トラウマノ克服はまだ早い。「人間、苦手なものがあってもいいじゃない。なんなわけ。何が『いけめんを耐性をつける会』よ!あの白い悪魔!むりやり拉致るなり、なんでもっとも遠慮してる長船の飲み会に連れて行くのよ!
まだ一文字の方がいいわよ!!」
場所は自身の本丸の書斎。
ズボラな彼女にしては珍しく、長く使うからと金額よりも質で選んだ座椅子で体育座り、膝に顔を埋めて、本丸の主でもある女審神者は愚痴る。体に巻きつける毛布を握るがかたかたと震えている。
彼女曰く白い悪魔こと鶴丸国永は「主!思いついたんだが、そろそろ『その顔がいい、いけめん?苦手』を克服したらどうだい?ちょっといい事思いついてな!!」と元気ハツラツに少年の様な明るい笑顔でおのが主にとんでもないこといった。
言われた主は、学業と審神者業の休憩中で五虎退の虎とのモフりタイム中を満喫していた。
「は?」
鶴丸国永な言葉に、目を大きく開き首を傾げる。意味がわからない。っと顔にはっきりと出てる中だが「なんだ、休憩中か!これはちょうどいい!ないすたいみぐってヤツか!」っと明るい笑顔まま、主をヒョイと小脇に抱えて「じゃ、いくとするか!」と。
呆然としていた五虎退だったが、主の怯える顔に気が付き「つ、鶴丸さん、ご、強引はだめですよ!!」と止める。
この女審神者はとにかく顔がいい男が苦手。審神者になる前に顔がいい男に酷いトラウマがある。もちろん、鶴丸国永もその顔がいい部類に入るので、主は顔を青くさせて「ごごちゃん、ヘルプ!」と小さい声を上げる。
「何事も経験だ。ちょうど、今晩は長船で飲み会するいうんだ。主もお酒を飲める年になったんだから、この気に……」
とかなんとか、都合のいい言葉を言って白い悪魔は美形揃いの長船の飲み会に主を運ぶも、部屋につくやいなや、彼女は本丸に響き渡るほどの悲鳴を高らかに上げた。
普段らしからぬ主の声に本丸にいる刀剣男士達は何か何かと、件の部屋に集まる。
無理無理つぶやき首を振り、腰を抜かして拒絶反応の主。その姿に鶴丸国永を叱る燭台切光忠を始め、困惑と呆れを抱える長船派。
初期刀で頻繁に近侍を務める加州清光が主に駆けつける。それに同じく近侍を交代で多く務める亀甲貞宗も続く。
「主、平気?」
「ムリ!!!!!」
加州清光の心配の声に、大声で主は返した。
「失礼するよ、御主人様」
「きっこう?」
ふわりと主の体を抱きかかえ「もし、不快なようなら思う存分、蹴るなり殴るなりして欲しい。御主人様を書斎まで運ぶまで触れるのを許しほしい」と穏やかに呟きながら、急ぎ大股で亀甲貞宗は書斎に足を運ぶ。
遠くで、加州清光、大和守安定、堀川国広、小夜左文字、静形薙刀の普段聞くことのない低い声が遠く耳に聞こえた。
そして、書斎にてぐずる今の時間に戻る。書斎には主と亀甲貞宗のみ。書斎には入ることを許されている限られた刀たちはいない。
「御主人様、もし貴方の気持ちが落ち着くなら、いつもの様に僕をいじって貰いたい。」
時折、機嫌が悪いと彼女は亀甲貞宗に八つ当たりとほほつついたり、片手で両頬を掴み頬をムニムニと揉む。最大限に悪いとばちんと大きな音をたてて背中を叩く。ただし、叩くのは二人しかいないところでだ。
「…………やらない」
「そう。それは残念。」
そうして、書斎に置かれた時計の秒針の音が長く響く。
「僕はここにいるから、必要なら声をかけて欲しい。僕は大歓迎だから。」
主はふふっと「ほんと、へんな刀」と笑う。
「他にもっと言ってくれてもいいんだよ?」
「嬉しそうに言わないでよ。」
「嬉しいさ。御主人様は僕を満足させるのが得意だからね。」
「そんなんじゃない。ただ、怒り方がわからないだけ。怒りの気持ちの出し方がわからないだけ。」
「確かに怒鳴り散らす怒りの方はスマートじゃないね。」
「………うん。」
「僕はそれはそれでありだけどね!」
「歌仙さんに雅じゃないって言われちゃうよ」
「僕は彼の雅が時々わからないなぁ」
主と亀甲貞宗は一緒にふふっと笑う。
「ねぇ、こっちに背中をむけて」
「もちろんだとも」
そばで正座して待機してた亀甲は主に背中を向ける。その音をきき、自分をくるむ毛布の隙間から近侍の背中を確認する。
「………だめだね、怖かった。」
主はそのまま亀甲貞宗の背中に寄りかかる。
「うん。」
「まだ慣れないや。みんなに申し訳ないなぁ」
「僕自身に無理難題を言ってもいいが、御主人様には無理はしてほしくない。」
「………うん。」
「今までの辛いことを僕にぶつけてもいい。むしろぶつけて欲しいかな。無駄な我慢はしないで欲しいな。」
「少し、少しずつつね。すぐに全部はできないよ。」
「焦らされるのは嫌いじゃないよ。」
「大歓迎?」
「もちろん。あぁ、楽しみだよ、人にも僕らに最大限に対応する優しさを持ってるのに、自分には不器用な御主人様のお仕置きが!」
「興奮しないでくれますか?」
「んんん!ここで興奮しないで、どこで興奮するんだい?!」
「はいはい。でもお仕置きじゃないと思うんですけどー?」
「僕にはご褒美だね!!!」
「そうね。じゃぁ、もう少し、こうしててもいい?」
ーー「もちろんだとも。」
その言葉に甘え目を閉じて、先程より体の重心を預ける
「ありがとう。」
「御主人様の気が済むまで付き合うよ。」
その後、約一ヶ月ぐらい鶴丸国永は遠征部隊入りとなっとか。
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たまには、ちゃんとした刀さにをw
あと、鶴さん、当て馬にしてごめんなw
世の中のカップリングを書ける人が凄いなぁと思います。私はこれ以上の触れ合いは恥ずかしくて書けませんw
これですら恥ずかしいですからねw
過激dvでも甘々でもいいから亀さに書いてー!っとおねだりを受けたので一気にノリで頑張りました(`・ω・´)ゞ
期待に添えてるといいなぁー(*´∀`*)