「わ、わぁ……すごい。ゴムの種類たくさんある。うわ、バニラの香りだって。……下半身じゃ匂い嗅げないのに何の意味があるの?」
「貴方たまに突然品の無い言い回ししますよね。こういうのは相手に付ける時に雰囲気を少しでも良くするようにとか……」
「ふぅーん。僕、ジャックのペニスからバニラの匂いなんてしたら笑い転げちゃうけどな」
耳を真っ赤にしておきながら、まるでティーンがするような軽口を叩いて誤魔化そうとしている姿があまりにおかしくて、ついつい笑いが込み上げる。
せっかくあからさまなアダルトトイの自販機は見ぬふりをしたのに、無害そうな箱を開けたらいかにもなグッズが出てしまって慌てているのだ。
いくらアトラクションめいていても、そういう事をする場所でそういうものが準備されている。そして私たちはそういう事をする仲で。
意識するなという方が無理がある。
妙に照れ屋な彼が誤魔化そうとするのも致し方ない……が。
「気に入ったものはありましたか」
今から使うのだと、そういうコトをするのだとわざと余計に意識させてやろう。
私たちは親子でも兄弟でもない、恋人同士なのだから。むしろ意識してもらわないと困る。
「えと、普通のでいいんじゃない?さっきも言ったけど僕、ジャックの、」
「バニラの香りですか?確かに笑ってしまうかもしれませんね。あぁ、でも貴方の体液が泡立って白くクリームのようになるまでナカを掻き回したらぴったりになる」
「……っ」
するり、ノートンの尻の割れ目をなぞる。
「そちらは?へぇ、つぶつぶ?ゴムの表面に突起があるんですね。ただでさえ前立腺が弱いのに、こんなので擦られたらどうなっちゃうんでしょうね」
「ひぅ……っ」
ボトム越しにとんとん、と後孔の辺りを指先でノック。
「これは……ローションが多めなのか。凄いですね、パッケージ越しでもたぷたぷしてる。これだけ滑りが潤沢ならすぐに貴方の奥まで入り込めそうだ」
手を下腹部に移動させて、いつも私のモノが収まっている辺りをほんの少し押す。
そうすればほら、もうダークブラウンの瞳は今すぐ取り出し舐めしゃぶりたい程に欲が蕩けている。