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    狭山くん

    @sunny_sayama

    腐海出身一次創作国雑食県現代日常郡死ネタ村カタルシス地区在住で年下攻の星に生まれたタイプの人間。だいたい何でも美味しく食べる文字書きです。

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    狭山くん

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    2022-08-08/今日の空閑汐♂デイリーは空閑とフォスター。フォスターは良い奴だよな……私は君の事がだいぶ好きだよ……

    ##空閑汐BL
    ##静かな海
    ##デイリー
    #BL

    空閑汐♂デイリー【Memories】08 エンジンが空気を震わせていた。バリバリと空気を引き裂くエンジン音を轟かせ、その機体は空へと舞い上がる。
    「お、今日もやってるな」
    「やってるねぇ」
     教室で座学の復習をしていた空閑とフォスターは窓の外へと視線を向ける。雲を描き空を自在に舞うのは汐見が操縦するジェット練習機で。眩しげに目を細めて見つめる空閑に、フォスターは呆れたようにため息をひとつ零していた。
    「それにしてもあいつ、課外で取れるライセンス全部取り終わってるのにまだ乗ってるのか」
     五年目の大気圏外実地訓練に進む為に必要なライセンスは授業中の訓練で取れるようなカリキュラムを組んであり、希望者の中から実技成績順に選抜される課外訓練ではその他にもこの場所で取れるライセンスの取得が出来るシステムで。一年次から成績上位をキープし続けている汐見はその課外訓練の全てに参加していたのだ。
    「ライセンス取り終わっても飛べる時には飛びたいってのが、アマネのポリシーだからねぇ」
     カラカラと笑いながら背面飛行を難なくこなす汐見の機を見つめる空閑に、フォスターは問いかける。
    「クガは、その、シオに置いてかれているとか、そう言う事を感じているのか?」
     眉を寄せ言いにくそうに溢されたフォスターの言葉に空閑はパチリとその瞳を瞬かせ、空からフォスターへと視線を戻す。置いてかれている。という言葉に少しだけ思考を巡らせた空閑は「コンプレックスみたいな?」と首を傾げた。
     その言葉にさらに眉を寄せたフォスターの表情に、まぁそう思われても仕方ないだろうと笑った空閑は言葉を重ねる。
    「まぁ、無いわけではないんだけどさ。アマネが自分の才能と努力で今の成績を維持してて、俺がそれにちょっと及ばなかったってだけだし。比べるものでもないしね」
     肩を竦めて笑って見せれば、フォスターも安堵したように息を吐いた。この同期は人がいい。だからと言って、空閑自身が抱えている汐見への負い目――どこまでも一人で行ける筈だった彼の翼を奪い絡め落としたという執着を、口にしようとは思わない。
    「俺はさ、アマネと一緒にオーベルトで楽しく暮らせればそれで充分なんだよね」
     この道を選び汐見と出会ってからずっと、空閑はそれだけを望んでいる。その中にはパイロットとして働く事だとか、この揺籠から飛び出して行きたいだとか、汐見と出逢う前からの夢だって全部詰まっているのだ。汐見の成績には及ばなくても、空閑の成績も全体から数えれば悪い方ではない。
     このまま折れずに進んでいけば、望みが叶う場所まで空閑も汐見もたどり着いているのだ。そんな空閑の言葉に、フォスターは笑って頷いた。
    「お前らの成績なら、難しくなさそうだけどな。言う相手は選んどけよ」
    「フォスターだって成績上位者じゃん」
    「俺は元々軍志望だからな、オーベルトには観光で行ければ充分だ」
     もし結婚でもするなんて時には、式に呼べよ。重ねられたフォスターの言葉に空閑は大きく頷いた。
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    はるもん🌸

    MOURNINGまだ魏無羨は弟子たちを引きつれたまま帰ってこない。泊まり込みになると聞いてはいた。魏無羨が不在になってから二日目の午後、気づけば魏無羨の事ばかり考えている。なかなか家業に集中できずにいる自分に気づき、冷泉で少し頭を冷やそうと考えた。冷泉に体を落とし、心が落ち着いてもやはり頭に魏無羨がよぎる。あの笑顔を思いだすと、自然と胸がじんわりとあたたまる。愛しい。そう思った時、一つの旋律が藍忘機に流れた―――
    藍忘機の鼻歌「…~♪」
    魏無羨は耳を疑った。
    (まさか藍湛の…鼻歌?!)
    いてもたってもいられなくなった。彼は急いで服を脱ぎ、ザブンと冷泉に入る。

    * * *

    今回の夜狩りの監督は大変だった。新参者の姑蘇の弟子が複数いて、それぞれ腰を抜かしそうになったり手が震えるものがいたりしたのだ。
    「俺が14歳だったころはもっと男らしかったぞ」などとぼやきながら静室に戻ろうとしていたその時、
    曲がり角でばったりと藍思追と遭遇した。

    「魏先輩」
    「思追、どこにいくんだ?さっき帰ってきたばっかなんだからヘトヘトだろう。なんだその本の量」
    「夜狩りでの魏先輩を見ていたら、まだまだだなと思いまして」
    「それで、その量の本を今から読むのか?やめろやめろ。勉強なんて寝てからやれ」
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