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    ooxlll1

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    ooxlll1

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    夏釘おめがば〜す
    オメガだけじゃなくてアルファもフェロモン出せる設定。(ただし優秀なアルファに限る)
    ざっくりと適当に書いたので感覚で読んで

    この世界に第二の性別がある事が判明した。
    男と女、それ以外にアルファ、ベータ、オメガと呼ばれる性が存在している。

    夏油傑はその中でも段違いに優秀なアルファであった。

    周りからは釘崎野薔薇はオメガで夏油傑の番であると認識されていた。
    それもそのはず。夏油は隙あらば野薔薇の元へ駆け寄りこれみよがしにくっつくのだ。まるでマーキングするかのように。
    周りから見ればああ、あの子が番なのかと認識されてしまうのも致し方のない事である。
    だが実際はそんなのは周りの妄想であり、事実とは異なる。

    「私ベータなのよねぇ…」

    カップに注がれたミルクティーをストローでかき混ぜながら盛大な溜息を零せば隣に同級生の座る虎杖、目の前に座っている伏黒からは哀れみの眼を向けられた。
    釘崎野薔薇は正真正銘、ベータである。
    故にアルファと番になる事など万に一つの可能性も無い訳で。

    「夏油先輩の執着、すげぇよな」

    「他人事だと思って、アンタらなんとかしなさいよ」

    「無理だって、死ぬ」

    「ねぇ伏黒、何かいい案無い訳?」

    「ねぇな」

    「チッ…使えないわね」

    寮の共同スペースで三人団欒を楽しんでいる中、三人の話題は夏油についてだった。
    盛大な舌打ちを一つ零し、ミルクティーをこくりと飲み込む野薔薇に、虎杖と伏黒は溜息を零した。
    そんな時、背後からひしひしと伝わる冷たい視線が突き刺さりふるりと身体が震えた。
    虎杖と伏黒が恐る恐る振り返ると背後にはいつの間にか今しがた会話に出ていた夏油が立っているでは無いか。

    「楽しそうな話をしているね」

    にっこり笑みを深めながら告げられた言葉は優しい言葉の筈なのに刃物のように鋭く胸に突き刺さる感覚を覚え、虎杖と伏黒はひゅ、と息を飲んだ。
    一方、野薔薇はというと逃げ出す算段を脳内で構築していくが夏油が野薔薇を逃がす筈も無く、ゆっくりと野薔薇へ近付けばそのまま背後へと周りゆるりと抱き締めた。

    「悠仁、恵。少しの間野薔薇を借りてもいいかい?」

    その言葉が鼓膜を震わせた途端、野薔薇は何とかしろ、と目配せする。
    然し虎杖と伏黒にそんな力存在する訳もなく、こくりと首を縦に振るしか選択肢は与えられていなかった。



    「…で、何時まで引っ付いてる訳?」

    虎杖と伏黒から離れ、野薔薇は今夏油の部屋に居た。正しくは半ば強引に連れてこられた、だが。
    そのまま引きずられるようにベットの上へと案内され、野薔薇は今ベットの上で、夏油の腕の中にすっぽりと収まっている状態だ。

    「任務先でオメガの子がやたらと引っ付いてくるもんだから鼻に匂いが残ってしまってね。君の香りで上書きしたいんだ」

    すん、と匂いを嗅ぐ夏油の仕草に思わず鳥肌が立つ。今すぐ緊急の任務が舞い込んで来て欲しいと心の底から願ったが、その願いは叶うことは無い。

    「私ベータだし、匂いなんて無いでしょ。つか、ほんとさっさと番作ったら?」

    「私の番は野薔薇がいいんだけれど…そうだ。ちょっと試してみようか」

    「…?」

    夏油が何か企んでいる。だが何を企んでいるのか野薔薇には知る由もなくこてりと小首を傾げたその瞬間、不意に目の前がぐらりと揺らいだ。
    本能を揺さぶるように甘く、蕩けるような香りにぶわりと肌が粟立つ。
    一体何が起きているのか。理解が追いつかないまま、野薔薇は睨みつけるように目の前に居る夏油を見遣った。

    「アンタ、今何した訳?」

    「やってみるもんだね」

    野薔薇の問いに答えは出さず、してやったり、という顔を浮かべる夏油に舌を一つ打つ。
    だが、それすら可愛い抵抗の一つに終わり、野薔薇は夏油の眼差しに射止められ思わず肩が疎んでしまった。

    「今野薔薇が感じているのが私のフェロモン。確り覚えて」

    ベータである野薔薇はアルファのフェロモンを感じる事も、誘発される事も無い。
    だというのにも関わらず心が、身体がどうしようもなく夏油傑という男を求めてしまっている。
    何か言葉を発しようと口を開くも言葉は出ずはく、はく、と空気だけが零れ落ちていく。

    「抵抗出来るのならしてみるといい。まぁ逃がすつもりは更々ないのだけれど」

    顔全体を覆い隠す様に長い黒髪が垂れ下がる。それが檻となり、野薔薇の双眸には夏油しか映らない。
    世界から遮断されてしまったかのような閉鎖感。
    どくりどくりと血の巡る音。脳内で絶えず鳴り響く警鐘。
    降り注いだ口付けがあんまりにも優しいものだった。
    だから野薔薇はいよいよ全てを諦めそのまま身を委ねる事にした。


    まさかベータだった自分がオメガになるなんてそんな事、誰が想像出来ただろうか。
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