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    5jinkaku_ik

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    5jinkaku_ik

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    10分でリ探
    お題「喧嘩」
    犬も食わないような2人
    ちゅー描写あり

    お題「喧嘩」


    「トールサイズのアイスコーヒーをひとつと、あとこのレアチーズフラペチーノを。トールサイズで」
    「かしこまりました!店内ご利用でよろしいですか?」
    「えぇ、こちらでいただきます」
    「ありがとうございます!お会計2点で、1365円です」
    支払いを済ませて、レシート片手に長身の男がこちらへ向かってくる。
    窓際の席でいいか指を刺して確認をすると、無言で頷かれたのでそのまま彼の鞄を受け取り席へと向かった。
    商品を待っている間、男はバーカウンターの前で姿勢良く立っているだけなのだが周りの女性達はちらちらと男の方を見ている。
    時折女性と目が合ったのか小首を傾げてみせたりするものだから、黄色い声はあちらこちらから飛び交っていた。
    キザな男だ。
    「おまたせ、ノートン」
    そう言ってテーブルに置かれたのは、氷がたっぷり入ったブラックコーヒーとたっぷりの生クリームに色鮮やかな向日葵色のソースがかかったいかにも甘そうな飲み物。
    それに小さな紙コップに入れられた一口サイズの新作のパウンドケーキ。
    「またそんな甘いもの頼んだの?」
    「えぇ、気になるじゃないですか」
    「どうせ残すくせに……」
    溜息を吐きながらアイスコーヒーを一口。
    きんっと冷えたそれが喉を通り、身体へ染み渡っていく。
    ふぅ、と一呼吸すると、香ばしい香りが鼻を通り仄かな心地よい苦味が舌に残る。
    もう一口、こくり。
    それから試食用の小さくカットされたパウンドケーキに手を伸ばす。
    レモンの爽やかな香りがして、生地に黒いつぶつぶがある。
    なんだろうと見つめていると、レモンシードだそうですよと教えてくれた。
    ぱくりと一口頬張ると、レモンの香りが口いっぱいに広がって、程良い甘さのアイシングが疲れた脳みそを癒やしてくれる。
    けれど、たった一口分食べただけなのに口内の水分全てを持っていかれてしまって慌ててアイスコーヒーに手を伸ばした。
    なるほど、これはコーヒーが良くすすむ。
    上手いシステムだなと一人で納得してしまった。
    「美味しいですか?」
    「うん。パウンドケーキだけど爽やかで甘過ぎない。でも口の中の水分全部持ってかれちゃうんだ、アイスコーヒーがよくすすむ」
    「なるほど。それは上手に開発された商品ですね」
    「そっちは?美味しい?」
    「えぇ。レアチーズクリームのコクのある甘さと、レモンソースの爽やかな香りと甘酸っぱさがとてもマッチして美味しいですよ」
    一口いかがですか?と差し出されたが、いらないと断っておく。
    美味しいのにと肩をすくめて大袈裟にわざとらしく残念がるその姿は、とても歳上の男とは思えない。
    長身の美形が可愛らしいドリンクを飲む姿に、周囲の女性客たちの視線が集中しているのが振り向かなくてもわかる。
    半分くらい飲んだ所で、ジャックもパウンドケーキに手を伸ばした。
    ぱくりと口に放り込み、もぐもぐと咀嚼する。
    僕の視線に気づいてにこりと微笑むものだからそこかしこかでまた、かわいー!と黄色い声が飛んだ。
    パウンドケーキを飲み込んだジャックはそんなのお構いなしに、僕の前にあるアイスコーヒーへと手を伸ばす。
    「……ジャック、それ僕のコーヒーだよ」
    「んー……ふぅ。本当に口内の水分全て持っていかれますね。けれど、この喉の潤う感覚は好きだ。すみません、ノートン。もう一口……うん。甘いアイシングをコーヒーの苦味がすっきりと洗い流して、最後に仄かなレモンと香ばしい香りが残る。良い組み合わせですね」
    にこにこしながら、またアイスコーヒーを飲んでいる。
    「自分のを飲めよ」
    「あぁ、どうにも甘ったるくて飽きてしまいました。やはり夏はこういうさっぱりした飲み物が1番だ」
    「ねぇ、返して」
    むっとした顔で睨んでも、飄々とした態度は崩れない。
    むしろ僕のこういう反応が楽しいらしく、甘ったるいテノールがくつくつと揺れる。
    「いいじゃないですか。ノートン甘いの好きでしょう?」
    「甘いのは好きだけど、それはジャックが頼んだ物だろ」
    「まぁ、そう言わずに」
    「……このエセ紳士野郎」
    子供みたいな悪口を投げつけたら、尖った革靴でこちらの足先をこつんと蹴ってきた。
    負けずに脛を蹴り返す。
    小さく、ちっ……と聞こえた舌打ちは、やはり紳士とは程遠い。
    「痛いな」
    「ジャックが先にやったんだよ」
    「私は足先を当てた程度ですよ、貴方のは痛い目に遭わせてやろうという意図がある」
    「そもそも僕のアイスコーヒーを勝手に飲んで返してくれないじゃないか」
    「いいじゃないですか、私は甘ったるくなった口をリセットできる。貴方は新作のフラペチーノを飲める、損はないでしょう」
    「そうやっていつも勝手に決めつけるのは悪い癖だ。僕はそれを飲みたいだなんて一言も言ってないし、思ってもいない」
    もう一度脛を軽く蹴る。
    今度はじとりとした視線を寄越して、何も言わない。
    流石に分が悪いと思ったのかな。
    むすりと子供っぽいジャックの表情に、ほんの少しだけ気分が良くなる。
    「わかったならコーヒー返して」
    「…………」
    すっとカップを持ったまま、ジャックの手がこちらへ伸びる。
    「やっと返す気になった?まったくジャックのそういう子供みたいな…」
    僕の言葉は無視して、にこっと美しい笑み。
    僕にとって良くないことを考えている時の顔だ。
    その証拠にジャックはそのままカップを自分の口元近くに戻し、形の良い唇がストローを咥える。
    そしてそのまま、ぢゅーっと…
    「は!?おい、返せよ」
    無理矢理奪い返そうと伸ばした手を逆に掴まれ、思い切り引っ張られる。
    そのままジャックの顔が近づいてきて、
    「ん〜〜〜〜〜っ!!」
    人前だというのに、唇が重なる。
    顔を離そうと躍起になるも、腕は掴まれ腰にもジャックの手が周り固定されている為、なす術がない。
    こうなったら噛み付いてやろうと口を僅かに開けた隙に、重なりがさらに深くなりジャックの舌がするりと滑り込んできた。
    そこから生ぬるくなったアイスコーヒーも少しずつ流れ込んでる。
    「ん、んむぁ…ん、ふぅっ」
    顔を背けてしまえば済む話なのに、結局は零さぬようにと自ら迎え入れてしまっていた。
    僕が全て飲み込んだのをチェックするように、ジャックの舌が僕の口内を弄った。
    上顎、歯列、舌の裏…どこにも隠してない事を確認した証みたいに、舌先に僅かに歯を立てられて解放される。
    「ん、ふっ……」
    「ちゃんと返したでしょう?」
    「だからってこんな…」
    こんな?
    あれ、今僕たちがいる所はどこだ?
    ばっと周囲に目をやると、そわそわと煌めく沢山の瞳がこちらを見ていた。
    「あ、ちがっ…そう、えっと、おふざけにしては度が過ぎるぞ!!」
    「いつもより唇が乾燥してますね。そろそろリップクリームを塗るようにしなさい」
    「んっ!!!」
    いつも!?今いつもって…!!なんて言葉がふわふわと浮いている。
    もうやめて、勘弁してくれ。
    僕を見ないでくれ。
    「ノートン?」
    「ジャックの馬鹿っ!!!もうえっちしないからな!!!!!」
    そう叫んで店を飛び出した僕が、自分が犯したとんでもない過ちに気づくのは3時間も後の事となる。
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    huurai

