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    Namako_Sitera

    @Namako_Sitera
    ヘキに忠実に生きたい。

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    Namako_Sitera

    DOODLE継章後、そこからもっと時間が経ってちょっと未来に進んだ世界のロンxヨルのようなヨルxロンのようなクソデカ感情の殴り合い。多分最初の星5チケットでロンを選んだ世界線のヨル。
    ヨルの本職が聖火教会絡みの暗部扱い。そこからこれからどうなる?という未来の話。真面目だけど動機は全然真面目じゃない。ちょっと筆が乗っちゃって……!!
    ジャスティティア・オーバーグロウ「ロンド」
    「はい」

     それはさながら罪状を読み上げる執行官がごとき気迫だった、と実はこっそり様子見をしていたヒューゴは語る。
     聖火守指長となったロンドと、とある屈折した来歴を持つ”選ばれし者”ヨルン。聖火を信仰対象にするものたちにとって、二人は聖火がもたらした未来への炎そのものだ。信徒の中には彼らをホルンブルグの双璧に準えて、聖火の双剣と呼ぶものもいる。彼らはそれぞれ決して隣立つことはない立場だったが、二人は年頃も近いこともあって仲が良く友人と呼べる間柄だというのも聖火教会の中では周知の事実だった。
     だったのだが。
     フレイムグレース大聖堂、大聖火の前でそれは起こった。
     ……全てを授けしものとの戦いから数か月、エドラス女王と他でもないガ・ロハの女帝の意向で西方本国へ和平交渉の旅に出ていた選ばれし者がようやく任務を終えオルステラに戻った。大陸の期待を一身に背負い紆余曲折もあったが、無事に和平協定を結ぶ場に立ち会うというひときわ大きな土産をもって帰還した旅団と選ばれし者を、英雄と呼ばずしてなんと言おう。
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    Namako_Sitera

    DOODLEタイトルのまま。全極、および富授の内容を含みます。あと少々傷に関する表現も。
    三授編のあと、全授のまえ。そのあたりで二人で温泉に行く話。特に何でもない相棒関係の二人の話。

    のんびりしたいね、しよう! な話。全授が来るなんて思ってもない、このままゆるやかに日常に生きていくつもりだった二人もいたんだろうなって。
    バルジェロとヨルン、温泉に行く。「相棒、温泉旅行に興味はないか」
     
     持たざる者の襲撃からほどほどの時間が経ち、ようやっとヴァローレが落ち着きを見せたころ。西方遠征から戻ったヨルンが久方ぶりにヴァローレに立ち寄ると、バルジェロから少々珍しい旅の誘いを受けることになった。
     
    「温泉?」
    「回復効果のある風呂みたいなものだそうだ」
    「唐突だな」
    「シャナから勧められてな」

     曰く、大抵の傷に効くのだという。傷は塞がっても痛む場合があるがそれを治療したり、緩和する効果があるらしい。
     傷、と聞いて思いつくのは持たざる者との戦いで昏睡状態陥るほどの大怪我をしたバルジェロの姿だ。シャナからの入れ知恵ということは、恐らくその傷をシャナに見られたのだろう。それからどんな会話を繰り広げたかはヨルンであっても想像するに容易い。
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    Namako_Sitera

    DONE怪盗エルと薬師ヨルンがたまたまエンカウントする話。完全イフのふわっとした夢。”そうはならなかった”彼らが、”そうなってしまった”世界に想いを馳せつつ前を向く話。全極バレ含みます。
    月を飲み干す。 夢を見た。
     愛しのマフレズがお父様の手で殺されてしまう夢だ。それだけで飛び起きてしまいたくなるというのに、夢の中の私にとってはその世界は現実だったのだろう、必死に歯を食いしばってエドラスを飛び出した。王女としての身分を隠し、慣れない旅装に身を包み、マフレズが教えてくれた剣を携えて。夢を見ている私からしてみたらそれだけでも大偉業だった。あぁ彼女はなんて勇気のある人だろうか、私は今もお父様の暴挙を止められず、いまだ何もできずにいるというのに。
     夢の中の私は剣士エルを名乗り、貧民街である人物と再会する。それは一度はエドラス軍と共に戦うもある理由からパーディス王によってマフレズ殺しの罪を擦り付けられた、旅の剣士だった。彼はクラグスピアでも噂になりはじめた旅団の団長で、奪われた特別な指輪を取り戻すべくエドラスを訪れたのだという。パーディス王の野望を阻止するという目的が一致した二人は手を組むことになった。
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    Namako_Sitera

    DOODLEもしもフィナとヨルンが知り合いだったら名授ifの続き。えっ知り合いの状態で名授を!? の本編。ずっと分かってるフィナ、ずっと分かんないサザントス、全部知ってるので奇行をするヨルン。もしかして:最初から破滅が決まってる? そうかも……
    いつかの話。【2】 サザントスが原初の洞窟に追いついたころには、全てが終わっていた。物静かな祭壇からは炎は消え、選ばれし者の手にあったはずの採火燈はセラフィナの元にある。先行したはずの選ばれし者はセラフィナと対峙してはいるものの、彼女の計画を阻止することは叶わなかったようだ。
     聖女の皮を被った邪悪は出遅れたサザントスをみやると、まるで憐れなものをみるかのような目でさざ波の様に嘲笑う。どういった意味を含んだものなのかサザントスには分からなかった。しかし、問いかけを叫ぶ暇もなくセラフィナは黒呪炎に包まれて消える。
     サザントスは選ばれし者へ……ヨルンへ視線をやる、”何をしていたのか”と。”一体何があったのか”と。選ばれし者は普段通り気だるげに、今サザントスの姿に気が付いたかのように小さく首を傾げた。サザントスの問いの意味自体を理解していないように、わざとらしく。
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    Namako_Sitera

