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    虎伏釘+五
    芸能パロ

    何も無い平凡な一日。
    共に衣食住を過ごす幼馴染二人を見送って、それから洗濯、部屋の掃除、買い出し、エトセトラ。今日はバイトも無いため、幾分かのんびりしながら、何時もと何も変わらない一日が始まった。

    朝のニュース番組をBGM代わりにしながら、野薔薇は先程まで朝食が乗っていた食卓の上に並んだ人数分の食器を片付けていく。
    三人暮らしという賑やかな時間は存外直ぐに去ってしまうもので、夜になればまた賑やかな時間は戻ってくるのだが、その間の寂しさに慣れたとはいうものの、矢張りほんの少し物足りなさは感じる訳で。そんな気持ちに蓋をするように野薔薇は食器の片付けを再開した。

    共に衣食住を過ごす幼馴染二人…悠仁と恵は人気上昇中の芸能人である。故に今日も朝早くから仕事へと向かって行った。
    出演するドラマの撮影や、その後に控える他の撮影等、彼等には仕事がみっちり詰まっている。

    壁に掛けられた時計の秒針がかちり、かちりと時を進めていくのを尻目に二人の姿を脳裏に想起させれば自然と笑みが零れ落ちる。

    (そろそろ現場に着いた頃かしら)

    ちらりと壁に掛けられている時計は朝の九時を示していた。今頃何をしているのか、まだ撮影が始まる前だろうか、等々想像しながら、食器を元々あった場所へと戻し、その足でリビングに置いてある三人掛けのソファーのど真ん中へと腰掛けた。

    新聞のテレビ欄にざっと目を通し、そう言えばお昼から前言っていた虎杖と伏黒が出ているドラマが放送される事を思い出し、念の為に録画予約を、とリモコンを操作しようとしたその時だった。

    突如鳴り響くスマホにびくり、と身体を震わせながら、手に取れば画面には『悠仁』の名前。時刻は朝の九時を少しすぎた時間。
    仕事中の筈なのに、と首を傾げながら野薔薇は通話ボタンを押した。

    「悠仁?どうしたの。収録は——「野薔薇っ!御免!今日午後から撮影するドラマの台本忘れちゃってさ、○○ってスタジオまで届けて欲しいんだけどっ…あ、わり、収録はじまっちゃ——」」

    ぶつん。突然掛かってきたかと思えば突然切られ、若干の苛立ちを覚える。
    野薔薇は一旦ふつふつと沸いた苛立ちを沈ませ、言いたい事を言うだけ言った虎杖の言葉を脳内で噛み締める。そして今しがた腰を下ろしたソファーから立ち上がりゆっくりと虎杖の部屋へと入れば机の上に先程言っていた台本が存在感を示しながら放置されていた。

    「……これ、であってるわよね。つか、これ以外見当たらないし、これしかないか。違っても恨まないでよね」

    誰に届く訳でもない独り言をぽそりと零しながら台本を手に取りカバンの中へ素早く仕舞い、その後スマホで手早く地図アプリを開けば先程言われた場所を入力する。今から行けば何時に間に合うか等を調べ、たぷたぷとスマホを弄りメッセージアプリに『着いたらもっかい連絡する』と淡白な言葉を添えた後、着替えと化粧を済ませて家を出た。

    何時もと変わらない日常が今日だけはほんの少し違っている事に何処か面白さを覚えながら、野薔薇は虎杖の待つスタジオへと足を運ぶべく駅へと向かうのだった。




    「………でっか」

    野薔薇は虎杖が言っていたスタジオにつくなり、開口一番出た言葉はこれだった。共に暮らす二人が芸能人とは言え、野薔薇はただの一般人。
    初めて間近で見るテレビ局に圧倒されながら、野薔薇は一旦鞄の中からスマホを取りだした。

    『着いたわよ、どうしたらいい?』

    直ぐに既読がつくとは思えない。既読がついて、返事が来るのならばそれでいいのだが、世の中そう上手く事が動くことも無いだろう。
    それに、流石にもう収録は始まっている筈。さて、此処からどうしたものかと野薔薇は頭を悩ませた。

    ただの一般人である故に玄関から入ろうとしたところで止められるのがオチだろう。
    悠仁の忘れ物を届けに来た、と言ったところで信じてもらえるかどうか分からない。

    一応、顔が見られないよう、身バレ防止の意味を込めて帽子とサングラスを着用しているが、傍から見たら不審者そのものである。
    ずっと外でうろうろしていてはそれこそ不審者として通報されかねない。警察のお世話になるのは御免だ。野薔薇は意を決して看守の元へと足を運ばせた。

