献身の小鳥はその手の中に。 年甲斐もなく、とはこのことだ。
腕の中で眠るオロルンの顔を間近に見ながら思いふける。
年甲斐もなく悋気どころか、年甲斐もなく振り回され、年甲斐もなく距離を保てず、年甲斐もなく手を出し、年甲斐もなく愛を抱き込んでいる。
手放せるよう距離を置くべきだ。
理性が告げてくる判断は正しい。間違いなくその行動するのが一番正しいのだろう。
だが行動できていたのならば、今ここに居ることはなかった。
本と土の匂いが混ざった空間も、男二人が寝るには狭過ぎる寝床も、ファデュイなどという存在の隣で安心して眠るオロルンの寝顔も。決して知ることはなかった。
いや寝顔は出会った当初も見せていたか、と脳裏に思い浮かぶ。
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