Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    rikuo_kmt

    @rikuo_kmt

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 24

    rikuo_kmt

    ☆quiet follow

    没モブ炭。途中で終わる。

     夜、家族が寝静まった家屋でパチパチと算盤を弾く音がする。炭治郎は記帳を終えて家計簿を閉じると、あまり芳しくない表情でふうと溜息をついた。団扇を手に取り、ぬるい風に結い上げた髪をそよがせながら思案する。家の財政がよろしくない。今は夏で炭の売上も低い時期だし、それでいてここ最近出費が嵩んでいる。父の葬儀があったばかりなのが大きな要因だが、心労や根を詰めた働き方のせいか母も体調が良くなくて、出来たら薬を買ってあげたい。多くのお得意様には既に多目に炭を買ってもらっているし、これ以上頼み込むのは気が引けてしまう。ううん、と唸ってどうにか薬代を捻出できないか考えてみたところ、一つの心当たりが浮かんだ。その件は、あまり積極的に頼るのは恐ろしい予感もしているのだが、炭治郎は今は自分が家長の代わりを務めなければと気負っていた。何せ自分が長男なのだから、頑張らねばと。明日早速当たってみよう、と家族が眠る蚊帳の中に入っていった。

     朝、家でできる一通りの雑事を済ませ、炭籠を背負った。体調を崩した母は布団で寝ているので、禰󠄀豆子が見送りに出てくる。行ってくるよ、といつも通りに言葉を交わし、山道を降りていった。行き先はいつもの町だが、炭を売るのが目的ではなかった。一般的な木造家屋ではなく、西洋建築を真似た立派な家がこの街にはあった。見ての通り金持ちで、父親の財でその息子は働きもせず遊んでいる放蕩ぶりだった。暢気なものが多いこの町では上手く溶け込んでいるものの、炭治郎はその男のことが苦手だった。だが今は、その放蕩息子に会いにきたのだ。正面口ではなく裏手に周り、勝手口と思われる戸をコンコンと叩いた。割烹着をつけた女中さんが顔を出し「あら炭治郎ちゃん」と親しげに声を掛けた。
    「あの、若さんは居ますか?炭の事で、直接お話しさせていただく件があって」
    「坊ちゃんに御用事?まあ珍しい。今はねえ、あそこよ、趣味のお部屋で昼間からぐうたらしてるわよ。ここから見えるでしょう」
     指さされた先は、勝手口の外から少し離れた先にある茶室のような小屋だった。あそこだけ木造で、この敷地の中では少し浮いて見える。
    「わかりました。行ってみます」
    「一人で大丈夫?少し待ってくれたら一緒に伺いに行くけど」
    「いえ、お構いなく!」
     そうして炭治郎は離れにある、趣味の部屋とやらへやってきた。うっ、と鼻を詰まんで臭気に顔を顰める。酒臭い。小ぢんまりした小屋にこの匂いが充満しているかと思うと、あまり入りたくはなかった。だが背に腹はかえられぬ、と意思を確認して、声を張った。
    「御免ください、若さん、俺です、炭治郎です」
     ガチャン!と瓶が当たる音がして、次いでバタバタと足音。入り口に現れた男は炭治郎を見ると「おぉう、来たかぁ」と口元を弛めた。身なりの良い家庭だけあって、見た目は小ざっぱりと整えてあるし雑に着た着流しも良い生地で、見た目の印象だけならそう悪くはない。だが人となりは粗雑で、他者への敬意とかそう言ったものの足りない類いの男だった。「まあ入れ」とだけ言われて炭治郎は籠を下ろして後に続いた。趣味の部屋、と言われたのがよくわかる。収集品のような小物や掛け軸など、部屋の多くを占める棚の上にざっくばらんに飾られていた。それは美人画だったり陶器の人形だったり様々だった。小さな本棚の前に散らばった本の中に春画があるのを見て、炭治郎は顔を赤らめてサッと目を逸らした。
    「へへ、イイだろこの部屋。俺ぁよ、可愛いものが好きなんだ」
     そう言って男は棚に歩み寄り一つの人形を手に取って見せた。少女の形をしていて、雛人形のように可愛く着飾っている。
    「男がこんな趣味持ってちゃ男らしくねぇって後ろ指さされるからな。外で言うんじゃねぇぞ。なぁ炭治郎?」
     幾分凄みを利かせているのは脅しのつもりだろうか。炭治郎がこくんと頷くと、男はヘラヘラと相貌を崩した。
    「お前、やっぱりその顔可愛いな。なぁおい、俺の話ちゃんと覚えてここに来たんだよな?」