    「あの、すいません。ええと…」

    野薔薇は鞄の中から悠仁に渡す台本を取り出し、看守に差し出そうとしたその時だった。


    「あ、その台本…もしかして、今日のドラマの相手役、君?だったらもうすぐ撮影始まるし早く行かないと」

    「——…は?」

    聞いたことのあるような、無いような声が野薔薇の鼓膜を震わせた。
    ちらりと横を向けばそこに立っていたのは綺麗な白髪と、サングラス。隙間から覗き見える綺麗な蒼色の双眸に思わず射止められ思考が一瞬固まった。
    誰だっけ、この人。見た事あるような気がする。そんな考えを払拭させるかの如く、目の前の男性は野薔薇をまじまじと眺めてはにんまりと人の良い笑みを浮かべた。

    「嗚呼、もしかして迷子になってた?それなら僕と一緒に行こうか。ほらこっち」

    有無を言わさず腕を引かれ、あれよあれよという間にテレビ局の自動ドアを潜り抜ける。
    待って待って待って、言いたい事は山ほどあるのだが、何も言わせないという雰囲気が伝わり思わず口を噤んだ。

    (これめちゃくちゃ不味い状況なんじゃ。てか、台本悠仁の何だけどっ…)








    悠仁(20)
    人気急上昇中の俳優。アクション系が得意な為身体を動かすスポーツバラエティに良く出てる。
    ドラマは主に刑事ものに出てる。身体を張る演技がピカイチ。人懐こく、元気いっぱい。

    恵(20)
    悠仁と同じ時期に一緒にデビューした。主に一緒のドラマに出演してるし同じ番組にでてる。悠仁とは仲良し、二人でワンセット的な感じになってる。クールな反面時折見せる狂気じみた笑顔に心臓射抜かれた女子は多い。

    野薔薇(20)
    悠仁と恵を影から支えてる。芸能界は面倒だから興味なし、でも頑張ってる二人が好き。二人がいない時はバイトしてる。(カフェの店員)
    「帰ってきた時、おかえりって言われたら嬉しいでしょ?だから私があんた達におかえりって言ってあげる」っていつも二人の帰りを待ってる。

    五条(28)
    超有名俳優。名前を知らない人は居ないし、しょっちゅうCMなりなんなり出てる。撮影はじまるまで顔合わせをしないスタイルなので周りの人は結構振り回される。いい大人のくせに礼儀は何処に捨ててきたのやら。これに関してはコンビ組んでた夏油にめちゃくちゃ言われたけど直すつもりは無いらしい。(尻拭いは夏油の役目)(酷い話だ)
    どこからどう見てもイケメン。元は夏油とお笑い芸人(祓本)をやっていて、いまでもたまにお笑いをやるらしい。一度夏油とバラエティ番組に出た時本気の喧嘩が始まったのは今でも語り継がれる伝説。



    以下設定

    悠仁と恵、野薔薇は養護施設で暮らしている。
    養護施設に預けられた理由はそれぞれ育児放棄に虐待。
    ある時悠仁と恵がスカウトされ、芸能界に足を踏み入れて社宅的な所を借りて生活が始まる。虎杖と伏黒スカウトされたのは十三。野薔薇ちゃんはスカウトされたの知らず、恵くんから迎えに来るから待ってて欲しいと言われ一旦二人とお別れ。
    その間、野薔薇ちゃんは一人孤児院で生活してる。
    丁度孤児院を出なければならない十八になった時に約束通り、幾分か大人になって格好よくなった悠仁と恵が野薔薇ちゃんを迎えに来る。

    二人の稼ぎだけで十分暮らせる程だが野薔薇ちゃんも働くからね、って事でバイトはしてる。けど二人を出迎えるのが一番のお仕事なので帰る頃にはちゃんと家に居ておかえりのハグをする。
    家族という関係以上は(今のところ)三人求めていない。
    このままずっと家族で居られたらいいなって思ってるところに五条が乱入してきます。

    台本を届けに行っただけなのに勘違いのままドラマの撮影始まるし、(尚悠仁と恵もそのドラマには出るが撮影の出番がくるまで見学してる)弁明しても撮っちゃったものはしょうがないよねって事でそのまま放送される。

    後々悠仁と恵に五条が絡みに絡んで野薔薇ちゃんの事根掘り葉掘り聞き出されるしなんなら家まで着いてきちゃう。先輩命令だぞ♡って感じで。

    ちなみに悠仁くんは台本丸暗記してるけど届けて欲しいって言った理由は台本の中に野薔薇ちゃんの写真入ってるからです。大事な撮影の時には常に持ち歩いている御守り(野薔薇本人は写真持ち歩いてるなんて知らない)。恵くんも持ち歩いてます🤤
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