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    kemuri

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    狼の幸せを祈る少女/フロリド

    指ひとつ動かせそうにないくらいの倦怠感。真っ暗なハーツラビュル寮の寮長室のベッドの上に二人は言葉少なに寝転がっていた。
    週末の夜、夕飯も課題も済ませてあとはゆっくりするだけになった頃にリドルの部屋へフロイドが訪れたのだった。
    そこから数時間、傍から見れば実に甘ったるく満ち足りすぎたひとときを過ごしたのだが正直リドルは悩んでいた。
    普段の大雑把な所作からは想像がつかない程に隅から隅まで優しく触れられてしまったし、怯えた仕草をしてしまった時はそれとなく加減されてしまった。とはいえ回数を重ねてしまったためにこうして今ろくに動けなくなっているのだけれども。
    要するに、自分ばかりこんなに満たされてしまってフロイドは満足できているのか?
    ということが不安で仕方なかったのだった。
    まだ少し息も荒いまま枕に顔を埋めている自分の頭を隣のフロイドはけろっとした様子で撫でている。それが心地よくてウトウトとし始めているが、それではいけないと頭をどうにか上げて口を開いた。
    「……キミは満足したかい」
    「そりゃそうでしょ、金魚ちゃんとえっちしたんだし」
    悩むとか迷うとかもないすぐの肯定。そういうところが彼らしいと言えばそうだが言葉そのままに受け取ることが出来ない。
    「そういうことじゃなくて……キミはボク相手に加減してるだろう?その……キミならもっと、性欲に素直になったほうが気持ちいいんじゃないかな、って思って……」
    言いながらだんだん恥ずかしくなってきて尻すぼみになってしまった。照れ隠しに再び枕に顔を埋める。
    「オレは金魚ちゃんが満足出来るようなえっち出来たら満足なの。胸ン中がふわ~って気持ちよくなるしさ」
    「でも……」
    「なあに~?足りない?ガツガツして欲しいわけ?」
    「ボクは十分すぎるほど幸せな気持ちにさせてもらってるよ、だから…」
    「じゃあいいじゃん、オレも一緒」
    頬を撫でられ視線をフロイドへ向ける。ヘラとしまりない表情の彼が顔を近づけてくるのでおとなしく目をつむってキスを受け入れる。ほんのり汗の匂いがするな、また有耶無耶にされてしまったな、と思いながら唇を重ねるだけのキスを味わった。
    次第に霞掛かる思考の中で、フロイドが心身ともにボクで満足できるようなエッチが出来るようにならなきゃなあ、と思うのだった。
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