りの床を歩いていくと、ふと風がソロモンの頬を掠めた。アジトは砦であった構造上、建物の中に風が吹き込むということはあまりない。どこかの部屋で窓を開けているのだろうか、と視線を巡らせると、細く扉が開いている部屋を見つけた。誰もいないのであれば閉めておこう、とソロモンは部屋の中をのぞき込む。
    (――フォルネウス?)
     窓が開け放たれている部屋の中には、フォルネウスがいた。窓の側に小さな机と椅子が置かれてあり、彼はそこに座っている。少しうつむいた横顔の視線は手元に落とされていて、書物を読んでいるのだと知れた。窓にはカーテンがかかっていたが、薄く織られたそれは 1953