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    かべうちのかべ

    @mahokabeuchiaka

    まほやくのかべうち。壁打ちの結果であがった物を細々と載せる。
    学パロと両片想いが好き。

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    かべうちのかべ

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    そういうブラネロ2の展示物1
    学パロ。俺はモブ。昨日遭遇したブラネロの話をしているだけ。

    ##ブラネロ
    ##学パロ

    <はやく付き合ってしまえばいいのに……>


     中庭のベンチに座って晴れた空を眺めながら、隣の仲間と取り留めのない話をしていた。ともすれば眠りに落ちそうな穏やかな日だ。話すことは喧嘩の話。流行のゲーム。ボスの話。と、どんどん変わっていく。
     今度はネロさんの話らしい。

    「昨日さ、ネロさんからボスの香水の匂いがして、一緒だったんだなぁって思ってそう言ったら、慌てたみたいに説明されちまった。今更膝枕してたとか言われてもなんとも思わないのに、誤解すんなよって」
     小さく溜息を漏らす仲間は何の誤解が有るのかと笑った。
    「ネロさんほんと、自分たちの距離感分かってないんだから……」
     仲間の呆れたような声を聞きながら、昨日の出来事を思い出す。
    「そういえば、俺、昨日昼にネロさんに聞きたいことあって屋上に行ったんだよ」

    最近のネロさんはよく屋上で1人勉強している。以前は俺達みんなの溜まり場のようになっていたが、今はなるべく勉強の邪魔にならないようにと控えているので、タイミングが悪く無いことを願いながら扉を開けたのだった。

    「ネロさんボスの膝枕で眠っててさ、「疲れてるみてぇだから用があるなら今度な」ってボスがめちゃくちゃ優しい顔で静かに言うもんだからこっちが恥ずかしくなっちまった」

     見事に、タイミングは悪かったと思っている。あんなボスは久々に見た気がする。声も目も、髪を梳く手も優しかった。俺が見てもよかったのかどうか……。
     あまり見ない光景に少し慌てたのもあるが、普段は逆なのだ。ネロさんが勉強しているところにボスが膝を借りて眠っているのがいつもの図。そのときネロさんは小声で「わりぃな、なんか用事か?」と言いながら対応してくれる。もちろんこちらも最悪のタイミング。俺らは一刻も早く終わらせて戻る為に頭をフル稼働させなければならない。邪魔した結果ボスの機嫌を損ねたるなんて事があってはいけないからだ。ネロさんの方はいるのが当たり前のように対応するから最初に遭遇したときは戸惑ったものだ。

    「あぁ、なるほど。昨日は膝枕する側じゃなくてされる側だったってことか。逆は慣れてるのに、なんか気持ち的に違うもんなのかね」
    「さぁな。ほんと、はやく付き合っちまえばいいのに」
    「まぁ、俺らには何もできねぇけどな」
     周りから見れば、もう付き合って何年も経っているカップルのようなのだが、これがどうしてか付き合っていないし、ネロさんは自覚もないのではないかと思っている。ボスが動けば全て解決しそうなものなのに、この状態に満足しているらしい。下手なことが言えない俺達は、気をつけながら見守る以外の選択肢はない。

     ほんとに、はやく付き合ってしまえばいいのに……。
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    かべうちのかべ

    MENU『冬から春へ』
    の書き下ろし2作の冒頭部分抜粋しました。( )内の計は全文の長さ。サンプルはその三分の一くらい。

    『お気に入りは』←オエちゃんとネの出会いと、その数ヶ月後。(計3200字くらい)
    『宴の夜に』←ブ様とおシャイがお話するところ。(計1600字くらい)
    頒布先→ https://mahokabeuchiaka.booth.pm/items/3914349(BOOTH店舗)
    『冬から春へ』書き下ろし文サンプル『お気に入りは』

     ブラッドリーの城の近くの森で動物たちから面白い噂を聞いた。
    『俺たちの言葉がわかるやつがいる』
    『ちょっと聞かないなまりのあることばを話す』
    『近くにいると穏やかな気持ちになる』
    『食べたことのないような、甘くておいしいものをくれる』 等々。
     
     最近何もなくて退屈だし、オーエン以外で動物と話せる存在はそう多くない。それになにより、『甘くておいしいもの』が気になった。オーエンは甘いものに目がないのだ。
     巻き起こる吹雪の中を歩いているとは思えないほどに悠々と進み、しばらく行けば視界が開ける。ブラッドリーの治める領域の中へとたどり着いたのだ。今は昼前で太陽が真上に上り、先ほどとは打って変ってかなりの晴天になっている。そのおかげか、遠くの街の煙突の煙まできれいに見えているが、そちらには目もくれず、その北側へと広がる森へと歩を進めた。
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    かべうちのかべ

    DONE再掲
    ・初めて激オコしたネ君と何が悪かったか分かってないブの話

    第1回ブラネロ冬春ワンドロライ、4回目のお題:喧嘩 より。
    2021.8.30にTwitter掲載済。
    『らしくない』「……」
    「ネロ?なんだそんな恐い顔して」
    「これ……、どうした?」
    「お、それな。美味かったぜ!」
    「……食ったのか?」
    「おう」
    「昨日、これだけは食うなって、言っといたよな?」
    「そう……だったか?まぁ、でもこんな美味そうなもん我慢できねぇし、また作ればいいだろ?」
     悪びれもせずにそう言って笑うブラッドリーとは反対に、ネロは感情を落としたように無表情だ。何度か耐えるように呼吸を繰り返していたが、どうにも収まらない怒りがあふれ出す。
    唇をかみしめ、顔をゆがめてブラッドリーをにらみつけるとキッチンから荒々しく駆けだした。感情にまかせた言葉を吐き捨てて。
    「てめぇは……野菜でも食ってろ!」
    「は? おい、ネロ!」

     涙こそ出てはいないが、明らかに傷ついた表情で去って行ったネロに困惑するブラッドリーは、何がなんだかさっぱりと分かっていなかった。そのまま呆然と扉を見つめ考え込むが、何度思い返してみてもいつものつまみ食いとなにも変わらない行動だったと思う。
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