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    heartyou_irir

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    ジャクレオの媚薬エロ(レオナ編)の導入部分。これはまだエロなし。のちのちR-18。
    少しずつ進歩上げてくぞ~!

    カラダが熱くてしょうがない!【レオナ編】1柔らかなマットレスに、肌に当たるひんやりとしたシーツの感触。目を開くと、そこにあったのは一面の白だった。
    シンとした空気は体に重くのしかかり、目覚めたばかりの思考はこの状況を上手く理解できず、ぼんやりと宙を漂う。

    確か、自分は寮の自室で明日の魔法薬学の予習をしていたはずだ。それがどうしてこんな見知らぬ場所にいるのか。考えても分かるはずもなく、ジャックはとりあえず周りの状況を調べようと重い頭を左右に動かした。

    しかしてそこにあったのは、やはり一面の白だった。部屋の広さはそれほどたいしたものではないようだが、見える範囲にはドアどころか窓も一つもない。閉鎖された空間。

    誰かのユニーク魔法が暴発でもしたのだろうか。ジャックは全く身に覚えのないこの状況に深くため息を吐き、まずはこの部屋の中を詳しく調べようと、沈むマットレスに肘をついて重い体を起こした。

    「あ……」

    するとジャックの足元、そのすぐ横に見知った姿を見つけて、ジャックは中途半端に体を起こしたまま動きを止める。

    背中を覆う長いダークブラウンの髪。頭に生えた獣人族のそれ。ベッドの縁に腕を組みながら腰かけていたのはサバナクローの寮長、レオナ・キングスカラーだった。
    ジャックはその姿に僅かばかりの安心感を覚え、ほっと息を漏らす。

    「レオナ先輩」

    するとレオナはいつもと変わらぬ表情でゆっくりとジャックを振り返った。

    「起きたか」

    その姿にジャックの体からまた少し力が抜ける。けれど完全に不安が消えたわけではない。ジャックは無意識にベッドの上で膝を抱え、辺りをきょろきょろと見渡した。

    「あの、レオナ先輩はここがどこだか分かりますか?俺、部屋で勉強してたはずなんすけど……」

    改めて周りの様子を見てみるが、そこに広がるのは先ほどと何も変わらない、ただただ真っ白な空間だった。唯一新しく見つけたのは少し離れたところにあった小さなローテーブルだが、これもまた部屋同様、白に塗りつぶされている。
    その異様な光景に、ジャックは更に尻尾を縮こませる。

    「ドアもないなんて。これじゃあいったいどうやってここから出たらいいのか……」
    「それなら一つ手がかりになりそうなものがある」
    「えっ、うわっ!?」

    レオナの言葉に顔を上げると同時に何かが投げて寄こされ、ジャックは慌てて両手でそれを受け止めた。固い、つるりとした感触にゆっくりと手を開いて中を確認すると、それは手のひらにおさまるほどの小さな小瓶だった。中には薄ピンク色の液体が入っている。

    「なんすか?これ」
    「さぁな。この紙切れと一緒にあのテーブルの上に置いてあった」
    「紙切れ?」

    続いてレオナが寄こしたのは小さなメッセージカードだった。ジャックはそれを受け取り、可愛らしくハートが散りばめられた面に書いてある文字を読み上げる。

    「……これを飲め?」
    「部屋を一通り見たが、それ以外は何も見つからなかった。ここがどこだかは分からないが、おそらく魔法で作られた空間だろう。だとすると、外に出る方法は提示された条件を満たす必要がある可能性が高い」
    「なるほど」

    そう言ってジャックは目の前に小瓶を持ち上げ、軽く振ってみる。ちゃぷちゃぷと揺れる液体は、蓋をしているせいで匂いまでは分からない。これを、こんな得体のしれない物を、飲めというのか。

    「なんかヤバイもんなんじゃないですか?」

    どんな作用があるかも分からない物を飲むなんてリスクが高すぎる。そう思いながら小瓶を睨みつけていると、すっとレオナが手を差し出してきた。ジャックはおとなしくその手に小瓶を渡す。

    見た目だけでは液体の正体がなんなのかは分からない。安全という確証もない。本当にあれを飲む以外にここから出る方法はないのだろうか。

    小瓶を睨みながら眉をひそめるジャックをよそに、レオナは何事もないような顔をして突然瓶の栓を引き抜いた。キュポッという音と共にジャックの鼻にほんのりと甘い匂いが届く。例えるならば果汁たっぷりの果物ジュースのような匂いで、少しだけ警戒心が薄れる。

    けれどすぐに頭を振ってその考えは振り払った。匂いだけでは安全かどうかなんて分からない。たとえ妖しい匂いがしていなくても、得体のしれない物であることには変わらないのだ。

    するとレオナも匂いが気になるのか、瓶の縁に鼻を近づけてスンスンと匂いを嗅ぎ始めた。

    「……ふむ」

    何度も鼻を鳴らし、そして微かに目を細める。そして瓶を鼻から離したと思った次の瞬間、レオナはジャックが止める間もなく、瓶の縁に口をつけて一気に中身を呷ってしまった。

    「あっ!?」

    ぺろりと唇を舐めるレオナの横顔に、ジャックは慌てて手を伸ばして、空っぽになった小瓶を奪い取った。

    「な、なにやってんすか!?毒でも入ってたらどうするんですか!」
    「だったらなおさら俺が飲むしかないだろうが。心配すんな。大抵の毒には耐性がついてる」
    「でも……」
    「それより見ろ。やっぱりドアが出てきたぞ」
    「え……」

    そう言って指をさすレオナの腕の先を辿っていくと、そこには茶色い木製の扉が出現していた。金色に光るノブは普段ならばなんとも思わないのに、この部屋の中にあると何故か異質なもののように感じてしまう。

    「ほら、さっさとこんなとこ出るぞ」
    「え、ちょっと……」

    次々に進む展開に追いついていないジャックを置いて、レオナはさっさとベッドから立ち上がり、扉に向かって歩き始める。その背中を見て、ジャックも急いでベッドから降りて後を追いかけた。

    扉は本当になんの変哲もない、ただの木製の扉だった。まるで最初からそこにあったかのように白い壁の中に埋まっている。

    ジャックはレオナの隣に立ち、そっと扉に手を伸ばした。ニスが塗られた表面はつやつやと光っている。軽く拳を握りコツコツと叩いてみるが、質感も返ってくる音も全てが慣れ親しんだものだった。白に埋め尽くされた空間に突如として現れた出口。果たしてこの向こうには何があるのか。

    「行くぞ」
    「はい……」

    レオナがドアノブを捻り扉を開けると、その隙間から強い光が漏れ出てきて、ジャックはとっさに目を腕で覆った。光は扉が開けば開くほど強くなる。最後は目を開けることさえ難しくなり、ジャックは強く目を閉じた。

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