    DOODLEもしもフィナとヨルンが知り合いだったらという名授のif。えっ知り合いの状態で名授を!?みたいなセルフ地獄の幻覚。
    いつかの話。【1】 一年の何度か、師はエンバーグロウに赴き大聖堂に向かう。その間ヨルンは大聖堂の神官や聖火騎士に預けられ、広間で師匠を待ちながら神官さまの話を聞いたり見様見真似で祈ったりしたりと他の子どもたちと同じように過ごす遊びに勤しむ。そうして時間を潰していると師匠が迎えに来て、また盗餓人狩りの仕事へと戻っていく。
     ヨルンが遊んでいる間に師匠が教会から金を受け取り、仕事の情報を仕入れていたことを知ったのは師匠に拾われて年が二回りほどしたあるく日のことだった。
     具体的な仕事を教わり始めた頃のことだ。盗餓人狩りにも支援者がおり、その支援者は聖火教会であること。枢機卿団と呼ばれる教会の実務を担う者たちから仲介人を通し依頼を受け、仕事場に向かう。その報酬として金銭や物資を受け取り、また仕事を受ける。盗餓人狩りの罪を背負うのは、人々を導く聖火を守るためでもあるのだと師匠は語った。そして師匠が行う冥銭に扱う金銭は教会から受け取った金を使っているのだという。私たちは金のために盗餓人を狩るのではなく、盗餓人のためにそして人々のために金を稼ぐのだと。ヨルンの髪を撫でながらそう言っていたのを覚えている。
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    Namako_Sitera

    DOODLEお題箱より師匠とヨルンの話。師からクッキーを手渡された幼き日のヨルンの祝福に満ちたある日の記憶。
    そういう日も多分あったんじゃないかな……と。
    8才、或いは1年目のきみへ。「ヨルン、」

     ヨルンの中にある師の記憶の大抵は、己の名を呼ぶ声ではじまる。
     幼かったあの日々、師はヨルンを呼びつけると息を吸う様にヨルンの頭を撫でた。そのがさついた指先はくすぐったく、いつも温かい。名を呼ばれることも、頭を撫でられることも、常に不可視の恐怖に苛まれていた当時のヨルンにとっては安堵できる数少ないひと時だった。

    「なんでしょうか、お師さま」
    「お前に渡すものがある、おいで」
     
     手招かれるまま師の隣に座る。足のつかない酒場のカウンター席にうまく乗ると、師からするはずの酒の匂いが少しばかり薄いことに気が付いて首を傾げた。珍しい、呑んでいない。
     とはいっても今日は仕事に出たわけではなく、町で行われていた小さな祭りを見て回った日だったのでそういう気分ではなかったのだろうとヨルンは思った。その祭りはその近辺で引き起こされた戦の戦死者を弔う鎮魂祭だったのだが、当時幼くあまり周囲に興味を持たなかったヨルンには理解できないことだったろう。
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    Namako_Sitera

    DOODLEヨルン×ウ・ルダイ。ウ・ルダイのトラスト匂わせアリ。身長差に関する捏造もあり(ヨルンがちょい小柄、ウ・ルダイが長身設定)
    付き合ってるのか付き合ってないのか微妙なラインだけど少なくともウ・ルダイはもうめちゃくちゃ好きみたいな感じになってるヘキの詰め合わせみたいな小話。問題は略称に困ること。ヨルウ・ル?ヨルダイ?
    ウ・ルダイさんの特別な虫除け。「(うーん 杞憂だとは思うんだけど……ねぇ? どうしよっか、ウ・ルダイさん?)」

     あくる日のサンシェイド。照り付ける日差しも中々の陽気な街並みを歩きながら、行商人ウ・ルダイはとあるちょっとした懸念にため息をついた。
     今回の用事は討伐依頼、砂漠で徒党を組んだ盗賊団を蹴散らす仕事だ。とはいっても砂漠の盗賊は曲者だらけ、居所を特定しないと話にならない。なのでもちろん情報収集からになるのだが、ウ・ルダイのちょっとした懸念はそこにあった。
     サンシェイドの大通り、一歩前を歩いてそれとなく歩きやすいようにしてくれているヨルンの横顔を見る。印象的な目つきに銀の髪、武骨な雰囲気だけどよく見たら小柄で実はウ・ルダイよりも背が低い。いや身長に関してはウ・ルダイが勝手にでかいだけなので仕方がないのかもしれないが。顔がいいというわけではないが目を惹く容姿をしているのは違いない、このウ・ルダイが目を離せないのだから絶対そうなのだ。しかもそれに対して本人はまったく無頓着なのが猶更悩ましい。
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