    ──遡る事、ひと月ほど前。父の葬儀があった。悲嘆に暮れる弟妹に、訪れる弔問客。あの頃炭治郎は母を支えて気丈に振る舞う事に精一杯で、自分が悲しむ余裕も持てなかった。山の中だというのに弔問客は多く、皆励ましの言葉を掛けてくれて、慕われていた父の人柄に心が支えられる想いだった。そんな中、家より少し離れたところからこちらをじっとみていたのがこの男だった。父親の方は既に香典も置いていってくれて義理を果たしてくれたのに、あそこで立ち尽くして一体どうしたと言うのか。男の視線の先を辿ると、そこには喪服に身を包んだ母がいた。顔ごと目で追っているようだから間違いない。そんな炭治郎の視線に男も気づいたのか、目が合った。男はゴホンと咳払いをし、炭治郎に向かって手招きした。素直に寄って行くと、少しバツの悪そうな顔をした男は、気まずそうに言葉を発した。
    「よお炭治郎。お前、言うなよ。俺が葵枝さん見てたって事」
    「言うなって、誰にですか?」
    「葵枝さん本人に決まってンだろ!」
    「はあ。何か母に用があったのではないんですか」
    「用?用はねぇけど、俺はよ、彼女のあの……優しそうで芯のある顔立ちが好みなんだ。童顔なのも良い。喪服着たら儚さも加わって本当に堪らん、ずっと見ていたい、拗らせ過ぎて話し掛けられねえんだ……いや言うなよ絶対」
    「は、はい」
    「炭十郎が亡くなって葵枝さん夜寂しいんじゃねぇかな。どうなんだよ炭治郎。いや彼女のことだからどうせ見せやしないんだろう?分かってンだ俺は。俺が慰めてやりてぇなぁ。そのままうちの嫁に来たら良いんだ。そうしたらお前俺の息子だぜ?ああいや、全部妄想だよそんな顔するなってんだよ」
     一人で捲し立てるように喋る男の言うことが、きちんと理解できたわけではない。けれど炭治郎は背筋が騒つく不快感を感じて顔を顰めた。
    「お前んとこ葬儀で色々と金使ったろう。葵枝さん困ってねぇか?俺に言ってくれりゃぁ幾らでも金貸すぜ。そしたら口実出来て近づけるってもんだし」
    「こっ…、困ってません!結構です。母に近付かないで頂きたい!」
    「いやいや嘘つくなよ。んん?……ああ、お前こうして近くで見ると、葵枝さんの面影あるな目がまんまるで……まだガキだからかな、そうだな、今のうちってのも、あるか。それにお前なら………」
     ゾクン!と先程より大きな悪寒が全身を襲う。男の目がじろりと炭治郎を捉えて、何かの色を帯びた。
    「なあ炭治郎よ、俺の為に働かねぇか。なに、ちょっとお前に、俺の世話して貰おうってだけだ。俺が満足した分だけ給金払ってやらぁ。ガキとはいえお前だってそこそこの歳の男なんだから、この意味わかんだろ?え?わかんねえ?」
     怯えた顔で、ふるふると首を横に振った。男の圧に気圧されて、体ごと一歩後ろに下がってしまった。まあ待て、と腕をぎゅっと握られて、ヒッと引き攣った声が漏れてしまった。
    「そりゃあ禰󠄀豆子とかの方がよっぽど似てるけど、女は手を出したらややこしい話になっちまうがお前は男だ。孕まねぇ上に今の歳なら顔も男臭くはねえ。お前さえ黙ってたら俺は満足出来て、お前は簡単に金を稼げる。責任感あるお前にしか出来ねぇ良い話だろ。今すぐじゃなくていいんだ。考える時間をやるよ。その気になったらウチに来い」

