Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    konatu_0722

    @konatu_0722

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 37

    konatu_0722

    ☆quiet follow

    夜明けと海のその後。
    煙草とキスの話。オチは知らぬ。

    #刑桐
    paulowniaWood

    「待たせたな」
    店を閉めて、外で待ってた刑部に声をかける。昼間は汗をかく陽気でも、零時を過ぎればさすがに空気が冷たい。
    今日は週に一度、刑部が来る日だからバイクでは来ず、このままどちらかの部屋に行く予定だ。
    「いや…」
    言葉を濁した刑部が、直前まで見ていたスマートフォンの画面を切った。画面の光に照らされていた煙草の煙が、途端に姿を消した。
    「んだよ、よくない知らせか」
    「晃は知らなくていいことだよ」
    咥えていた煙草の灰を落としながら、刑部が笑顔で蓋をする。それに少しばかりカチンときて、つい棘のある言葉がでる。
    「そーかよ。急ぎの用なら別に、今日来なくても良かったんだぞ」
    心とは正反対の声が出るか止まらない。刑部はそんな桐ケ谷を見つめると、煙草を吸って煙を顔面に吹きかけてきた。
    「うわ、げほっ。…なにすんだよ」
    手を振って煙を散らして睨み上げると、楽しそうな顔をして携帯灰皿に煙草を押し付けている。
    「んだよ?」
    「いや、晃はかわいいね」
    「…意味わかんねぇ」
    はぐらかされた気がするが、深追いしてもこんな時の刑部は答えないので放っておくに限る。
    「で、問題はねぇんだな」
    「あぁ」
    「なら行くぞ」
    そっぽを向き、先を行くように早足で進む。それを見守るように刑部がゆっくり着いてくるものだからそれも腹が立って、歩みを止める。
    「晃?」
    追いついてきた刑部が覗きこんでくるもんだから、いつも着ている上等なスーツが皺になるのも構わず引っ掴んで、顔を下げさせて唇を合わす。
    「ばぁか」
    一瞬のことで目を丸くして呆けている顔に溜飲が下がり、気分は良くなる。
    さっきまで刺々していた心が丸くなるのを感じながら、行こうぜと促すが刑部は動かない。
    「どした?」
    「まったく、お前は」
    離れたと思った顔がまた近づいてくるものだから、受け止めようと目を細めたら後頭部を掴まれ、動けないようにされた。
    「おさ…んぅ!」
    先程とは比べほどにならない圧で唇を合わせて、口内を蹂躙される。息苦しさもあるが、何より気になることが大きすぎて刑部の肩を叩いて口を離させる。
    「にっが!苦ぇんだよ!」
    さっきまで刑部が吸っていた煙草の味が移り、苦味で舌が痺れている。桐ケ谷が吸う煙草より、数段重い。
    「晃がかわいくて、ついね」
    「うるせーよ」
    飄々と嘯くので蹴りを入れ、釘を刺しておく。
    「歯ぁ磨かないとヤんねーかんな」
    「やれやれ、わかったよ」


    煙草の煙を顔に拭きかける意味は「今夜貴方を抱く」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺💖😍🙏👏💯☺☺💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    konatu_0722

    MOURNING日常推理モノが書きたいと頑張ったけど、面白くないのでここで供養
    「呪いって信じるか?」
     深夜午前二時。明かりを消して怪談話をするにはもってこいの時間だが、同じベッドに眠る刑部は興味の欠片もないようで欠伸をしている。桐ケ谷だって別段、怖い話をしようと考えたわけではない。ただ単に、ふと思い出しただけだ。
    「お前の口からそんな単語が出てくるなんてね。どうした、夜中のトイレに行くのが怖くなったか」
    「そんなんじゃねぇよ。ただこないだ大学の先輩に変なこと言われてさ」
     興味を持ったのか、枕に預けていた頭を腕に乗せてこちらを見てきた。
    「詳しく話してみろ」

