雨宿り「ピッコロさん!」
ぼつ、ぼつと大きくなる雨粒を受けて組手の手を止める。
遠くから気を放っていた悟飯が、駆け寄ってきて、俺の手を掴んだ。
普段は上げている髪がぐしゃりとへたって目にかかっている。
それをかき上げてやれば、うちで雨宿りしましょうと手を引かれ、悟飯の家へと向かった。
玄関先でぎゅっと胴着を絞ると家の中に吸い込まれて行く。
中からばたばたと走り回る音を聞きながらマントを絞っていると、お待たせしました、と悟飯がひょっこりと顔を出した。
「いま、お母さんと悟天もいないみたいで。これ、使ってください」
差し出されたタオルで軽く身体を拭う。
服も新しいものを出してしまおうとした瞬間、ずい、と緑色の服を渡された。
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