     思い出せばあの日の不快感がじわじわと蘇ってくる。具体的に何をするのかあの時はよく分からなく、恐怖心しか無くて断った。それからある時町へ降りた時に、同じ位の年頃の子供達に春画を見せられるという出来事があった。絵で描かれた魔羅の姿と、子供達がこれがああなってどうなって、と聞いてもいないのに教えてくれたお陰で、あの男の言っていた事が像となって結びついた。とんでもない事だ、絶対に頼りなどしないと思ったものだが、必要に迫られて結果的に炭治郎は男の元に来てしまった。禰󠄀豆子や母にあの視線が向けられるのは耐え難いが、自分が不快感さえ我慢すれば金も得られて薬が買える。男の自分が特に何かを失うわけではないし、我慢なら得意だ。頑張れる。そう思って決心したのだ。
    「……そうです、覚えてます。働いて、お給金をいただくつもりで来ました。よ、よろしくお願いします!」
    「よしよし!なぁーに、怯えるこたねぇさ。おぼこの炭治郎にゃ俺がちゃぁんと教えてやっからよ!」
     そう言って男は深々と頭を下げる炭治郎の、腕を掴んだ。ガタガタと雨戸を開き、炭治郎は引かれた腕のまま庭に出された。そして男はどかりと縁側に足を下ろす。
    「外の方がお日様もあって顔が良く見えらぁ。俺ぁ、お前の顔が好きなんだ。ほら、俺の股の間に膝突きな」
    「あの、この事、俺の家族には……」
    「言うわけねぇだろ、俺だって葵枝さんに嫌われたくねぇんだ。賢い長男の炭治郎君が黙ってれば、誰にもばれやしねぇよ」
     男の返答に炭治郎はホッとした。世間から見れば大人に言いくるめられた子供でしか無いのだが、炭治郎はここへ自らの選択で来たと思っているし、後ろめたさ感じる行為を誰にも知られたくはなかった。そうして、大きく足を広げて座る男の前に、炭治郎は膝立ちになる。細かい石粒の感触が布越しに膝に当たって少し痛かった。
    「そうそう、んで魔羅を出して手で持つんだ。手淫は分かるか」
    「な、なんとなく」
    「お前自分で気を遣ったこともねぇな?勝手もわかんねえだろ。しょうがねえ、ちくっと教えてやらぁ」
     男はそう言って炭治郎の服を引っ張り、股座へ腕を突っ込んだ。無遠慮に急所を掴まれて、炭治郎は身を竦ませる。
    「やっ…、やめ…!そんな所触らないで…!」
    「ヘタクソにやられたって気持ちよかねぇんだよ。いいか、こうやって梳くんだ。真似てみろ」
     そう言って男は手を動かした。下から上に擦られたが、不思議なざわつきを感じはするものの気持ち良さなど分からなかった。それよりも、好ましくは思っていない男の手で大事な部分を握られているという不快さが酷かった。
    「やだっ、や、……こ、こんな事、するって言ってない!」
    「何言ってんだ。何が気持ち良いか分かんなきゃ出来ねぇだろうが。そうだな、俺が好きなのはこの辺だ、そぅら」
    「あっ、ぐぅっ」
     指二本で挟み込まれ、まだ皮の被った亀頭のすぐ下を刺激された。ビクッと腰が跳ね、身体が傾いて前屈みになる。男の股間に顔が近づき、臭気が強くなった。股間の痛みと鼻への刺激で涙が滲む。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍😍😍😍🍌💴😍😍😍😍🍌🍌🍌💴💴💴😭🙏😭🙏😭🙏😭🙏😭🙏🙏😭👏😭👏😭🙏😭🙏💞💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator