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    MEMO雇の朝 ver.2
    ※ただのメモ


    朝起きてまずすること。起き上がろうとしてかけ布団が全て持っていかれていることに気づく。隣で寝ている犯人を見てため息、額と瞼を撫で、夜間カメラのセキュリティチェック。サイドテーブルに置いてあるゴーグルを見て、その他周りが寝る前と変わっていないか確認する。奪われたかけ布団をはぎ取ってまた目を閉じる。取られていた間にかけ布団が吸った温もりを感じる。温度に沈むように眠る。
    しばらく眠ってからゆり起こされる。ブラインドが開けられる音を聞き、同時に差し込む高く昇った陽の光に呻く。かけ布団に逃げこもうとするが、強引に奪われる。
    彼人の小言を半分聞き流し、コーヒーの香りを吸いつつ洗面台に向かう。顔を洗い歯を磨いている最中も止まらない小言にため息、キッチンでマグカップを受け取りブラインドの隙間から外を見ながら中のコーヒーを啜る。昨日の爆発の後処理で警察が集まっているのと、黒く焼けた向かいのアパートメントのレンガ壁を眺める。テーブルを振り向き朝食を食べ始めている彼人を見て、自分も席に着く。ちぎったパンの端を目玉焼きの黄身に浸して一口。サラダにスライスされたトマトがのっているのを見て一瞬顔をしかめたのを目ざとく見つけられ、残さないよう念を押される。一息に口におさめコーヒーで流し込み、ため息。先に朝食を終えた彼人がメモとペンを持ってきて、今日の買い物リストをかりかり作る。昨日の仕事の報酬振込を告げる通知が来たのを画面を起動して確認する。ついでに諸々の入金処理も終わらせてから、食べ終わった二人分の食器を食洗機につっこむ。出かける準備のため自身のスペースに戻る彼人の背中を見、自分も着替えるために自室に戻る。一瞬これまでの癖で煙草の箱を探そうとするも、この家にはもう一箱も残っていないことを思い出す。いつもの黒い姿になり彼人と一緒に外に出て、背後のロックシステムが自動で鍵をかける音を聞く。彼人の手元のメモにトマトがリストされているのを見て、ため息。ため息を聞かれ、また彼人の小言が始まった。
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