    DONEまる親だかリトポーだかよくわからない。お好きな方でどうぞ。
    なんだか国なのか大人なのか子供なのか学パロなのかはたまたそれ以外の何かなのかわからなくなってしまった。バス停のイメージはベンチが三つくらいあって天井がある日本の田舎のバス停のイメージです。
    【お題】 夏空 バス停 サイダー蝉が鳴いている。汗が垂れて地面に落ちて溶ける、青い空は太陽をキラキラと輝かせてこちらを火炙りにしている、バスが来るまでまだそれなりに時間がある、アイツはまだ来ない。いつもアイツは遅刻するから、バスが来る時間よりもかなり早めに集合時間を決める、それぐらいだと遅刻してきた時に普通の集合時間くらいになる。でもたまにすごく早く来ることもあるから俺も遅刻して行く、とかはできない。でも今日は失敗だった、それも大失敗。バス停の屋根は日光を防いでもこの暑さを防いではくれない。この暑さをどうにかしたくて髪を結び直す、頭に熱が溜まっていたのか髪を解くと少し涼しくなった気がした、のも束の間すぐに首に張り付いて体温が上がる、髪をさっきより若干高い位置にまとめ上げる、これで少しはマシになると良いけど。時間を見る。後ちょっとで親友は来るだろう。夏になりたてはいつもこうだ、夏の暑さを忘れて油断してしまう。額に手を当て目を閉じる、蝉が鳴いている。夏の晴れた空気の匂いがする。不意に頰に冷たい物が当たった。「うわっ!?」目を開けるとニヨニヨと笑っているポーランドとその手に握られている炭酸飲料が目に入った。「リト、間抜け面だし〜」そしてもう一つの炭酸飲料が頰に当てられている、暑さが頰から軽減されていって心地がいい「ちょっと、やめてよポーランド、すごいびっくりしたんだけど〜?」あくまで咎めるように言うと彼は心底楽しいと言うように笑みを深くした。「今日暑かったからこれ買ってきてやったんよ!感謝するといいし!」頰にグイグイとサイダーを押し付けてくる。「ありがとう、ポーランド」サイダーを受け取って額に当てる、涼しい「今日ほんとに暑いし、、、溶ける、、、」バス停のベンチに座ってバスを待つ。アイツは人がいないのをいいことにベンチに寝転がっている。蝉がうるさいくらいに鳴いている。「そうだね、ほんと、溶けちゃいそう、」ペットボトルを開けてサイダーを一口飲む、爽やかな味が口いっぱいに広がって、喉が渇いていたからなのかとても美味しく感じた。車の音が遠くから聞こえてきてバスの到着が近いことを教えてくる。「バス、来たんじゃない?」ベンチで伸びているポーランドに声をかける、「おこせし、、」差し出されたポーランドの手を引っ張り起こして丁度到着したバスに乗り込んだ、一気に冷気を浴びる、思わず息が溢れた。「「涼しい、、」」息と一緒に言
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