     まだサブスクにも上がっていない話題の映画があった。興行収入何百億だかで、大学でも見に行ったと話題で持ちきりだった。あいにく桐ケ谷は見てなかったが、同じ学部の先輩が興味あるならDVDを貸してくれると言う。その先輩は二年に上がってから同じキャンパスで通う内に仲良くなり、来年は大学院に進むらしい。スタオケの練習と授業の兼ね合いが難しく、提出物に困っていると声をかけてくれたり、過去テストの情報をくれたりと工業部では珍しい部類の穏やかで気配りができる人で世話になっている。そんな先輩から、興味があるならと借りることができた。家に帰り早速観ようとパッケージを開けると、中は何の印字もされていないDVDが一枚。普通はタイトルが印刷されているのにおかしいなと思いつつデッキに入れようとしたところで、その先輩から電話がかかってきた。
    2883

    related works

    konatu_0722

    MOURNING日常推理モノが書きたいと頑張ったけど、面白くないのでここで供養
    「呪いって信じるか?」
     深夜午前二時。明かりを消して怪談話をするにはもってこいの時間だが、同じベッドに眠る刑部は興味の欠片もないようで欠伸をしている。桐ケ谷だって別段、怖い話をしようと考えたわけではない。ただ単に、ふと思い出しただけだ。
    「お前の口からそんな単語が出てくるなんてね。どうした、夜中のトイレに行くのが怖くなったか」
    「そんなんじゃねぇよ。ただこないだ大学の先輩に変なこと言われてさ」
     興味を持ったのか、枕に預けていた頭を腕に乗せてこちらを見てきた。
    「詳しく話してみろ」

     まだサブスクにも上がっていない話題の映画があった。興行収入何百億だかで、大学でも見に行ったと話題で持ちきりだった。あいにく桐ケ谷は見てなかったが、同じ学部の先輩が興味あるならDVDを貸してくれると言う。その先輩は二年に上がってから同じキャンパスで通う内に仲良くなり、来年は大学院に進むらしい。スタオケの練習と授業の兼ね合いが難しく、提出物に困っていると声をかけてくれたり、過去テストの情報をくれたりと工業部では珍しい部類の穏やかで気配りができる人で世話になっている。そんな先輩から、興味があるならと借りることができた。家に帰り早速観ようとパッケージを開けると、中は何の印字もされていないDVDが一枚。普通はタイトルが印刷されているのにおかしいなと思いつつデッキに入れようとしたところで、その先輩から電話がかかってきた。
    2883

    recommended works

    ashn__k

    DONE刑桐が死体を埋めに行く話

    二次創作始めてなので何もかも許されたいです

    支部に加筆修正したものをあげました🙋
    「ヒマか?」

    数年ぶりの電話にも関わらず、淡々と待ち合わせ場所を決めるアイツの声を聞いてようやく手の震えが止まった。


    人間をはねた

    いや、正確に言うと人間の方から当たってきたの方が正しい。

    ここ数ヶ月、誰かにつけられている気がしていた。昔買った恨みか、最近の仕事絡みか。心当たりは幾つかあったが、こちらから動く程でも無い。相手の出方を待てばいい。どっしりと構えていたつもりが、まさかこんなことになるとは。

    仲間が出てきて警察を呼ばれるんじゃないかと思ったがその様子も無い、俺は仕方なく肉の塊と化したそれを引きずってトランクへと押し込んだ。




    「で、ムショに世話になる前に俺に一言挨拶ってことか」

    最後に会ったときと比べて幾分か目つきが鋭くなっているものの、やっぱりアイツは変わっていなかった。メガネを指で押し上げる仕草も懐かしい。

    「ちげぇよ、処理したいんだよ」

    「死体をか?」

    流石生まれも育ちも悪いやつ、話が早い。

    「あるだろ山、こういうときの為に」

    俺の幼なじみ、兼元恋人の刑部斉士はヤクザの血筋だ。今は鬼龍会の息がかかった会社で社長をしているがゆくゆくは継ぐだろ 2597