『1d100で出た秒数キスしないと出られない部屋』
ネロは西の国での任務の最中、気づけば見知らぬ白い部屋にいた。状況を確認しようと見渡すと、同じ部屋には同じ状況のファウストが。
部屋に家具の類いは一切無く、扉も無い。魔道具を構えようとしても、手元に出すことはできなくてネロは眉を顰めた。
この部屋には精霊が全くいない。魔法で壁を壊すことは難しいだろう。
「ネロ。」
ファウストの低い声が狭い部屋に反響する。
彼も周囲を警戒しながら魔法をどうにかして使えないか探っていた。
「無事か?先生。」
「あぁ。……だが、悠長にしている場合では無さそうだな。置いてきたヒースとシノも心配だ。」
二人の会話が続いた瞬間、部屋の壁にふよふよと小さな光の粒が集まってきて何らかの文字が浮き上がる。ネロとファウストは警戒するように数歩後ろに下がって距離を取った。そこには──
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